ポトスは支柱仕立てにおすすめ
ポトスはサトイモ科のつる性着生植物です。原産地の熱帯地方では、つるから伸びる気根を使って大木に張り付き上へ上へと大きく成長します。上につるを伸ばすと葉が大きく育つ性質を持つことから、支柱を立てて上に伸ばす仕立て方がおすすめです。支柱に這わせたポトスは「ポトスタワー」と呼ばれ、おしゃれで高級感のある見た目から贈り物としても人気です。
ポトスタワーの仕立て方【材料】
ポトスタワーは仕立てられたものも販売されていますが、もしすでに育てているポトスがあるなら自分で仕立ててみましょう。支柱仕立てのポトスを手作りするには、ポトス以外にも支柱や鉢などが必要です。ほとんどの材料は園芸店だけでなくダイソーやセリアなどの100均でも購入できるので、それぞれ選び方を確認してから用意してください。
材料①ポトス
ボリュームのあるポトスタワーを効率よく作るために、数本のポトスを用意しましょう。具体的な本数は鉢のサイズに合わせて決めてください。小さな株を育てながら仕立てていくと葉の向きが揃いやすく上手に作れます。なお、成長してつるが長くなったポトスしかないときはつるを剪定して挿し穂を作り、十分に発根してから植えるのがおすすめです。
ボタニ子
挿し穂を作るときに切る場所は、節のすぐ上だよ。挿し穂1本につき気根と葉が1つずつ付くように切ってね。
材料②支柱
支柱は長さと素材で選びましょう。支柱の長さは、鉢の深さ(土に挿す部分の長さ)も考慮し、仕上がりの高さや置き場所に合わせて決めてください。継ぎ足しできるタイプの支柱を選ぶと、ポトスが伸び過ぎたときにも対処しやすいですよ。また、支柱の素材はつるを這わせやすいものを選んでください。
ボタニ子
支柱におすすめの素材を紹介するよ!
おすすめの素材①ヘゴ
ヘゴというシダ植物でできた支柱(ヘゴ棒)です。水分を維持できて表面に凹凸もあるヘゴは、気根が絡みつきやすくポトスを着生させるのに適しています。ワシントン条約によって保護されているため、流通量が少なく入手は難しいかもしれませんが、園芸店やネットショップなどで購入できることもあります。
おすすめの素材②ココナッツ
ココナッツの殻でできた支柱はヘゴ同様に適度な保水性があって表面に凹凸もあるため、ポトスを着生させるのに適しています。ポトスだけでなくモンステラなどの栽培にもよく使われる素材です。ポトスタワー作りでは、園芸店やネットショップなどで販売されている継ぎ足し可能なタイプを使うと便利ですよ。
おすすめの素材③プラスチック
メッシュタイプのプラスチック製の支柱(プラヘゴ)です。プラヘゴは水分を維持できないため、ポトスタワーを手作りするときには内側に水苔を詰めて使うことをおすすめします。プラへゴの代用品として、100均でも購入できる鉢底ネットを丸めて結束バンドなどで留めたものを使ってもよいでしょう。
ボタニ子
このほかにも、朝顔などの栽培によく使われるリング支柱を使ったり、流木やDIY用の木材などで代用したりするのもおすすめだよ。
ボタ爺
流木に絡ませたポトスは、ナチュラルテイストのインテリアなどにぴったりだぞい。見た目もおしゃれじゃ。
材料③鉢・受け皿
ポトスの本数や置き場所の環境に合う鉢を用意してください。支柱がしっかりと挿せる深さがあり、インテリアに合うおしゃれなデザインのものがおすすめです。浅い鉢を使うと支柱やポトスの重みで倒れやすくなるので注意しましょう。室内に置く場合は鉢と一緒に受け皿も用意しておくと水やりの際に便利です。
材料④土・鉢底石
水はけのよい観葉植物用の土と鉢底石を用意してください。虫の発生を防ぐには加熱殺菌された清潔な土がおすすめです。購入前に培養土の成分なども確認しておきましょう。腐葉土などの有機質が多く含まれた培養土は虫やカビが発生しやすいので、室内での使用は避けたほうが安心です。
ボタニ子
観葉植物用の土と鉢底石は、ダイソーやセリアなどの100均でも購入できるよ。
