レモンの木の概要
観賞も収穫も楽しめる優秀な木!
ほどよい酸味が人気のレモンは、収穫を期待して庭木で栽培する人も増えています。実がなる前にはかわいらしい小さな白い花をつけ、見る人の目を楽しませます。うまく栽培すると、いよいよ黄色いレモンの実の収穫です。目でも舌でも堪能できるレモンは、優秀なガーデ二ング素材といえるでしょう。
ボタニ子
レモンの基本情報
科名 | ミカン科 |
属名 | カンキツ属 |
収穫期 | 10月~4月 |
形態 | 高木 |
特性 | 常緑性 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
レモンの歴史
レモンは明治時代に日本に持ち込まれたとされています。発祥の地は北インドや中国といわれ、初期のレモンは苦いものが多く薬味や調味料として使われていました。12世紀に入ると地中海地方でも栽培するようになり、カリフォルニアやオーストラリアにも伝わっていったのです。
レモンの花言葉
レモンのは「花」「実」それぞれに花言葉があります。植物の多くは花言葉を持っていますが、それぞれに花言葉をもつのは多くないでしょう。
レモンの花の花言葉
レモンの花には「誠実な愛」「思慮分別」という花言葉がつけられています。「誠実な愛」は、レモンの白い花にぴったりな花言葉です。物事をよく考え善悪を判断するという意味の思慮分別も、白色のイメージがよく合う花言葉といえるでしょう。
ボタ爺
白は清廉潔白な印象や賢さをイメージさせるな!
レモンの実の花言葉
レモンの実には「情熱」という花言葉がつけられています。黄色のイメージが強いレモンには、少し意外な花言葉かもしれません。これは、収穫したレモンの酸味がしっかりしていることからつけられたといわれています。
ボタニ子
確かに、酸っぱい味は刺激的=情熱…といえないことはないかも。
レモンの剪定方法
レモンの剪定には、風通しをよくするためや害虫を予防するためだけでなく、おいしいレモンを結実させる目的があります。レモンの剪定は、花つきや実つきをよくする大切な作業です。正しいレモンの剪定方法を知って、たくさんの実を収穫しましょう。
剪定が必要なケース
レモンは葉が落ちやすく、自然に風通しがよくなります。そのため、ほかの植物に比べると剪定の必要性は低めです。ただし、3年ほど育てたレモンは葉が茂りすぎてしまい、風通しが悪くなることがあります。このような場合は虫の被害を受けやすくなるため、剪定が必要になります。
剪定時期
初心者におすすめのレモンの剪定時期は5月中旬です。暖かくなってきたころに剪定するのがポイントで、寒い時期に剪定すると枯れてしまいます…。また、1年以内に植えたばかりのレモンの場合は葉が少ないため、剪定の必要はありません。
剪定方法
レモンは強剪定する必要はありません。全体的に見て、ほかの枝よりも伸びている部分を剪定します。混み合っている枝は成長のさまたげになる恐れがあるので、根元から切り落としてください。結実させたい枝は切らないよう注意が必要です。
剪定不要期間
半落葉性のレモンは葉が自然に落ちていきます。そのため、植えはじめてから3年ほどは、剪定の必要はありません。また、葉の枚数はレモンの結実とつながっているため、あまり葉を減らしてしまうと収穫数が少なくなってしまう恐れもあります。
レモンの種類
レモンといっても、とげのないものや酸味の少ないレモンなどたくさんの品種があります。生産地もさまざまで、初心者向けの育てやすいレモンから、防寒対策をしなければならないレモンまで種類豊富です。いくつか代表的なレモンをご紹介します。
とげなしレモン
はじめてでも育てやすいのが、とげなしレモンです。レモンは、葉や実がこすれあってできた傷から感染して枯れてしまうことがあります。とげのない品種はその心配が少ないため、風を避ける世話を省けます。はじめてレモンを育てたい方におすすめの品種です。
グランドレモン
