観葉植物で人気のポトス
ポトスの特徴
ポトスはサトイモ科のつる性多年草です。つやのある葉がかわいらしく、丈夫で育てやすいことから人気の観葉植物です。耐陰性があり屋外でも室内でも栽培ができます。また伸びた茎を切って空き瓶などに水差し(水挿し)するだけで根っこを出すほど生育旺盛です。品種が多く緑色やライム色など葉色がさまざまあり、斑入りのポトスも人気です。
ポトスはずっと水差し(水挿し)のままでも育つ?
水にずっと挿したままでポトスを育てられるかというと、答えは「YES」です。簡単な手入れは必要ですが、ずっと水差し(水挿し)のままで育てられます。もちろん土で栽培したほうが大きく成長しますが、あまり大きくしないで室内で楽しみたい場合はむしろ水差し(水挿し)での栽培が向いています。
水差し(水挿し)のメリット
水差し(水挿し)で育てるメリットは、手軽に育てられるという点です。鉢や土を用意する必要がありません。花瓶や空き瓶さえあれば、あとは水に差すだけで育てられます。土を使わないため虫が発生しにくく、室内で清潔に育てられることも大きなメリットです。
水差し(水挿し)のデメリット
水差し(水挿し)のデメリットは成長が遅いことです。土栽培が本来の姿のため、水栽培は成長しづらい環境といえます。しかし、あまり成長させずに管理したい場合は、デメリットはメリットに変わります。もう一つのデメリットは、長く水差し(水挿し)で育てていると根が腐る場合があることです。こまめに水換えをして根が腐るのを防ぎましょう。
ポトスを水差し(水挿し)で育てるための準備
水差し(水挿し)用のポトスの準備
ポトスを栽培中であれば、剪定した茎を水差し(水挿し)用に利用します。茎を切るときは、葉と気根が含まれるように切るのがコツです。気根がないと発根しないため注意しましょう。ポトスの苗を購入する場合は、水栽培用の苗が適しています。水栽培用苗が手に入らないときは、ポット苗の土をきれいに落として使います。
ポトスの切り方
ポトスの枝には、気根が付いています。葉の反対側に出ている小さな突起が気根です。画像の気根は黒いですが、白っぽい場合もあります。気根はポトスが伸びて木に絡まるときの支えとして出ている根ですが、土や水に差すとこの気根から新しい根っこが伸びていきます。そのため、挿し穂には数枚の葉と気根が含まれるように切りましょう。
そのほか準備するもの
- ポトスを入れる透明な器(花瓶、コップ、空き瓶など)
- 水
- 液体肥料(なるべく水耕栽培用の肥料)
- あれば根腐れ防止剤
ポトスをずっと水差し(水挿し)で育てるための管理
置き場所
水差し(水挿し)のポトスの置き場所は、室内の明るい場所が適しています。夏に強い日差しの当たる窓辺は、水が温まりすぎるため置き場所に向いていません。また、あまり暗い場所に置くと徒長したり葉の色が薄くなったりします。冬は5℃以上の暖かい場所に置き、乾燥を招くエアコンの暖房の風が直接当たらないように注意しましょう。
水換え
水差し(水挿し)のポトスは、定期的に水換えをすることが最も大切です。水は水道水でかまいません。定期的な水換えにより、水が清潔に保たれ根が腐るのを防ぎます。水を換える際には容器もきれいに洗いましょう。根腐れ防止剤を使えば、水換えをしなくても根が腐る心配はありません。水が減ってきたら水を補充しましょう。

