ブルーベリーの肥料を与える時期
与える時期①元肥
元肥とは、植え付ける際に土に混ぜ込む肥料です。ブルーベリーの場合は、いつ与えるかというと、植え付けに適した時期が11月~12月のため元肥も同じ時期に施します。元肥の役目は植物全体の成長促進です。そのため、長期間効果を発揮できる、油粕などの緩効性有機肥料が適しています。初めてブルーベリーを育てる場合は、ブルーベリー用の有機肥料がよいでしょう。
鉢植え栽培だと、水やりで肥料成分が流出しやすいから、溶け出しにくい固形や粒状肥料がおすすめだよ。
与える時期②春肥
春肥とは、名前のとおり春の時期に施す肥料です。この時期の植物は、新芽を伸ばすために多大なエネルギーを必要とします。多大なエネルギーを補い、回復させるのが、春肥の役目です。ブルーベリーに春肥を与えるタイミングは、3月~6月が適しています。この時期にブルーベリーの新芽が伸びるからです。
春肥の種類は、長い間養分を供給させる必要があるので、有機成分主体の緩効性肥料が向いています。
与える時期③追肥
ブルーベリーの追肥を与えるタイミングは、果実の収穫が始まる6月ごろと、収穫が終了する9月~10月の2回です。1回目は株に体力をつけて果実を多く実らせるため、2回目は収穫後、体力が尽きて弱った株を回復させるために施します。追肥の種類は、効果を素早く発揮させる必要があることから、即効性がある化成肥料が望ましいです。
追肥するときも、肥料不足またはあげすぎにならないよう、用法・用量を守って使おうね。
肥料を与える際の注意点
注意点①鶏糞は避けるべき?
ブルーベリー栽培では「鶏糞は避けるべき」といわれています。理由は鶏糞には石灰分が含まれているからです。石灰分はアルカリ性であるため、酸性よりの土壌を好むブルーベリーに石灰分を含む鶏糞を使うと、生育状態や果実の味に悪影響をおよぼす恐れがあると考えられます。実際は鉢植え栽培の追肥なら、あげすぎに注意すれば問題ありません。水やりの際に鶏糞の石灰分も流れ出るからです。
鉢植えは水やりで成分が流れるため、肥料不足になりやすい弱点があります。でも鶏糞は、それがプラスになるのですね。
鶏糞はブルーベリー専用肥料よりも安価で、元肥、追肥と、いつでも使用できるんだ。でも、あげすぎないように気をつけよう。
熟成度に注意
鶏糞などの有機肥料で注意する点は熟成度です。肥料として販売されている鶏糞には、乾燥させて作ったタイプと、発酵させて作る堆肥タイプがあります。特に注意すべきは後者です。鶏糞だけでなく、すべての堆肥にいえることですが、市販品のなかには完全に発酵していないものも存在します。未熟な堆肥は根を傷めたり、害虫を引き寄せたりするため注意が必要です。
注意点②あげすぎ・肥料不足に気をつける
ブルーベリーは根が細いうえに根の張りが浅く、下へ伸びずに横に広がる特徴があります。このため、根が地表に出て日光にさらされたり、直接肥料に触れて肥料焼けを起こしたりする可能性が高いです。肥料はやりすぎないように、株の様子を見ながら少量ずつ施していくのがポイントです。特に植え付け後1年~3年未満の若い木は、収穫しないぶん、肥料のやりすぎになりやすいため注意しましょう。
注意点③異なる品種を複数植える
ブルーベリーの果実を収穫したいなら、異なる品種の木を複数植えます。ブルーベリーには大きくわけて、ハイブッシュ系とラビットアイ系の2種類がありますが、ラビットアイ系の品種は自分の花粉では結実しにくいため、ラビットアイ系の別品種を2本以上近くに植えないと果実をつけないからです。ハイブッシュ系も、同じ系統の別品種を複数植えるほうが、実つきがよく良質な果実が収穫できます。
品種によって肥料の適量が違う
ブルーベリーはいつ施肥するかというタイミングのほか、品種によっても施肥の適量が違う果樹です。ラビットアイ系の品種への施肥は、ハイブッシュ系の品種よりも控えめにします。理由はラビットアイ系は強健種が多いからです。強健種は通常種と比べると肥料の必要量が少ないため、通常種と同じように与えると肥料のやりすぎになってしまい、肥料焼けを起こしてしまいます。
ラビットアイ系の強健種の場合、肥料の取扱説明書どおりに与えても、肥料のやりすぎになってしまう恐れがあるんですよ。
だからといって少なすぎても、肥料不足になってしまうんだ。株の様子をよく観察しながら、少量ずつ施していこうね。
適切な施肥でブルーベリーをおいしく育てよう
ブルーベリーは果樹のなかでは育てやすい種類ですが、すこやかに育てて果実をたくさん実らせるためには、いろいろなポイントを押さえる必要があります。特に成長に必要な養分を与える肥料の与え方は重要です。いつ与えるか、どんな種類の肥料がよいのか、しっかり把握してブルーベリーを育て上げ、甘い果実をたくさん収穫しましょう。
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元肥がゆっくりと長く効くことで、次に肥料を与える時期にいたるまでに、肥料不足になる事態も防ぎます。