サンスベリアの花の咲かせ方！花が咲くのは珍しい？難しい？

サンスベリアにとっての日本の冬はすこし寒すぎるため、冬の越し方を環境にあわせて考えておく必要があります。前述したとおり、暖房が十分に効いているようなあたたかい部屋で管理する場合は冬のあいだも世話が必要です。しかし、寒い部屋で管理する場合は、サンスベリアを休眠状態にする必要があります。

室内の一番低い温度が10℃よりも寒くなると、サンスベリアの成長は一旦ストップします。このような状態を「休眠」といいますが、この期間に水も肥料もあたえないようにすることで、比較的安全に冬を越すことができます。水をあたえると根が腐ってしまうこともあるので、なにもせずにそっと見守ることが大切です。

リビングのように、暖房でぽかぽかしている時間が多い部屋では、空気中の水分の量が極端に少なくなります。乾燥がひどいと肌や手が荒れてしまう方も多いと思いますが、このような環境はサンスベリアにとっても、あまりよくありません。できれば、暖房があまり効いていない部屋に置いてあげることが大切です。

冬のあいだ10℃以上を保てたとしても、水を極力あたえないことが一番安心できる冬の越し方です。ただ、まれに水を欲しがり葉の様子に異変が起きてしまうこともあります。葉の表面にハリやツヤがなくなっていたり、手で触れると倒れてしまうこともあるようです。その場合は、様子を見ながら水をあたえましょう。

4月を目安に、あたたかい気温が安定してきたら徐々に水やり再開です。最初は、土の表面がしっとりする程度に抑えつつ、ひかえめに水をあたえます。2～3日様子をみて、土の表面が十分に乾いたかどうかをチェックしながら、水やりをおこないましょう。梅雨になるまでは、この世話の仕方で大丈夫です。

サンスベリアにとって、じめじめした空気は厄介な環境です。梅雨のあいだはできるかぎり、風のとおりがよい場所に置いてあげることと、雨に濡れないようにする必要があります。水やりは、春のあいだよりもひかえめにおこないましょう。3～4日を目安に、土がしっかりと乾いたのを確認してから水をあたえます。

サンスベリアの花は、「珍しい」と言われているだけあって簡単にはお目にかかれない花です。また、花を咲かせる茎を芽吹かせるためには、大きく立派に育てることが重要だといわれています。そのため、これから新しくサンスベリアを買う場合には、少なくとも「購入してから1年以上はかかる」と考えておくほうがよさそうです。

サンスベリアは、太陽の光を十分に浴びていないと葉がへなへなになりやすく、細くてよわよわしい見た目になってしまうことがあります。直射日光にも耐えられるほど、太陽の光が好きな植物ですので、育てている場所の環境を一度見直してみましょう。特に、一年をとおして室内で育てている場合は、日光不足の可能性が考えられます。

サンスベリアに花を咲かせるためには、大きく成長させることが絶対条件です。また、サンスベリアは根っこの成長がよい植物で、植え替えのタイミングが遅れたりすると、「土の中で鉢いっぱいに根がひろがっていた」なんてことも珍しくありません。のびのびとした環境で根を張れるような鉢に変えてみることで、改善できる可能性があります。

サンスベリアの花が咲く季節は、よく成長する時期と同じで夏になります。株の中央あたりから見慣れないものが伸びていたら、それは花茎と呼ばれるサンスベリアの茎です。春や梅雨ごろに芽吹いたという報告が多いですので、冬を越したあたりから株の様子をよく観察しておきましょう。

サンスベリアに花が咲くと「不運に見舞われる」、あるいは「幸運なことが起きる」と言われることがありますが、もちろんこれはただのウワサでなにひとつ根拠はありません。サンスベリアの花が珍しいがゆえに「よいことや悪いことが起こる前触れではないか」と言われていたと考えられます。

サンスベリアに花が咲くことは不運の予兆ではなく、むしろ「お世話をしてきた人の努力の結晶」と言った方が正しいです。1年以上、サンスベリアに適した育て方を続けてきた人だけが見られます。そう考えると、不運の予兆というよりも、サンスベリアに花が咲いたこと自体が幸運の出来事といえそうです。

今回は、サンスベリアに花を咲かせる方法や管理をするうえで注意するべきところなどについて詳しくご紹介しました。これからサンスベリアを育てようと思っている方や、もしくはすでに育てている方も、せっかく良い香りがする花が咲く植物です。ぜひ、開花をめざして育ててみてはいかがでしょうか。