人気の観葉植物"パキラ"について
"パキラ"は、実は種の名称ではなく、アオイ科パキラ属の植物全体をさしています。世界におよそ77種類あるといわれる、中南米が原産の中高木です。インテリアグリーンとして非常に人気が高く、育てやすいため初心者にもおすすめです。
パキラは暖かい場所が好き
パキラは暖かい地域が原産の植物なので、耐暑性には優れますが耐寒性はあまりありません。冬は10℃を下回ると木が弱ってしまいます。寒い地域では室内で育てるようにしてください。日当たりがよく風通しのよい窓際などで育てるとよいでしょう。
挿し木に適したタイミングは?
パキラを挿し木で増やすタイミングは、5月~7月がおすすめです。暖かい気候を好むパキラは、日本の気候なら5月~9月が成長時期であるといえます。成長時期に挿し木をすると失敗しにくいでしょう。
パキラの挿し木は3通り
パキラを挿し木で増やす場合、土を使った挿し木、水挿しでの挿し木、ハイドロカルチャーでの挿し木の3通りの増やし方があります。後ほどそれぞれの手順についてご紹介しますので、自分に合った方法で挿し木にチャレンジしてみてください。
剪定と挿し穂の準備
まずはパキラを剪定し、挿し木に使用する挿し穂を準備しましょう。剪定のポイントから挿し穂の整え方について順を追ってご説明します。なおパキラは生育が旺盛で放っておくとぐんぐん成長するので、挿し木をしなくても定期的に枝を剪定してあげると美しい形が保たれやすいでしょう。
枝の剪定方法①成長点を残す
パキラはとても生命力の強い植物なので、成長点を残しておけばそこから新芽が生え、新たな葉を茂らせます。成長点から新芽が生えた姿をイメージしながら、どこを切るか決めるとよいでしょう。パキラの成長点は、節のように見える部分です。
枝の剪定方法②葉が混み合っている場所を剪定
葉が茂りすぎると、湿度が高まり病気にかかりやすくなってしまいます。また日光が当たりにくい部分も出てくるため、成長にも影響が出てしまいます。風通しや日当たりをよくするために、葉が混み合っているところは特に気をつけて剪定してあげましょう。
細かな剪定は冬でもOK
パキラをばっさり剪定するときは、成長時期である5月~7月に行うのがおすすめですが、細かな葉の剪定作業は冬場に行っても問題ありません。気になったときに適宜整理をして、風通しを確保してあげましょう。
挿し穂の準備
剪定した枝の中から、挿し木に使う挿し穂を用意します。挿し穂にする枝は、若くて緑色をしたものにしましょう。枝は10cm~20cmほどの長さにして切り口は切れ味のよいハサミで斜めに切っておきます。葉は上部に2~3枚を残して下のほうを整理してください。葉が大きいときは、半分から先を切り落としてしまってもかまいません。このひと手間で、葉から水分が蒸散しすぎるのを防ぎ、失敗しにくくなります。
発根促進剤でより成功しやすくする
挿し木をする前に、挿し穂の切り口をすこし濡らして発根促進剤をつけておけば、挿し木がより成功しやすくなります。つけなくても挿し木することは可能ですが、発根促進剤を使用することでより成功率が上がるのでおすすめです。
次のページでは、挿し木での増やし方と接ぎ木について、ご紹介します。