塊根植物(コーデックス)とは?
いま話題の塊根植物とは、いったいどんな植物なのでしょうか。その魅力と、初心者にもおすすめの種類を、たっぷりとご紹介していきます。塊根植物は多肉植物の一種で、コーデックスとも呼ばれています。茎や根が塊になるので、塊根植物と呼ばれます。塊根は木質化してお芋のように膨らんだ存在感のあるものが多く、愛好家の間では「芋(イモ)」という愛称でも親しまれています。
塊根植物は多肉植物の一種
塊根植物は、主にマダガスカルやアフリカ南部、中南米といった乾燥地帯を原産とする多肉植物の一種です。多肉植物と聞いてまず思い浮かべるのはぷっくりした葉ですが、葉ではなく茎や根が大きく膨らみ塊になるものを塊根植物といいます。多肉植物が葉に水分をためるように、塊根植物は根や葉に水分をためているのです。多肉植物ファンが、塊根植物ファンに移行することも多いそうですよ。
塊根植物の魅力
男性ファンが大半といわれる塊根植物。その魅力は、「コレクションしたくなる」ところだといわれています。塊根植物は、同じ種類でも一つ一つの形の違いが大きく、それぞれに愛着が湧きます。また、他との違いを見つける楽しみもあります。そのうえ、塊根植物は種類が多いので、他のジャンルに移行して幅を広げながら楽しめるのも魅力です。
とにかく個性的なフォルム
塊根植物の魅力は何といっても「個性的なかたち」です。独特のフォルムは一度見たら「なにこれ?」と目を奪われてしまいます。一般的な多肉植物を育てる楽しみとは違い、その奇抜な造形をオブジェのように楽しむ方が多いようです。ただ単にかっこいい、かわいいだけではなく、少し歪んだ奇妙な形のものが好まれます。
成長がものすごく遅い
成長の「遅さ」も塊根植物の魅力です。成長にものすごく時間のかかる種類が多く、買ってからもほとんど変化がありません。環境や種類によって違いますが、小さな株でも何十年と育てることができるのです。まさに一生モノといえますね。手間隙かけて育てた株がゆっくり成長し、たまに変化を見せてくれると最高にうれしく感動します。実は、成長が遅いというのは魅力的なことなのですね。
インテリアとして楽しめる
最近は一部の植物好きだけでなく、インテリアとして室内に鉢植えを置く人が増えています。個性的な見た目ですが、どんなインテリアでも調和する塊根植物。人と違い、ある程度簡単に育てられるものを探し、塊根植物にたどり着く人も多いようです。最近は100円ショップでも、多肉植物や塊根植物の鉢植えが売られているので、初心者の方でも簡単に手に入れることができますよ。
鉢植えのコーディネートを楽しもう
お気に入りの塊根植物が見つかったら、鉢とのコーディネートも楽しみたいところ。植物の形や大きさを見ながら鉢と組み合わせを考えるのも楽しみのひとつです。塊根植物は独特の形なので、コーディネートしがいがあり、鉢植えによってより個性的に仕上がります。自分だけのお気に入りに仕上げると、ますます愛着が湧くでしょう。この楽しみも塊根植物が盛り上がった理由のひとつです。
塊根植物の育て方
塊根植物には「夏型」「冬型」「春秋型」があります。日本に流通しているものは「夏型」が多く、夏に成長し、秋になると葉を全部落として休眠期に入ります。逆に冬に成長するものを「冬型」、春と秋に成長するものを「春秋型」といいます。いずれも湿度に弱く、定期的に風に当てないと虫が付くので注意が必要です。
水やり
塊根植物の多くが乾燥地帯の植物なので、基本的に乾燥気味で育てます。水やりは、葉が茂っている生育期には表面の土が乾いてから数日後にあげるくらいで十分です。休眠期に入り葉が落ち始めたら徐々に水やり減らし、葉が全部落ちたら、ほぼ断水状態にします。塊根植物はもともと頻繁な水やりを必要とせず、やり過ぎると根腐れしてしまうことがあるので注意が必要です。
置き場所
太陽の光はたっぷり当ててあげたいですね。庭やベランダに出し、室内では窓辺に置いてあげましょう。湿度を嫌いますので、梅雨や秋の長雨は特に注意が必要です。多湿になると根腐れするので、日当たりと風通しのよいところに置きましょう。寒さに弱いものが多いので、冬は室内に鉢植えを移動させると安心です。霜の降りる頃は、室内でも凍結に注意してください。
塊根植物の選び方
日本で流通している塊根植物は、根の生えていないもの「現地球(げんちきゅう)」と、根の生えたもの「実生(みしょう)」が販売されています。なぜかというと、塊根植物は根を切った状態で輸入されるのですが、それをそのまま「現地球」として販売する場合と、根を生やしてから「実生」で販売する場合があるからです。
現地球(げんちきゅう)と実生(みしょう)の違いは?
では、その違いですが「現地球」は、根を切った衰弱状態で輸入されているため、環境の変化に耐えられず枯れてしまうことが多く、発根はプロでも難しいといわれています。一方、「実生」は日本の環境で育っているので、適応能力があり管理も比較的簡単です。日本の気候に順応していれば、雨ざらしでも栽培できるものも多く安心です。初心者は、発根された「実生」を選ぶと簡単に育てられるでしょう。
では、次のページからおすすめの7品種をご紹介していきます!
出典:写真AC