サンスベリアの概要
サンスベリアはスズラン亜科ドラセナ属の観葉植物です。コンゴやナイジェリアといったアフリカがおもな自生地で乾燥に強く、葉に厚みがあるため多肉植物として扱われることもあります。耐寒性は弱く過湿も苦手ですが、耐暑性は強い丈夫な植物です。耐乾性は強いですが植物なので、あまりにも水が不足すると枯れることもあります。
サンスベリアが水不足になった時の症状
症状①葉が丸まる
サンスベリアが水不足になると、葉が縦に細い筒状に丸まってきます。サンスベリアの葉はとても硬いので、丸まってくるのはかなりの水不足が考えられます。この症状が出た場合、春~秋であれば適切な水やりで復活できるでしょう。細いタイプのサンスベリアは、葉が丸まった状態になっても発見が遅れがちです。
症状②葉に縦じわができる
サンスベリアは過湿が苦手なため、乾燥気味に栽培するのがコツですが乾燥が進むと葉に細い縦じわがよることがあります。特に冬は断水に近い状態で管理するため、しわしわになりがちです。どうしても気になる場合は、少しだけ水やりしてみてください。春~秋にかけてしわしわになり元気ない場合は、適切な水やりで復活するでしょう。
症状③葉が変色する
サンスベリアは成長が早い観葉植物なので、根詰まりを起こすことがあります。適切に水やりをしていても鉢の中が根でいっぱいになっていると、上手に水揚げできなくなり水不足になるので植え替えが必要です。正しい頻度で水やりしているのに、葉が変色する場合は鉢底から根が出ていないか確認しましょう。黄色や茶色くなってしまった葉は復活しないため取り除きます。
症状④葉の外側から枯れてくる
サンスベリアの水不足による葉の変色の発見が遅れると外側から枯れていき、画像のような状態になった葉は復活できません。しかしサンスベリアは丈夫な植物なので、この状態の葉でも元気な部分があれば、葉挿しで新しい株を作ることは可能です。
症状⑤葉が曲がる・折れる
サンスベリアの水不足が深刻な状態になると、葉が曲がったり折れたりします。こうなってしまった葉は復活不可能なため、葉が曲がるところや折れたところからカットするしかありません。根本から新しい芽が出てくることもあるので、株分けして新しい鉢に植え替えましょう。冬にこの状態になった場合株分けは、春あたたかくなってから対処します。
水不足のサンスベリアの復活方法
サンスベリアが水不足で枯れてしまった場合、根が生きていれば復活させられます。葉も元気のある部分が残っていれば、簡単に増やせるので挑戦してみましょう。
復活方法①株分け
サンスベリアを株分けする際、鉢の中の用土をしっかりをかわかすため水やりは控えてください。適期は5月~9月ですが真夏は避けたほうがよいです。鉢からサンスベリアを取り出し用土を優しくはらい、株を分けます。水はけのよい用土を株に合った鉢に入れて、少々水やりしたら根付くまでは乾燥気味に管理します。
復活方法②葉挿し
サンスベリアの葉が元気な場合、10cm程度にカットし日陰の風通しのよい場所で数日乾燥させます。そのときに下になっていた部分に、ペンで印をつけておきましょう。赤玉土に下になっていたほうを3cm~5cm入れて、そのまま水やりせずに置いておきます。1カ月程度で発根するので、適度な大きさの植木鉢に植え替えて乾燥気味に管理します。
サンスベリアが水不足にならない水やり方法
サンスベリアは乾燥に強く丈夫な植物です。しかし、水やりするタイミングや頻度を間違えると乾燥しすぎてしわしわになって枯れることや、多湿によって根腐れて枯れることがあります。季節によって水やりの頻度や量が違うため、コツを知っておきましょう。
季節ごとの水やりの頻度とタイミング
春は15℃以上になってから
春はあたたかくなってから水やりを開始します。10℃以下だとサンスベリアが休眠からさめきらず、水揚げが上手くいかずに根腐れをおこします。およそ15℃になり用土に指を入れてみて、指が湿らないようであれば2~3日おいて水やりしてください。完全に用土が乾いてから水やりするのがコツです。用土の乾燥がよくわからない場合は、水やりチェッカーという商品もあります。
梅雨の湿気に気を付けて
サンスベリアは乾燥を好む植物なので、多湿になる梅雨の時期の水やりは注意が必要です。空気中の湿度が高いので通常よりもしっかり用土の中が乾くまで待ち、さらに1週間ほどたってから水やりしましょう。屋外で管理する場合は、雨があたらない場所へ移動してください。
夏も根腐れに注意
夏の水やりは、涼しくなる夕方がよいでしょう。朝水やりすると日中の気温の上昇で、用土の中が蒸れて根腐れの原因になります。鉢皿に残った水も、必ず捨ててください。夏の水やりの頻度も春と同じで、完全に用土が乾いて葉にしわしわができるくらいになってから、鉢底から流れ出るくらいしっかり与えてください。
秋の気温の低下を見極めて
サンスベリアの秋の水やりは、気温のようすを見ながらにしましょう。頻度は春や夏と同じように、葉が少し細い状態になるくらい用土が乾燥してからたっぷりと与えます。しかし、晩秋になって気温が10℃近くになるとサンスベリアが休眠に入る準備をするため、水やりの頻度を下げ暖かい室内へ移動しましょう。
冬は室内で管理を
サンスベリアは冬になって気温が5℃を下まわり、寒さにあたると立枯れ病という病気にかかる可能性があります。室内での管理がおすすめです。水やりはせず断水状態にすると、樹液の濃度が上がり寒さに強い株に育つでしょう。室内で15℃以上の暖かい環境で管理していてどうしても水やりしたい場合は1ヵ月に1回程度にし、用土が少し湿るくらいの量にしておきましょう。
何日ごとに水やりすればよいのか?
- 正確に何日に1回の頻度で水やりする、というものはありません。栽培しているサンスベリアの大きさや鉢の大きさ、用土の量や栽培している環境によって変わってきます。サンスベリアの状態や、用土の乾燥具合を観察してください。
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水やりチェッカーをサンスベリアの鉢に挿しておくと、用土の中の水分を知ることができます。サンスベリアだけでなく、水やりの頻度を知るためにほかの観葉植物や草花にも役立つでしょう。
サンスベリアを水不足にならないよう育てよう
サンスベリアは乾燥に強い植物ですが、あまりにも水やりをしないでいるといずれ枯れてしまいます。栽培しているサンスベリアの鉢の重さを覚えておくと、持ったときの軽さで水やりのタイミングがわかるようになるでしょう。サンスベリアには空気清浄効果や、風水的には厄除けの効果があります。サンスベリアを水不足で枯らさないように、よく観察して栽培してください。
出典:筆者撮影