モンステラの育て方①基本的な育て方
モンステラは日陰にも乾燥にも比較的強い植物ですが、育て方にはポイントがあります。適した置き場所や水やりの方法、肥料のやり方、剪定、病害虫、植え替えなどについて、基本的な育て方をまとめました。
基本的な育て方①置き場所
熱帯地方原産のモンステラは、沖縄などの南の地方では地植えでも育てられます。しかしそれ以外の地域では、冬越しに備えて鉢植えにするのが適当です。モンステラの鉢はどんな場所に置くのが適しているのでしょうか。
直射日光を避け、明るい場所に
モンステラは春から秋にかけては屋外の半日陰の場所で管理できます。室内ならばカーテン越しの窓辺や、太陽光が差し込む明るい場所に置きましょう。強い直射日光は葉焼けを起こして枯れる原因になるため、注意が必要です。耐陰性があり、日光が入らない暗い場所に置いても枯れることはありませんが、葉が黄色くなったり徒長したりと見た目が崩れてしまいます。特に生育期である春から秋は、やさしい日の光をしっかりと浴びさせた方が元気な株に育つでしょう。
風通しがよい場所に
モンステラを置く場所は、風通しがよいことも大切です。エアコンの温風や冷風が直接当たる場所は避けましょう。
冬越しは5℃以下にしない
モンステラは基本的に寒さが苦手です。どの種類であっても、冬越しは温度が5℃以下にならないように管理します。暖かい時期に外で育てた場合も、霜に当たる前に室内に取り込んで冬越しさせましょう。室内に入れるときには、鉢裏に虫などがいないことを確認します。ヒメモンステラやマドカズラは特に寒さに弱いため、冬越しには注意が必要です。
基本的な育て方②水やり・肥料
土が乾いたら水やり
春から秋のモンステラの水やりは、土が乾いたタイミングで鉢底から水が出るくらいにたっぷり与えるのが基本です。熱帯植物だからといって水やりが多すぎると、根腐れを起こしたり、徒長して形が悪くなったりする原因になります。鉢の受け皿に溜まった水は、毎回必ず捨てましょう。冬越しの間の水やりは、土の表面が乾いてから2~3日あけるくらいの頻度で行います。エアコン等で乾燥する場所に置いている場合は注意し、葉を触ってみて張りがなかったら水が足りない合図です。
葉水を与える
時々、葉の表と裏に葉水を与える(霧吹きで葉に水をかける)ことも、元気に育てるポイントです。熱帯の植物であるモンステラは、空気中の湿度を好みます。葉水を与えることは、後述する病害虫の予防にも効果的です。また、葉に埃がついていると光合成の妨げになるので、葉水をかけたときに濡れたティッシュなどで拭いてあげます。特に冬場は乾燥しやすいので、こまめに葉水をあげましょう。
肥料は生育期に与える
肥料を与える時期は、生育期である5~9月です。観葉植物用の緩効性化成肥料を2か月に1回、植物に触れないように鉢の縁に置きます。液肥は水に混ぜて10日~2週間に1度程度与えればOKです。ただし、小さいまま管理したい場合は肥料を控えます。冬越し中は成長が止まるので、基本的には肥料は与えません。しかし暖かい室内に置いて新芽が動き出した場合は、様子をみて肥料を補いましょう。
基本的な育て方③切り戻し・剪定
剪定や切り戻しは5~9月に
モンステラは成長が早く、思わぬ方向に葉が出てしまったり、大きくなりすぎて見栄えが悪くなったりすることがあります。その場合は切り戻しや剪定が必要です。古い葉や傷んだ葉は、茎の生え際から剪定します。時期としては5~9月がおすすめです。できれば5~7月の生育が盛んな時期に剪定や切り戻しをすると回復が早いでしょう。
太い茎で切り戻しても大丈夫
モンステラを小さくまとめたい場合は、思い切って太い茎で切り戻しを行います。モンステラはこぶのようになった節のすぐ上に成長点があります。この成長点を残して切ると、そこから新芽が出ます。もし成長点を切ってしまっても大丈夫です。切り口より下にある成長点から新芽が出てきます。
気根も剪定してよい
モンステラは茎から気根が出て伸びてきます。気根はモンステラの特徴でもありますが、邪魔になる場合は切っても問題ありません。切った枝や葉は挿し木や水挿しに使えます。
基本的な育て方④病害虫
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ハダニとカイガラムシに注意
モンステラは基本的に病害虫に悩まされることは少ない植物です。しかしハダニやカイガラムシがつくことがあります。予防法は、風通しがよい場所に置き、葉水で適度な湿度を与えることです。ハダニは葉の裏につくので、葉水を与えるときによく観察し、発見したら濡れたティッシュで拭き取ります。カイガラムシは夏に発生しやすい害虫です。成虫は薬剤が効きにくいので歯ブラシなどでこすり落とします。