ボタニ子
水換えの頻度は下記の「ポトスをずっと水差しで育てるコツ」でくわしく説明しています。
肥料
ポトスを長く水差し(水挿し)のままで育てる場合は、成長期の5~10月に少し肥料をあたえます。水差し(水挿し)のポトスには、水耕栽培用の液体肥料が適しています。やむを得ず土栽培用の肥料を与える場合は、既定の2倍以上に薄めて少量あたえましょう。肥料を与えすぎると、水が汚れて根腐れの原因になります。
挿し穂には肥料をあたえない
伸びた茎を切った挿し穂を水差し(水挿し)にした場合、発根してある程度根が伸びるまでは肥料は必要ありません。水だけで根っこが出るのを待ちましょう。
病害虫
ポトスは病害虫の心配が少ないものの、炭疽病にかかることがあります。炭疽病にかかった葉はすべて取り除きます。葉にほこりがたまるなど不衛生になると炭疽病になりやすいため、時々タオルやキッチンペーパーなどで葉を拭いて清潔に保ちましょう。また、乾燥するとハダニやカイガラムシが付きやすくなることから、特に乾燥しやすい季節は霧吹きで葉に水をかけましょう。
ポトスをずっと水差し(水挿し)のままで育てるコツ
ポトスをずっと水差し(水挿し)のままで育てるために、押さえておきたい重要なポイントがあります。「水換えの頻度」「根の管理」「置き場所」のコツを知って、長く水栽培にチャレンジしましょう。
水換えの頻度
水差し(水挿し)のポトスの水換えの頻度や回数は、季節によって変わります。春・秋の過ごしやすい季節は、週に1回くらいの頻度で水換えをします。水が傷みやすい気温の高い時期は、できれば毎日水換えをしましょう。反対に気温の低い冬は、水の傷みは少ないためそれほど頻繁に水換えをしなくても大丈夫です。
毎日の水の状態を観察しよう
気温や天候だけでなく、ポトスの置き場所によっても水の状態は変わってきます。比較的ひんやりした場所に置いている場合と暖かい場所に置いている場合では、暖かい場所のほうが水が傷みやすくなります。また、肥料を入れたり根が伸び過ぎたりすることでも水が傷むため、毎日ポトスや水の状態を観察しましょう。
根腐れ防止剤の使い方
ミリオンAなど根腐れ防止剤を容器の底に入れて栽培すると、水換えはほとんど必要なく、水の補充をする程度で大丈夫です。根腐れ防止剤は、水を浄化させるだけでなく、肥料効果をアップさせミネラルを補給するという効果もあります。根腐れ防止剤の効果は次第に薄れていくので、半年~1年くらいで新しいものに交換します。

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こまめな管理が難しい方は、根腐れ防止剤を使うといいですよ。
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根の管理
ポトスはずっと水差し(水挿し)のままにしていると、根が長く伸び過ぎてしまいます。全体を大きくしたくない場合は、成長にあわせて根を切りましょう。まず黒い傷んだ根を取り除いてから、葉とのバランスを見て残りの根を切ります。半分くらいまでなら根を切っても問題ありません。また、つるが長く伸び過ぎたら剪定して大きさを整えましょう。

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水差しのポトスを大きく育てたい場合は、土に植え替えることをおすすめします。
置き場所の工夫
水差し(水挿し)のポトスは室内の明るい場所に置くのが最適ですが、玄関や廊下などやや暗めの場所に飾りたい場合もあるでしょう。暗い場所に置いていると、葉の色が薄くなったり元気がない状態になったりします。暗い場所に置きっぱなしにせず、時々明るい場所に移動させて柔らかい光にあててやるとポトスの健康を保てます。
季節によって置き場所を変える
同じ場所でも季節によって日当たりや温度などは変化するため、季節によってポトスの置き場所を変えましょう。葉焼けを起こたり水温が上がりすぎる夏は、直射日光で半日陰で風の通る場所へ移動させます。冬は5℃以下になると元気がない状態になるため、冬は暖かい窓際が最適です。ただし外気温の影響を受ける夜は、部屋の中心へ移動させましょう。
ポトスをずっと水差し(水挿し)で育ててみよう!
ポトスはずっと水差し(水挿し)のままでも育てられます。ポトスは生育旺盛で、冬以外は水差し(水挿し)にするとすぐに根っこを伸ばし簡単に育てられます。ポトスを入れる容器は、ペットボトルを利用しても空き瓶を利用してもかわいらしいですよ。手軽に始められるポトスの水栽培にチャレンジしてみましょう。
出典:筆者撮影