オベサの特徴
学名 | Euphorbia obesa |
科名 | トウダイグサ科 |
属名 | ユーフォルビア属(トウダイグサ属) |
別名 | キリン玉、晃玉、バスケットボールプランツ |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 弱い(0℃くらいまで) |
開花時期 | 4月~10月 |
植替時期 | 4月~5月 |
オベサは、まるでサボテンのような、お饅頭のような姿をしています。しかし、サボテンのような鋭いトゲはありません。オベサはユーフォルビアの仲間です。ユーフォルビアの種類は、世界になんと2000種以上もあります。一年草もあれば多年草、低木もあり、オベサのように、多肉やサボテンのような姿の物もあって、バリエーションに富んでいます。
ボタ爺
オベサの種類(6種)
大まかに分けて「オベサ(通常タイプ)」と「オベサ・シンメトリカ」の2種類があり、他品種との交配種に「オベサ梵天」「オベサブロウ」、さらに「仔吹きタイプ」「モンストローサ」など形状の違うものがあります。お値段もピンからキリまであり、マニアを惹きつける魅力があります。成長してみないとその差がはっきりせず、販売者でも分類に迷うことがあります。
オベサの種類①オベサ(通常タイプ)
一般的に「オベサ」というと、このタイプをいいます。サボテンのような風貌で、小さいうちはまん丸ですが、成長すると縦長になります。サイズにより価格は上下しますが、オベサの中では比較的お値段も安く手に入ります。「オベサ」とは、ラテン語で「肥満(obesus)」という意味があります。たくさん水を蓄えた多肉質の見た目そのままの名が付いていてかわいいですよね。
オベサの種類②オベサシンメトリカ
オベサ・シンメトリカは、通常のオベサにそっくりですが、形がより丸く、背もそんなに高くなりません。成長すれば株の高さより直径のほうが大きくなるでしょう。トゲのようなものも、普通のオベサより控えめなので、丸さがより強調されて、ころっとした姿です。見た目はそっくりでも、普通のオベサよりお値段が高めなので、販売店で見分けがつくかもしれませんね。
オベサの種類③オベサ梵天
オベサ梵天はオベサのハイブリッドタイプです。普通のオベサより背が高く伸び、木質化しやすいのでごつごつした印象で、好まれる方も多い品種です。通常のオベサよりも仔が吹きやすく、群生苗になると見事で、株分けもしやすい品種です。オベサ梵天はユーフォルビア・インファウスタとそっくりなので、慣れないと見分けがつかないかもしれません。
オベサの種類④オベサブロウ
オベサブロウは、普通のオベサと、ユーフォルビア・スザンナエ(瑠璃晃)の交配種です。オベサの種類の中ではトゲが鋭く見え、片親のスザンナエの特徴が受け継がれていることがわかります。小さいうちから子株をたくさん吹く個体が多いようです。子数によって値段も変わってきますが、比較的安価で求められます。片親のスザンナエは下記画像をご参照くださいね。
オベサの種類⑤仔吹きオベサ
仔吹きオベサとは、オベサやシンメトリカに、ぼこぼこと子株が吹き出て、面白い姿になっている株立ちのことをいいます。株元から子株が出て群生になるものや、トゲのような部分から一斉に子が吹き出したものもあります。特別な品種があるわけではなく、子株が沢山出る性質を持つ個体が「仔吹きオベサ」と呼ばれているようです。
オベサの種類⑥モンストローサ
モンストローサは、愛好家に人気がある奇形の一種。「モンストローサ」という言葉はオベサに限らずマニアが使う園芸用語で、石化(せっか)、帯化(たいか)、綴化(てっか)と同様の意味に使われます。オベサの場合、頂点に1つあるはずの生長点が複数個でき、あらぬ方向に伸びて帯状になり、乱れた姿になります。その芸術性から、まるで一点物のアートのように高額で取引されます。略して「モンスト」とも呼ばれます。
ボタ爺
こんなすごいモンストはワシも持っとらんぞ!!
