木苺は繁殖力が高く、コツを抑えれば初心者でも収穫量を増やせるのが魅力です。たくさん収穫した木苺はジャムや果実酒などにすると長く保存ができます。また果実の状態で保存したい場合は、実が重ならないようにジップロックなどに入れれば冷凍保存も可能です。夏や冬など季節ごとの手入れ方法やシュートの上手な誘引方法を詳しくご紹介します。
夏の手入れ
収穫時期に実をつけた枝は冬が来る前には枯れてしまうのが特徴です。そのため収穫を終えたら早めに枝の根元から切り取りましょう。不要な枝を切り取っておくと新芽に栄養分が行き渡るので、収穫量が増やせるようになります。夏の手入れとして収穫後の剪定は必ず行うようにしましょう。
冬の手入れ
12月〜2月にかけて冬の剪定を行いましょう。前の年から伸びている古い枝を40cm〜50cmほどの長さで剪定してください。切り戻した部分から新しい芽が出て、花を咲かせた後に木苺が実ります。地植えにしている場合は枝がたくさん増えるので、地面のギリギリで切り戻しても構いません。切った部分から新芽が出るので思い切って剪定しましょう。
シュートの誘引
株元から伸びてくる新しい枝を「シュート」と呼びます。シュートが成長するとその先に実がつくので、倒れてしまわないようにきちんと誘引しておきましょう。枝が細いので支柱や添え木などに誘引して固定しておくと安心です。剪定のときにシュートを切ってしまわないように気をつけてください。
木苺の増やし方
木苺は「地下茎」と呼ばれる部分を伸ばして次々と増えていく性質を持っています。そのため地植えの場合は放っておくと木苺がどんどん広がって増えていくのが特徴です。しかし自分の思う場所に増やしたい場合には「挿し木」や「株分け」で増やしましょう。それぞれの増やし方に適した時期や方法をご紹介します。
増やし方①挿し木
6月〜7月は「緑枝挿し」という枝の部分を利用した方法、2月〜3月は「根挿し」という根の部分を利用した方法で増やします。
緑枝挿し
「緑枝挿し(りょくしざし)」は名前のとおり、緑色の枝の部分を使用して増やしていく方法です。病気などに感染していない丈夫な枝を選び、枝の先から10cm〜15cmほどの長さで切り取ります。下の方についている余分な葉を取り除いたら赤玉土などの挿し木用の用土に挿してください。たっぷりと水を与えて、発根するまで水切れを起こさないように注意しましょう。
根挿し
木苺は茎だけでなく地下茎の部分にも「サッカー」と呼ばれる新芽をたくさん出して増えていく性質があります。そのサッカーを利用した増やし方が根挿しです。太く丈夫に育っているサッカーを切り取り、新しい用土に植え付けるだけで簡単に増やせます。放任で育てると地下茎が伸びて次々と増えていくのが特徴です。
増やし方②株分け
株分けは5月〜6月に行いましょう。シュートがたくさん伸びている株を選び、根を傷つけないように優しく掘り起こします。手で根をほぐして簡単に分かれる部分で株分けしたら、新しい用土に植え付けてください。根を乾燥させてしまうと上手に根付かない恐れがあるので、掘り起こしてから植え付けまでは短時間で行うのがポイントです。
まとめ
木苺の特徴や花言葉、育て方や収穫量を増やすコツなどをご紹介しました。木苺は病気や害虫被害を受けにくく、丈夫で育てやすいので初心者でも簡単に育てられる植物です。花壇の寄せ植えだけでなく鉢植えにしたり生垣として利用したりさまざまな育て方ができます。収穫した実はジャムなどに加工するのもおすすめです。そんな魅力的な木苺をぜひ育ててみてくださいね。