酸味がやわらかく、表面もつるっとしていて、料理に向いているのがグランドレモンです。レモンケーキやレモンジャムなど、いろいろな料理に使われています。とげも少ないので育てやすく、あまり木が大きくならず、実がたくさんなることから人気の品種です。
マイヤーレモン
マイヤーレモンは酸味が控えめなレモンです。マイヤーをローマ字で読み「メイヤーレモン」とも呼ばれます。主な生産地はニュージーランドで、暖かい地域で非常に生産性が高いのが特徴です。マイヤーレモンもとげがないため、栽培が簡単で人気があります。
リスボン
リスボンの主な生産地はカリフォルニア州です。とげの多いリスボンを苗木から栽培するときには、風で葉や実が傷つかないよう注意してください。寒さに弱いので、防寒対策が必要です。葉が厚く、太陽からレモンの実を守ってくれる特徴があります。
レモンの育て方
レモンは地植えよりもプランター栽培のほうが手入れが簡単で、初心者に向いています。苗木からおいしいレモンを結実させるための土づくりや水やり方法、肥料の与え方などもご紹介します。
プランター栽培
レモンはプランターで育てると、防寒対策や防風対策がしやすいでしょう。直径30cm以上のプランターの鉢底に鉢底石をひき、鉢底ネットを入れます。水はけをよくすることで、レモンが根腐れするのを防ぐ役割がありますよ。
用土
レモンの苗木には、弱酸性から中性の土が適しています。ホームセンターでレモン専用の土を購入するか、腐葉土と赤玉土を混合して手作りした土でもOKです。有機質を根より下に入れ、砂と少々の粘土質があるとレモンに最適の土になります。
水やり
レモンは加湿を嫌うので、冬場の水やりは1週間に1度あげれば十分です。乾燥に強いといわれていますが、夏場は水がすぐに乾いてしまうので、過度の乾燥を防ぐために毎日水やりをします。春や秋は3日に1回程度、土の様子を見ながら水やりをしてください。
肥料
おいしいレモンを実らせるために、肥料は必ず必要です。年に4回与えるのが基本で、3月、6月、9月、11月に有機質肥料の油かすを与えます。ほかにも緩行性の化成肥料で、レモンにゆっくりと栄養を与えるやり方もおすすめです。
間引き
レモンの枝がたくさん伸びていたり、葉が茂りすぎていたりする場合は間引きが必要です。間引きすることで、風通しがよくなり害虫の被害を減らせます。また、間引きにより日当たりもよくなります。間引きはレモンを実らせるための大切な作業といえるでしょう。
レモンを枯らさないコツ
レモンの育て方で重要なのは、葉を大事にすることです。害虫の被害や、寒さによる落葉で葉がなくなってしまうと、結実させるのがむずかしくなります。葉を落とさないように育てることが、おいしいレモンを結実させる重要な条件です。
レモンの病気と害虫
レモンを育てていくうえで、注意したいのは病気と害虫の被害です。葉が落ちやすい特徴のあるレモンなので、葉を守るためにも病気や害虫の対策をしっかり行いましょう。レモンのかかりやすい病気や、害虫の被害を紹介します。
アオムシ
アゲハチョウのアオムシがレモンの葉によくつきます。気がつかず放っておくと、あっという間に葉が食べられてしまうので注意が必要です。殺虫剤を散布して駆除や予防することで、被害を防ぐことができます。アオムシをレモンから直接引き剥がすやり方でも大丈夫です。
カイヨウ病
レモンの大敵であるカイヨウ病は、レモンの葉や実がこすれあうことでかかってしまう病気です。こすれた傷から感染し、葉に黒い斑点がでたり、葉が落ちてしまったりします。強風にさらさないよう注意するか、殺菌剤で予防することが大切です。
上手に剪定してレモン栽培を楽しもう!
レモンの種類や育て方、剪定方法をご紹介しました。収穫したレモンは、はちみつレモンやレモネードなどさまざまな料理に使えます。自分で作ったレモンだと、一段とおいしく感じそうですね。ぜひおいしいレモンを育ててみてはいかがでしょうか。
さわやかなレモンの実の香りの正体はクエン酸だよ。香りを楽しめるのもうれしいね!