立ち枯れ病や黒すす病に注意
モンステラは立ち枯れ病にかかることがあります。春と秋に部屋の湿度が高すぎると発生しやく、葉や茎が黄色くなり、進行すると腐って枯れてしまう病気です。黒すす病は夏に発生しやすく、カイガラムシの分泌物や糞に菌が増殖します。立ち枯れ病も黒すす病もカビが原因です。鉢を地面の上に直接置くことを避け、風通しのよい場所で管理して予防します。発病した部分はすぐに切ることが大切です。切ったものは確実に処分しましょう。
基本的な育て方⑤植え替え
植え替えは15℃以上の時期に
モンステラの植え替えの頻度は2~3年に1回です。しかし根詰まりの症状が見られた場合は、植え替えのタイミングだと判断します。植え替えに適するのは5~9月の生育期で、気温15℃以上の時期に行いましょう。
鉢底石を入れて通気性よく
モンステラの植え替えには、水はけのよい肥沃な用土が適しています。観葉植物の土を使うと手軽です。自分で配合する場合には赤玉土小粒7に腐葉土3の割合で混ぜます。水はけをよくするために川砂を混ぜるのも効果的です。通気性をよくするためにも、鉢底石は必ず敷きましょう。
植え替えの方法は目指す姿によって異なる
植え替えの方法は、大きく育てたいか小さく管理したいかによって異なります。大きくしたい場合、植え替えに合う鉢は一回り大きい鉢を選びましょう。根から土を3分の1程度落として、腐った根や余分な根を切って植え替えます。落ち着いたら緩効性肥料も与えましょう。小さく維持する場合には、植えたい鉢の大きさに合わせて根や葉をバランスよく切り詰めてから植え替えて、肥料は控えます。植え替え後は鉢底から水が出るくらいたっぷりと水やりし、しばらくは日陰で休ませましょう。
基本的な育て方⑥花の咲かせ方
モンステラの花の咲かせ方は、一般家庭では難しいとされています。モンステラは、株が大きく育って成熟した頃にしか花をつけません。花の咲かせ方としては、十分に大きく育てるしかないのです。沖縄や小笠原諸島などの南の地域では、屋外で地植えにして育てることができるため、花や実を見ることができます。室内で観葉植物として楽しむ場合には、小さく管理する必要があるため、花を見ることはほとんどないでしょう。
モンステラの育て方②美しい仕立て方
モンステラは、モダンなインテリアや、南国風やカフェ風の部屋にはもちろん、和風や洋風の部屋にもよく合います。美しく仕立てておしゃれな鉢カバーを使えば、部屋の主役としての存在感を放つでしょう。モンステラの魅力を引き出す、おすすめの仕立て方をご紹介します!
支柱を使う仕立て方
モンステラは、成長すると葉が横に広がったり垂れ下がったりするため、見栄えが崩れがちです。そんなときは、支柱やへごを立てて上に伸びるように仕立てるのがおすすめです。支柱に固定したばかりの葉は、裏返ったり見栄えが悪く見えたりすることもありますが心配はいりません。光を受けやすいように自分で葉の向きを変えるので、自然に整ってきます。
吊り鉢での仕立て方
モンステラが垂れる特徴を生かす仕立て方もあります。高さのある鉢や、吊り鉢に仕立てて、垂らして飾るのです。プランツハンガーやロープやワイヤーなど、吊るす素材によっても雰囲気が変わるので、部屋の雰囲気に合わせて工夫してみましょう。
寄せ植えでの仕立て方
株元が寂しく見えるモンステラは、寄せ植えに仕立てるのもおすすめです。画像の寄せ植えはシュガーパインやプミラと合わせていますが、チランジアや多肉植物などとも合います。
水栽培での仕立て方
モンステラは水栽培もできます。部屋に土を入れることに抵抗がある方にも挑戦しやすい仕立て方です。
根の一部を水から出す
画像は花瓶に入れていますが、透明なガラスを使えば涼し気な夏のインテリアとしても活躍します。鉢で購入したものを水栽培に仕立てる場合は、まず根についた土を洗い流します。根を全部水につけると呼吸ができずに根腐れしやすいので、根の一部は水面から出しておくのがポイントです。
剪定した枝を水栽培に
水挿しという増やし方から水栽培に発展させることもできます。剪定や切り戻しをした茎を水に挿しておき、インテリアとして飾りながら発根を待つのです。茎の先端部分を使う方が飾りやすいですが、節や気根がついた茎を使う方が成功率が高くなります。毎日水を換え、液肥を水に混ぜてあげましょう。
切り花としての仕立て方
節や気根がない葉を剪定したときは、水に挿しても発根しません。しかし一年中鮮やかな緑の葉は、切り花のアレンジにぴったりです。花がなくても、モンステラのユニークな葉を1~3枚飾るだけで素敵なインテリアになるでしょう。
出典:写真AC