ボタニ子
数万円?十数万円?こんな逸品はそもそもオーナーが手放さないでしょうね。
ボタ爺
ハァ~、物欲は尽きることがないものじゃの・・・
オベサの育て方
オベサは南アフリカ、北ケープ州の半砂漠地帯が原産地です。原産地の気候を鑑みながら、育て方を模索しましょう。南アフリカは、熱帯ですが、冬季は割と温度が下がり、0℃くらいまでは耐寒性があります。しかしそれ以下になると凍傷になり枯れてしまいます。
日当たり
日当たりのよい風通しのよい場所を好みます。しかしオベサは日焼けをしやすいので、室内などの暗い場所から、急に直射日光にあてると、肌が茶色くなって見栄えが悪くなってしまいます。移動するときは、徐々に明るい場所に出して様子を見てくださいね。
用土
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水はけのよい用土を好みます。市販の多肉植物・サボテンの培養土を使うと便利ですよ。その他、硬質赤玉土に硬質鹿沼土をブレンドして微塵を抜いたものや、山野草の土を利用してもよいでしょう。いずれにしても、水がすっと抜けるような用土を心がけます。
植え付け・植え替え
春の成長期に行います。オベサの根は細いので、なるべく根をいじらないように植え替えましょう。オベサの根は、深く長く伸びるので、鉢の直径は塊根とぴったりくらいのサイズで、縦長の鉢に植え替えるとよいでしょう。その後は、年に1回ほど植え替えを行います。
水やり
水を貯える塊根植物なので、水やりを控えても枯れることはありません。むしろ水の与え過ぎで根腐れすることがありますので注意しましょう。土の表面がしっかり乾いてから、水を鉢底に流れるくらいたっぷりと与えます。冬の休眠期も控えめでよいので忘れずに与えます。
肥料
植え付け時に元肥として、緩効性肥料を混ぜ込みます。肥料の与え過ぎは、徒長して見栄えが悪くなる原因になるので、多肥はよくありません。たまに水やり代わりに薄い液肥や活力剤を与えてもよいでしょう。
ボタニ子
オベサは見た目よく育てるのがポイントなので、徒長させるとカッコ悪いのね。気を付けなくちゃ。
病害虫
病害虫はあまりありませんが、加湿による根腐れや、風通しが悪いとカイガラムシがつくことがあります。あとは、病害虫ではありませんが、日焼けも注意しましょう。せっかく何年も育てたのにうっかり日焼けさせて肌が茶色くなるとがっかりしてしまいます。
冬越し
花芽がつかなくなってきたら、冬季休眠の時期です。オベサの耐寒性は弱く、0℃以下になると枯れるので、冬になったら室内に取り込み、明るい窓辺などで日光に当てて育てるとよいでしょう。冬季休眠中も、週に1回ほど用土を湿らせて、完全に枯渇しないように気を付けてくださいね。
オベサの増やし方
オベサは種まきと挿し木(子株分け)で増やせます。オベサの生長スピードはとても遅く、のんびりしています。大きくなるまで年月がかかるので、途中で株を傷めて、観賞価値を損なわないように、育て方に十分注意しましょう。
雌雄異株
- オベサは雌雄異株なので、雄株と雌株がないと結実しません。開花しないと見分けがつかないので、花芽のある時期に購入するとよいでしょう。雄か雌か分かったら、忘れずにラベルに書いて挿しておきましょうね。
種まき
鮮度がよいうちに播種しましょう。種子を水に浸してからまくと早く発芽しますよ。しかし、種まきの生長スピードはかなり遅く、気長に待つ忍耐力が必要かもしれません。根張りも弱いので、しばらくは上から水やりするのではなく、腰水などで与えるとよいでしょう。2年ほどすれば小さいながらもオベサらしい姿になってきます。
挿し木・株分け
種まきだと成長のスピードが遅く、待ちきれないという方は、子株ができたら株分けして挿し木にすると、比較的早く大きくなります。しかし、子株も簡単にできるわけではなく、年に1つか2つできればよい方です。また、仔吹きオベサの場合、子株を取らない方が観賞価値がある場合もありますので、よく考えてから切り取りましょう。
まとめ
今人気のコーデックス「オベサ」についてご紹介しました。育て方は、過湿と日焼けさえ気を付ければ、さほど難しくはありません。マニアの世界では、異形の物や一点物が高値で取り引きされ、高額にもかかわらず一瞬で売り切れてしまいます。もし出会いがあったら一期一会、躊躇せず、購入することをおすすめします!
ユーフォルビアというと、ダイヤモンドフロストやポインセチアのように、ごくありふれた物から、数万円もするマニアックな逸品・珍品まで存在する、奥の深~い植物なんじゃ。オベサもそのひとつじゃよ。