材料⑤その他
ビニールタイやスコップなどを用意しましょう。ビニールタイはポトスのつるを支柱に留めるときに使いますが、紐や園芸用ホチキスでも代用できます。ポトスを植えるときに使うスコップは小さめのものが作業しやすいでしょう。このほかにプラヘゴを使う場合は、必要に応じて割り箸(1膳)と水苔も用意しましょう。割り箸があるとプラヘゴを固定するときに重宝しますよ。
ボタニ子
すべて100均で購入できるけれど、水苔は大容量のものを園芸店で購入するのがおすすめだよ。
ボタ爺
おしゃれに仕上げるには、できるだけ目立たない色のビニールタイや麻紐などを使おう。支柱や葉の色に合わせて選ぶとよいぞい。
ポトスタワーの材料
- 【ポトス】まだ小さなポトスを数本用意する
- 【支柱】仕上がりや置き場所に合った長さで、つるを這わせやすい素材のものがおすすめ
- 【鉢・受け皿】適度な深さがある鉢を選ぶ
- 【土・鉢底石】水はけのよい観葉植物用の土がおすすめ
- 【ビニールタイ】紐や園芸用ホチキスでも代用できる
- 【スコップ】小さめのものだと作業しやすい
- 【割り箸・水苔】プラヘゴを使う場合のみ、必要に応じて用意する
ポトスタワーの仕立て方【手順とポイント】
ポトスタワーは、ポトスの植え替え時期である5月半ば~7月に仕立てましょう。植え替えのついでにおこなうと効率よく作れます。なお、休眠期である冬の植え替えはポトスが枯れる原因になるため避けます。仕立て方のポイントをおさえ、おしゃれなポトスタワーを上手に作りましょう。
手順①支柱の立て方
まず、鉢に鉢底石と少量の土を入れて支柱を立てます。支柱は倒れないよう鉢底につくまで深く挿すのがポイントです。側面に穴のあいたプラヘゴを使う場合は、割り箸を使って固定するとよりぐらつきにくくなります。割り箸は1本ずつ支柱の下側の穴に挿して十字の形になるよう2本を交差させてください。
ボタニ子
支柱を先にしっかりと固定すれば、その後の作業もしやすくなるよ!
手順②ポトスの植え方
ポトスは根の先端をやさしくほぐし、支柱から5~15cm離れたところに植えましょう。支柱のそばに植え付けることで、ポトスのつるが支柱に巻き付きやすくなります。植えた後はたっぷりと水を与えましょう。根を落ち着かせるために数日おいたあと、つるを支柱に這わせます。
ボタ爺
不要な根があれば植える前にカットしておこう。切る場所は、根の腐ったり変色したりしている部分などじゃ。
手順③支柱への這わせ方
つるを上手に支柱に這わせるには、少しずつビニールタイなどで支柱に留めながら育てましょう。ポトスは気根を使って上に登るため、気根の向きは支柱側に向けます。這わせ方は支柱にぐるぐると巻き付けてもよいですが、支柱に沿って上方向にまっすぐ這わせるとつる同士が絡まりにくくなります。
ボタニ子
まっすぐ上に沿わせれば見た目もすっきりするね!
手順④ポトスの管理
ポトスタワーをきれいに仕立てるには、定期的に鉢の置き場所や向きを変えながら室内の明るいところで管理しましょう。また、水やりや冬越しの仕方も重要です。ヘゴ棒や水苔を詰めたプラヘゴを使っている場合には、土だけでなく支柱にも水やりしてください。ポトスは寒さに弱いため、冬には肥料をほとんど必要としません。寒い時期には水やりも控えめにします。
ボタ爺
冬に肥料を与えると肥料やけを起こすことがあるぞい。必要な場合は春から秋に与えよう!
ポトスタワーの仕立て方のポイント
- 支柱を鉢底につくまで深く挿す
- 支柱のそば(5~15cmほど離れたところ)にポトスを植える
- 気根を支柱側に向ける
- つるはまっすぐ上方向に這わせるか、支柱にぐるぐると巻き付ける
- 定期的に鉢の置き場所や向きを変え、室内の明るいところで管理する
- 支柱の種類によっては支柱にも水やりする
- 冬は水やりを控えめにし、肥料を与えない
出典:写真AC