リーキは地中海東方地域原産のネギの仲間です。西洋ネギとも呼ばれ、フランス料理には欠かせない野菜のひとつです。日本には明治初期に伝わりましたが、当時はすでに品質のよい日本のネギが栽培されていたため、西洋ネギはあまり普及しませんでした。近年では食卓の洋食化も進み、改めて注目されはじめています。
園芸部類 | 野菜 |
形態 | 多年草 |
樹高 | 60~80cm |
花の色 | 白色 |
開花期 | 4~5月頃 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | やや強い |
耐陰性 | やや強い |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
品種にもよりますが、リーキは直径約5cm、長さ60cmほどと太くて短い見た目をしています。下仁田ネギに似ていますが、葉が扁平で簡単に見分けられます。一般的なネギと比べて独特のにおいは少なく、加熱することによってとろみと甘味が出るため、煮込み料理やスープなどに利用されることが多いです。
リーキ メガトン
参考価格: 550円
メガトンは早生種で、初秋から年内に収穫可能な品種です。播種から収穫までの期間が短く育てやすいため、初心者の方にもおすすめです。葉は太く、長くてボリュームがあり、煮込み料理に向いています。
栽培難易度 | ★★★★☆ |
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おすすめ度 | ★★★★☆ |
丸種 リーキ LONGTON (ロングトン) 小袋
参考価格: 550円
ロングトンは中生の品種で、年明けから春先まで収穫できる品種です。耐暑性、耐寒性ともに強く、初心者の方でも育てやすいです。ゆっくりと成長し、畑での保存期間が長いため必要なときに少しずつ収穫できます。
育てやすさ | ★★★☆☆ |
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おすすめ度 | ★★★☆☆ |
渡辺農事 リーキ ポトフ・ルフレ 約40粒【郵送対応】
参考価格: 550円
ポトフ・ルフレは、日本の環境にあわせて開発された品種です。耐暑性や耐寒性に優れ、丈夫でとても育てやすいのが魅力です。葉は太く、柔らかい肉質でさまざまな料理に利用されています。
育てやすさ | ★★★★★ |
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おすすめ度 | ★★★★☆ |
植え付け時期 | 5~7月 |
追肥する時期 | 6~8月 |
土寄せ時期 | 6~8月 |
収穫時期 | 11~2月頃 |
リーキの種まきは3~4月ごろ、植え付けは5~7月ごろが適期です。冬越しした株は、3月ごろからとう立ちして花が咲き始めます。花が咲いてしまうと一気に食味が落ちるため、それまでに収穫を終えましょう。
リーキは露地栽培、プランター栽培ともに可能です。しかしリーキは土寄せが必要な野菜のため、露地栽培がおすすめです。プランターで栽培する場合は、なるべく深さのあるものを用意しましょう。
リーキは日当たりと風通しのよい場所で栽培しましょう。特に風通しが悪いと、さまざまな病害虫の原因になるため注意が必要です。また、日当たりが悪いとヒョロヒョロとした姿に育ってしまいます。しっかりと日に当てることで、太くて甘味のあるリーキに成長します。
リーキは連作障害が出にくく、2~3年は同じ場所での連作が可能です。それ以上の場合は、連作障害が出やすくなるため、2~3年間隔をあけましょう。
リーキを育てるときは、幅60~80cm、高さ5~10cmほどの畝を作ります。1列で育てる場合は幅が狭くても大丈夫ですが、複数列植える場合はなるべく幅を広くしてください。
リーキは弱酸性の土壌を好みます。定植の2週間前までに1㎡あたり苦土石灰を120g、完熟たい肥3kgを施し、深く耕しておきましょう。その1週間後に化成肥料を30g施して耕します。直前に行うと苗の成長に影響がでるため、計画的に土作りをしてください。
プランターで育てる場合は、市販の野菜栽培用の培養土を使用しましょう。商品によっては、あらかじめ肥料が入っていないものもあるため、その場合はプランター栽培用の肥料を混ぜて使用してください。
