アルスロポディウムはユリ科の植物で、日本原産の「コクリュウ(黒竜)」に似ているといわれています。カプチーノと呼ばれる品種の葉の色は一年を通じてブラウンで、シルバーがかった質感が美しく、庭や寄せ植えにいいアクセントとなるでしょう。
ボタニ子
園芸部類 | 草花 |
形態 | 常緑多年草 |
樹高・草丈 | 10~15cm |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 観賞用 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
アルスロポディウムの大きな特徴はその葉の美しさにあるでしょう。アンティークブラウンや濃いグリーンの細長い葉が、風にゆれる様がほかの植物にはないものですね。
アルスロポディウムは常緑種なので、1年をとおして葉の美しさが観賞できるのも魅力でしょう。また、宿根草なので毎年少しずつ大きくなります。こぼれ種で増えるのでグランドカバーにもおすすめです。
アルスロポディウムの品種の中で、ブラウンカラーリーフとして知られているのは、アルスロポディウムスターリリー「カプチーノ」です。カプチーノという愛称で呼ばれることが多く、初夏に釣り鐘状の白い小さな花をたくさん咲かせます。葉の表はブラウンですが、裏側は濃いグリーンなため、ゆれるたびに違う印象になるのが魅力でしょう。
アルスロポディウムキャンディダムは、カプチーノに比べて葉の緑が強い品種です。小さな釣り鐘状の花が上品で、その静かな美しさから「小町ユリ」とも呼ばれます。
植え付け時期 | 4~5月 |
剪定の時期 | 9~10月 |
花が咲く時期/開花時期 | 6~8月頃 |
アルスロポディウムの植え付け時期は?
アルスロポディウムは極端に暑い夏や寒い冬以外、一年を通して植え付けができます。花を咲かせるのが初夏~秋なので、それまでに植え付けを終えると花を楽しめるでしょう。
アルスロポディウムの開花時期は?
アルスロポディウムは、6月から白い釣り鐘状の小さな花をつぎつぎに咲かせます。秋の訪れまで花を楽しめるでしょう。
アルスロポディウムは、寒冷地では霜が降りなくなった4~5月、温暖地であれば夏の強烈な暑さを避けて10月が植え付けの適期になります。耐寒性、耐暑性が共に強いので栽培も比較的簡単です。
アルスロポディウムは鉢植え・地植え、両方の栽培方法が可能です。鉢に寄せ植えにして色合いを楽しんだり、地植えでグランドカバーのようにしたりするのもおすすめです。こぼれ種で増えるので、地植えの際はある程度面積を確保してもよいでしょう。
アルスロポディウムは日当たりのよい場所を好みますが、あまりに強い直射日光が当たる場所では葉焼けを起こして変色してしまうことがあります。また、「カプチーノ」であれば葉のブラウンが退色してグリーンが濃くなる場合があるため、別の植物の株元などに植えて適度に日があたる場所がベストでしょう。室内で育てるのであれば、暖かな日当たりのよい場所において管理します。
アルスロポディウムは、水はけのよい用土であればさほどこだわる必要がありません。鉢植えの場合は鉢底石をいれ、赤玉土7:腐葉土3でブレンドした土に緩効性の化学肥料を混ぜ込んで植え付けます。地植えの場合は腐葉土と緩効性化学肥料を混ぜ込んで植え付けるとよいでしょう。あらかじめブレンドされた草花栽培用の土を使えば、緩効性肥料を混ぜ込まなくてもかまいません。
アルスロポディウムの水やりは、乾燥気味に管理するのがポイントです。一日に何度も少量の水を与えると根腐れや株の蒸れの原因となり、やがて枯れてしまうこともあります。土が乾燥してきたらたっぷりと一度にまとめて水をやりましょう。
地植えのアルスロポディウムは、最初の植え付けのときに緩効性肥料を混ぜ込んでおけばこまめな施肥は不要です。鉢植えの場合は、春と秋に緩効性肥料を株元に置き肥します。葉が黄色く変色したり新しい葉や花が出てこなかったりするときは、肥料不足が考えられるので施肥しましょう。
アルスロポディウムは害虫対策もほとんど必要ありませんが、地植えの場合、ナメクジに食害されることがあります。あまりに数が多く気になる場合は、ナメクジ忌避剤を使うとよいでしょう。
ハイポネックス ナメトール(ナメクジ・カタツムリ用)
ハイポネックス ナメトール ナメクジ・カタツムリ用 300g
参考価格: 940円
「ハイポネックス ナメトール」は、天然の土壌中に存在する成分を使ったナメクジ駆除剤です。天然成分仕様のため、犬や猫を飼っている方にも安心でしょう。余った粒はやがて微生物によって分解され、自然にかえっていくのもうれしいポイントです。
おすすめ度 | ★★★★☆ |
---|---|
容量 | 300g |
アルスロポディウムにかかりやすい病気は特にありません。
アルスロポディウムはつぎつぎに花をつけるので、花が終わったあと花がらはつみとります。枯れ葉があれば一緒につみとりましょう。花をそのままにしておくと、実をつけ種ができるので、こぼれ種で増やせます。
苗を選ぶ際は葉に枯れがみられず、健康なものにしましょう。特にカプチーノの場合、葉が茶色いため枯れに気づきにくいかもしれませんが、そんなときは葉の先端をみましょう。先端がカサカサとして枯れているものが少ない苗を選びます。また、茂っている苗だと株の中が蒸れて枯れているときもあるので、中のほうの葉もよく観察しましょう。
植え替えの時期は植え付け同様、極端に暑かったり寒かったりする季節を避けます。植え替えの際に緩効性肥料を追加して混ぜ込みましょう。
アルスロポディウムはこまめな剪定は不要です。ただし、こぼれ種でどんどん増えていくため、株が込み合って蒸れることがあります。蒸れは枯れの原因となるので、込み入ってきたときは株の中の葉を剪定して風通しよくしましょう。
アルスロポディウムは夏越しの対策は特に必要ありません。ただし、あまりに暑い日が続くようなときは、水切れを起こさないように水やりをしましょう。暑い時間帯に水やりすると根にストレスを与えるので、朝と夕方の涼しい時間帯におこないます。
アルスロポディウムは耐寒性も強く、-10℃までなら屋外でも越冬します。関東以西での栽培であれば特に冬越しの対策は必要ないでしょう。-10℃よりも冷え込む場所であれば室内に取り込み、やわらかに日の当たる場所で管理します。
アルスロポディウムは、こぼれ種でどんどん増えて株が大きくなります。鉢植えで栽培している場合は特に新しくでた芽で鉢がいっぱいになり、株が蒸れないように株分けするとよいでしょう。掘り起こして3~5芽で株を割り、新しい鉢に植え付けます。増やし方としては、こぼれ種で育ったものを株分けする方法が一番簡単でしょう。
アルスロポディウムの花後には種を収穫できます。実の先端が乾燥して割れると直径5mmほどの黒い丸い種がみられるでしょう。用土をいれたポットに種をまき、うっすらと覆土して水やりをおこないます。冬の終わり~春先にかけて種まきしましょう。
新しく園芸界に登場したアルスロポディウムですが、黒竜の育て方が参考になります。黒竜に関する記事はこちらです。