生玉ねぎはおいしく食べられる
玉ねぎは、炒め物や煮込み料理にすると甘みが増しておいしく食べられます。また、生の玉ねぎは、サラダや料理のトッピングに入っていると、ほどよい辛味と香りが楽しめて人気です。しかし、その一方で、生の玉ねぎの辛味は苦手だという人もいるでしょう。しかし、生玉ねぎには、生で食べるからこそ豊富にとれる栄養もあります。
生玉ねぎのおいしい食べ方①切り方
辛い生の玉ねぎが苦手な人に、ぜひ一度見直していただきたいのが切り方です。玉ねぎの切り方を変えるだけで、辛い玉ねぎも食べやすくなりますよ。
切り方は「繊維に対して垂直」に
玉ねぎの繊維を断ち切ることで、辛み成分であるアリシンが揮発しやすく、辛味が抜けます。辛味が苦手な人は、玉ねぎの繊維に対して垂直になるような切り方にしましょう。オニオンリングやオニオンスライスの輪切りをイメージすると、切り方がイメージしやすいですよ。
生玉ねぎのおいしい食べ方②辛くない品種を選ぶ
私たちが日ごろ、スーパーなどでもっとも目にする玉ねぎの品種は「黄玉葱」です。現在栽培されている玉ねぎのほとんどは、黄玉葱の系統ですが、なかには辛味の少ないサラダなど生食にむいたものも販売されています。辛くない玉ねぎを選べば、辛味や苦味をとる手間がなくなり、より手軽に食べられるでしょう。
①サラダタマネギ
サラダタマネギは「白玉葱」と呼ばれる品種の系統です。名前があらわすように、白色で、生のままでそのまま食べても辛味をあまり感じません。みずみずしい食感が特徴でサラダやカルパッチョなどにおすすめです。
②アーリーレッド
アーリーレッドは、赤玉葱の系統です。ポリフェノールの一種であるアントシアニンを豊富に含み、高い抗酸化作用も期待できます。一般的な黄玉葱よりも辛味が少なく、彩りも美しいためサラダなどに人気です。
③新玉ねぎ
新玉ねぎは、品種名ではなく収穫したてのフレッシュな玉ねぎのことをいいます。通常の玉ねぎのように貯蔵、乾燥工程をとっていないため水分が多く、辛味が少ないのが特徴です。店頭に新玉ねぎが並んだ際はぜひ購入し、生の玉ねぎを楽しみましょう。新玉ねぎは日持ちしないのがデメリットですが、生食には最適です。
ボタニ子
生玉ねぎのおいしい食べ方③辛味の抜き方
生で食べると辛い玉ねぎも、辛味の抜き方を工夫すれば、辛くない玉ねぎになります。ポイントはいかに辛み成分「アリシン」を揮発させるかです。切り方を工夫する以外にも水にさらす、酢水にさらす、塩でもむなど方法はいくつもあります。
辛味の抜き方①水にさらす
スライスした玉ねぎを水にさらすと、辛み成分アリシンが水に流れ出し、辛味が穏やかになります。ただし、長時間水にさらしすぎると、せっかくの栄養成分、風味が抜けてしまうデメリットもあるので注意しましょう。ほかにも、アク抜きや苦味をとる効果もあります。玉ねぎをたっぷり使ったオニオンサラダやオニオンスライスといった食べ方におすすめです。
水にさらす方法
- 玉ねぎをスライスする
- 冷水に10~15分さらす
- 辛味をみて、ちょうどいいところで水からあげる
- 玉ねぎの水気をよく絞る
辛味の抜き方②空気にさらす
「空気にさらす」方法は、玉ねぎが水などに触れないため、栄養の流出が少なく、玉ねぎの栄養成分を積極的にとりたい人におすすめです。ただし、辛味や苦味が残りやすく、アク抜き効果は少ない傾向があります。辛味があるので魚や肉の臭み取りや、薬味として使うのがよいでしょう。
空気にさらす方法
- 玉ねぎを切った後、空気によく触れるように皿に一面に広げる
- 15分ほど放置する
ボタ爺
「水にさらす」「空気にさらす」をあわせるのもよいぞ。空気にさらしてから水に2~3分さらせば栄養も失いにくく辛味をとれるぞ。
ボタニ子
空気にさらして辛味を、水にさらしてアクと苦味をとるんですね!
辛味の抜き方③酢水にさらす
玉ねぎをさらす水に、わずかな酢をいれると、臭み取りや苦味をとる効果も期待できます。ドレッシングやピクルスなど酸味のある食材とあわせる料理の場合は、酢水にさらした玉ねぎでも酸味や風味が気になりませんね。酢がはいっているので、魚介類の臭み取りも兼ねてくれますよ。
酢水にさらす方法
- ボウルにたっぷりの水を注ぎ、大さじ1~2ほどの酢を加える
- スライスした玉ねぎを酢水に浸ける
- 10分ほど酢水にさらしたあと、よく水気を切る
辛味の抜き方④塩もみ
玉ねぎを塩もみすると、辛味を軽減できます。辛味をとるだけではなく、塩もみしたあと軽く水にさらすことで、アク抜きも同時にできるのもうれしいポイントです。ただし、生でそのまま食べるよりも食感はやわらかくなり、塩味も強くなるため、ポテトサラダやタルタルドレッシングに混ぜ込むようなときにおすすめします。
塩もみの方法
- 目的のサイズに切り分けた玉ねぎに、塩を振る(玉ねぎ1個あたり小さじ1の塩)
- 塩をもみ込んだあとキッチンペーパーに包む
- 20~30分置いてから、水でよく玉ねぎを洗う
- 玉ねぎを絞って水気をよく切る
辛味の抜き方⑤砂糖もみ
砂糖もみも、塩もみと同様の方法でできます。砂糖の甘みが加わるので、玉ねぎの苦味をとる効果も高く、より辛味を感じなくなります。サラダのトッピングやサンドイッチの具材などにおすすめです。
砂糖もみの方法
- 目的のサイズに切り分けた玉ねぎに、砂糖を振る(玉ねぎ1個あたり大さじ1~2の砂糖)
- 砂糖をもみ込んだあとキッチンペーパーに包む
- 10~20分置いてから、水でよく玉ねぎを洗う
- 玉ねぎを絞って水気をよく切る
辛みの抜き方の比較
辛味の抜き方ごとのメリット・デメリットをおさえておくと、料理にあわせて適切な方法を選びやすくなります。もちろん、玉ねぎの品種、水や空気などにさらす時間によって、辛味の抜け方は異なりますが、覚えておいて損はないですよ。
辛味の多さ | 栄養の多さ | 食感 | |
水にさらす | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ◎ |
空気にさらす | ★★★★☆ | ★★★★★ | ◎ |
空気・水にさらす | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ | ◎ |
酢水にさらす | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ○ |
塩もみ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ | △ |
砂糖もみ | ★☆☆☆☆ | ★★★★☆ | △ |
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