リーキを定植する際は、幅10cm、深さ20cmほどの植え溝を掘ります。植え溝に定植することで、軟白部を作るために欠かせない土寄せが簡単になります。
株間は5cm間隔で、植え溝の壁に垂直になるように苗を立て、葉が重ならないように植え付けていきます。根元の5~6cmに土をかけ、足で踏みつけて倒れないようにしましょう。
リーキは肥沃な環境を好むため、元肥は欠かせません。土作りの段階で、化成肥料をまいてよく耕しておきましょう。有機栽培をする場合は、鶏糞やぼかし肥料などを畑の地力にあわせて施してください。
リーキを露地栽培する場合は、基本的に降雨だけで十分で、水やりの必要はありません。真夏に1週間ほど雨が降らない場合は、水やりをしてください。プランターで育てる場合は、土の乾燥具合を見ながら、3~4日に1回水やりをしましょう。
リーキの栽培には、特に支柱立てや支柱への誘引は必要ありません。
リーキの栽培では土寄せが必要となるため、マルチングは行いません。
最初の追肥のタイミングは、植え付け後約1カ月してからです。その後は1カ月ごとに2回追肥をします。1㎡あたり50gの化成肥料を畝の近くにまき、土を混ぜながら株元に土寄せしてください。土寄せは、葉の分岐点のすぐ下まで盛り上げます。
リーキは収穫が遅れると花が咲きます。花が咲くと葉が硬くなり食味が落ちるため、その前に収穫しましょう。また、種子の袋に収穫期間が表記されています。栽培品種ごとに適した収穫期間を守りましょう。
リーキの葉が腐る原因として、土寄せ時に葉の分けつ部に土が入ってしまった可能性が挙げられます。土寄せは丁寧に行い、分けつ部の4~5cm程度下までに土をかけましょう。
べと病は春と秋によく見られる、葉に白っぽい病斑が出る病気です。長い雨のときに発症しやすく、雨によって、原因となるカビの胞子が周囲に飛び散って移っていきます。発症した場合は、症状の出た葉や株を除去して畑の外に廃棄しましょう。また薬剤を散布することで広がりを防げます。なるべく水はけをよくし、密植を避けることが予防に繋がります。
萎ちょう病は、育苗期から定植2~4週間後に発生し、収穫期には発生しません。初期は下葉が黄化し、次第にしおれて枯れていきます。酸性に傾いた土壌で発症しやすいため、事前に石灰をまいて土壌酸度を中和しておきましょう。発症してしまった場合は、株ごと抜き取って畑の外で処分してください。
その他の病気 | |
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さび病 | 葉っぱに黄色やオレンジ色の病斑が出ます。ひどくなると斑点が全体に出現し、やがて枯死します。 |
黒斑病 | 発症初期は白色の斑点が出現し、症状が進行するとやがて黒い斑点へとかわり、枯死します。 |
ネギアザミウマはネギ類に寄生する害虫です。葉に寄生して吸汁されることで傷がつき、黄色い斑点ができます。被害が少なければ少し見た目が悪くなるだけですが、被害が大きくなると枯死してしまいます。万が一被害が出たしまった場合は、市販の殺虫剤を散布してください。
ネギハモグリバエは、雨が少ない時期に発生しやすい害虫です。葉の表面に卵を産み付け、孵化した幼虫が葉を食べてしまいます。被害初期は小さな穴が開く程度ですが、被害に進むと枯死するため、発見次第市販の殺虫剤を散布しましょう。また、成虫は2~3mmと微小で、それより小さな網目の防虫ネットを張ると予防に繋がります。
その他の害虫 | |
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アブラムシ | 小さな虫が葉やサヤに群生して吸汁加害します。モザイク病を媒介するため注意が必要です。 |
リーキの苗はあまり販売されていないため、自分で種から育てるのがおすすめです。種子からであれば多くの品種の中から自分好みのものを選べ、苗を購入するより安価で栽培を始められます。
種まきは品種にもよりますが、3~6月ごろに行います。購入した種子の袋に記載されている情報を参考にしてください。
種まきから発芽するまでは、用土が乾燥しないように注意してください。濡れた新聞紙を被せて保湿し、乾燥してしまう場合は水やりをしましょう。
苗の本葉が2~3枚になったら、1週間に1回ほど液体肥料を与えてください。本葉が5~6枚に成長したら、苗を定植しましょう。