なぜパキラを剪定するの?
パキラは成長が早い
人気の観葉植物パキラは成長が早く、1年でかなり枝が伸びます。葉が茂ると、形が横に広がったり、縦に長くなったりと不格好になります。また室内やベランダで育てている場合、大きくなったパキラを置くスペースに困るかもしれません。そのため定期的に剪定をして、形を整える必要があります。
剪定は病気や害虫の予防に繋がる
葉が茂って風通しが悪くなると、害虫がつきやすくなったり、病気にかかったりする可能性が高まります。パキラを健康に育てるためにも、剪定は必須作業といえるでしょう。
ボタニ子
なるほど。剪定をしたら風通しがよくなるし、おしゃれな形に整うなら、やったほうがいいね!
ボタ爺
傷んでいない元気な枝を切ってしまったら、かわいそうな気がしていたのじゃが、むしろ切ったほうがいいこともあるのじゃね。
パキラの剪定方法【時期】
剪定に最適な時期は5月〜6月
剪定タイミングは、5月〜6月ごろが最適です。5月〜6月ごろに剪定してたくさん枝を切り戻しても、夏(真夏の8月ごろを除く)〜秋までが生育期にあたり、新芽が早く伸びてきます。そのため、剪定後に早く形が整います。もちろん、5月〜6月以外でも剪定は可能です。秋までは生育期のため、それまでに剪定しましょう。
パキラの剪定に適さない時期
寒い時期はパキラが休眠期に入ります。この時期はあまり生育しないため、剪定は避けたほうがよいです。屋外にあるパキラなら気温が下がってくる10月以降、室内にあるパキラなら室温が低くなりやすい11月以降は剪定をしないように気をつけましょう。
ボタニ子
剪定後の生育を見通して、5月〜6月ごろまでが剪定のベストなタイミングってことね。遅くとも秋までには剪定しよう!
ボタ爺
わしがベストタイミングで剪定することを忘れとったら、声かけてくれい。
パキラの剪定方法【場所・切り方】
「パキラの剪定をしたいけど、どこを切ったらいいかわからない」という人も多いでしょう。しかし、図解を見て剪定すれば難しくありません。切ってもよい箇所、切らないほうがよい箇所のポイントを押さえて、実際に剪定してみましょう。
手順①成長点を確認する
まずパキラの葉のバランスをみて、どのあたりを切りたいかを決めましょう。決まったら、切りたい緑の幹をよく見てください。パキラの緑の幹にある、図の赤丸のような節になっている箇所を探しましょう。これは、成長点と呼ばれている箇所です。成長点から新芽が出るため、成長点の位置を確認することが大切です。
手順②成長点の上で切る
パキラの緑の幹にある成長点を見つけたら、図の赤線のように、成長点の上で切ります。剪定後は残しておいた成長点(赤丸)から新芽が出ます。
もしも成長点を切ってしまったら?
誤って成長点を切ってしまっても、枯れてしまうわけではありません。しかし、新芽は成長点から出るため、成長点を切ってしまうと、新芽が出るスピードが遅くなってしまいます。
ボタニ子
成長点を確認して、成長点の上で切ればいいだけなのね!
ボタ爺
どこを切ったらいいかわかってよかったのう。これなら新しいことをやるのが苦手なわしにでも、できそうじゃ!
パキラの剪定の注意点
パキラを剪定するときは、清潔な剪定用ハサミを使いましょう。剪定用のハサミではないものを使うと切れ味が悪く、切った枝の断面が潰れてしまいます。手持ちの剪定用ハサミの切れ味が悪くなっている場合は、研いでから使うことをおすすめします。剪定後は剪定用ハサミを清潔に保つため、石鹸で洗ったり消毒したりするとよいですよ。刃が乾いたのを確認してから片付けましょう。
ボタニ子
注意点もこれだけだね!剪定用のハサミを研いでおこう。
ボタ爺
わしは剪定用のハサミがないから、買っておく!
パキラの剪定後の手入れ
パキラを剪定した後は、パキラに適切なお手入れをしましょう。お手入れをすることで、その後も元気に生育します。
日光に当てよう
パキラの剪定後は、日光に当ててケアしましょう。日光に当てることにより、成長が促されるため、新芽が出るスピードにも影響します。また切った枝の断面が乾くスピードが上がります。ただし真夏(8月ごろ)の直射日光は避けましょう。葉焼けの原因になります。
癒合剤を使う
切った断面から病気に感染することが心配な場合は、断面を保護する癒合剤(ゆごうざい)を塗るのもおすすめです。断面を病原菌から保護し、感染を防いでくれるため安心です。
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挿し木で増やせる
パキラを剪定して切った枝で挿し木をすると増やせます。挿し木をする場合は、5月〜7月ごろまでに剪定するのがベストです。パキラが最も生育する時期は盛夏を除いた7月〜9月ごろのため、小さな挿し木が生育するためには5月〜7月ごろの剪定が適期といえます。秋ごろまでに、ぐんぐん伸びるでしょう。
挿し木の手順
- 枝は元気なもので、長さ10〜20cmくらいのものを選ぶ
- 枝の切り口を斜めにカットする
- 葉は2〜3枚だけ残し、後は切る(葉を切るのは葉から水分が蒸発してしまうのを防ぐため)
- 挿し木用の土に植え、たっぷり水を与える
ボタニ子
切った枝で挿し木してみるのも楽しそうだね。
ボタ爺
剪定後は日光に当てて、ケアしてあげるのも大事なことなんじゃな。
パキラの剪定は難しくない!
パキラの剪定は、時期や切り方のコツを掴めれば難しくありません。ベストタイミングを逃さないよう、計画的に剪定しましょう。成長点をあらかじめ確認しておき、切る箇所を決めておくと失敗することがありません。すっきり剪定して、おしゃれなパキラを楽しみましょう。
出典:写真AC