はじめに
サツマイモです。サツマイモの芋の部分は、根が大きく成長してできた、デンプンなどの養分をたくわえる場所です。これが、塊根(かいこんと読みます)です。塊根植物(コーデックス)を思い浮かべるには、まずはサツマイモの姿が参考になります。愛好家のあいだでは塊根植物のことを、「芋」と呼んだりします。
バオバブの木をご存知でしょうか?名前に聞き覚えがある方もいるでしょう。実はこのバオバブ、これからご紹介する塊根植物の1つなのです。サツマイモの次は、上の画像のバオバブも塊根植物の一種なのだというイメージをもって、読み進めていってください。
塊根植物(コーデックス)とは?
塊根植物とは、アフリカやマダカスカル、アラビア半島、ソコトラ島などを原産とする多肉植物の仲間です。幹や根が太り、木質化し、そこに水分をたくわえることで乾燥に耐えることができます。春から秋に成長するタイプを夏型と呼び、秋から春にかけて成長するタイプを冬型と呼びます。ちなみに、画像のホロンベンセはマダガスカル原産で、夏型のパキポディウム属の品種です。
塊根植物(コーデックス)の種類と特徴
塊根植物の種類と特徴①
パキポディウム属に分類されるラメリーです。パキポディウムは、塊根植物の代表的な属で、南アフリカやマダガスカルなどが原産地です。ご覧の通り、幹が太く、幹の部分にはとげも生えています。夏型に分類されます。
塊根植物の種類と特徴②
ドルステニア属のギガスです。パキポディウムと似て、太い幹から枝が伸びる塊根植物です。中東イエメンの、ソコトラ島のみを原産とする、とても珍しい品種です。そのため、日本でも人気があります。夏型に分類されます。
塊根植物の種類と特徴③
アデニア属のグラウカです。南アフリカやボツワナなどが原産の塊根植物です。葉が独特で蝶の姿に似ています。夏型に分類され、成長は比較的速く、太い幹からぐんぐんと蔓(つる)を伸ばします。寒さには比較的強いほうで育てやすいですが、水やりが多すぎると幹が太りにくくなる点に注意です。
塊根植物の種類と特徴④
フィランサス属のミラビリスです。これも、ずんぐりとした幹とご覧の通りの個性的で大きな葉が特徴の塊根植物です。成長は比較的速く、夏型に分類され、育てやすい品種です。ちなみに、夜間は葉から水分が蒸散しないように、葉を半分にたたむようにして葉を閉じます。
塊根植物の種類と特徴⑤
アデニウム属のアラビクムです。アデニウム属は、パキポディウムと並び塊根植物の代表種です。寒さや多湿には比較的弱く、休眠が終わり始める春先に慌てて水やりしてしまうと、根腐れをおこすことがあるので注意が必要です。夏型に分類され、冬場の休眠期には葉を落とします。塊根植物愛好家なら、一度は挑戦する品種です。
塊根植物の種類と特徴⑥
シンニンギア属のフロリアノポリスです。塊根植物のなかでは、やさしげな雰囲気を持っています。まさに芋といった感じの塊根部分から葉を出します。夏型に分類され、水の吸い方も速いです。ミントの葉のような葉もどこかかわいらしさを感じます。夏前の頃には赤い花を咲かせます。
塊根植物の種類と特徴⑦
オトンナ属のユーフォルビオイデスです。今回ご紹介する塊根植物のなかでは唯一、冬型に分類されます。そのため、現時点ではまだ休眠しており、葉も枯れた状態のままです。冬が近づくにつれて少しずつ小さい緑の葉を出しはじめます。ちなみに、ユーフォルビオイデスという名は、ユーフォルビア属という別の多肉植物の仲間があって、画像のものがユーフォルビア属の品種に形状が似ているところから付けられています(「オイデス」とは〇〇に似ているという意味です)。個性的で一見とっつきづらい感じがありますが、育てやすい塊根植物です。
次は、塊根植物(コーデックス)と多肉植物はいったい何が違うのかということや、育て方・栽培方法についてご紹介します。
サツマイモ