パキラの育て方!適切な栽培環境や冬越しのコツを詳しく解説 | 植物図鑑

パキラの花
パキラの葉
学名Pachira
和名パキラ
別名カイエンナッツ
英名Pachira、Guaiana chestnut
科・属名パンヤ科(アオイ科)・パキラ属
原産地中南米
花言葉快活、勝利

パキラの概要

出典:写真AC
 

パキラは中南米に自生する常緑性高木で、高さが最大20mにもなります。育てやすく、初心者向けの観葉植物としても人気です。幹が編みこまれた株や、幹が膨らんだ株、葉に斑の入ったものなどがさまざまな形態で販売されています。また、日本に流通しているパキラのほとんどがパキラ・グラブラという品種です。

基本情報

園芸部類 観葉植物
形態 高木
樹高・草丈 最大20m
花の色
耐寒性 弱い
耐暑性 強い
特性・用途 常緑性
栽培難易度 ★☆☆☆☆

特徴

パキラは株が小さいうちは幹の色が緑色ですが、大きくなると灰緑色になります。葉っぱは掌状葉で小葉は5~9枚、艶のある楕円形です。実生株のみ10年ほど育てると白い花が咲き、実をつけ、熟すと果実が裂けて種を飛ばします。挿し木で育った株は幹が細く、種から育った実生株は幹が太くなるのが特徴です。

パキラの代表品種・種類

①パキラアクアティカ

パキラ・アクアティカ

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パキラアクアティカは、日本でグラブラの次に流通の多い品種です。花の色は赤色、実はキウイフルーツのような茶色、葉先はグラブラに比べて少し丸みを帯びています。育て方は一般的なパキラ(グラブラ)と同じです。

②斑入りパキラ(パキラミルキーウェイ)

出典:写真AC

斑入りパキラ(パキラミルキーウェイ)は、育て方は一般的なパキラ(グラブラ)と同じですが、葉の白い部分は葉焼けをおこしやすいため、日当たりのよい室内でレースカーテン越しに置いて管理する必要があります。ミルキーウェイという名前のとおり、斑が天の川のようできれいです。

パキラの育て方①時期

出典:写真AC

植え付けから開花までの時期

花が咲くのは種から育てた実生株のみで、挿し木で栽培しても花は咲きません。花を咲かせたい場合は、種から栽培しましょう。ただし、種まきから栽培すると、開花までに10年ほどかかるといわれています。

植え付け時期 5~7月
植え替えの時期 5~7月
肥料の時期 4~10月
剪定の時期 5~6月
花が咲く時期/開花時期 6~7月
休眠期 12月~2月

栽培スケジュールカレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え付け
植え替え
肥料
剪定
開花時期
休眠期

栽培適期は?

パキラを苗から栽培する場合は、生育期にあたる5月から栽培しましょう。旺盛に育つため、初心者でも安心して育てられます。種から育てる場合は、採取から時間が経つほど発芽率が落ちていくため、秋ごろに種を手に入れたらできるだけ早く栽培に取り掛かりましょう。

パキラの育て方②栽培環境

Photo by Starr Environmental

栽培方法

鉢植え

パキラは露地植えで育てると冬の寒さで弱ってしまいます。生育状況や季節、気候に応じて栽培環境を変えられる鉢植えで栽培しましょう。

育てる場所

室内・屋外

パキラは日陰に強く、窓越しに日が当たっていれば室内でも十分育てられます。また、屋外では冬の寒さで株が弱ってしまうため、冬の間は室内で管理する必要があります。

置き場所・日当たり

パキラは日当たりが悪すぎると間延びし、全体のバランスが崩れてしまうので、基本的に窓越しに日が当たる場所で管理します。真夏は直射日光が当たると葉が焼けてしまうので室内でも半日陰の場所に置きます。またパキラにエアコンの風が直接当たると冷えで弱ってしまう恐れがあるので注意しましょう。

用土

パキラの用土は水はけのよいものを準備します。市販の観葉植物の用土を利用するか、自分で配合するのであれば、小粒の赤玉土と腐葉土を7対3の割合でよく混ぜて使用しましょう。

パキラの育て方③栽培のポイント

出典:写真AC

水やり

パキラを日当たりのよい場所で管理している場合は、土が乾いてきてからたっぷり水やりします。葉の表面だけでなく裏にも霧吹きなどで水をかけると元気に育ちます。日陰などで育てている場合は、乾燥気味にして水やりは控えめにしておきましょう。

肥料

パキラの肥料は生育期にあたる4~10月に1~2か月に1回程度、観葉植物用の液体肥料を与えましょう。

剪定

剪定の適期は5~6月です。大きくなりすぎるのを防ぎ、通気をよくしてパキラの健康状態を良好に保つためにも、定期的な剪定が必要です。カットするときは、まずパキラの枝や幹にある茶色い筋の成長点を確認します。パキラはこの成長点から枝葉を伸ばすため、そこから2cm上の位置でカットしましょう。バランスをみながら、傷んだ枝を優先的に風通しがよくなるように剪定します。

パキラの育て方④害虫・病気対策

ハダニ

ハダニは葉の裏に寄生し、そのままにしていると葉の表面がもやもやと白く傷ついてしまいます。数が少ないうちはウェットティッシュなどで拭き取るか、粘着テープに張り付けて駆除できますが、それで間に合わないときは重曹スプレーを作って駆除しましょう。

重曹スプレーの作り方・使い方

  • 重曹:小さじ1
  • 植物性油:1/3カップ
  • 水:1カップ
全ての材料をスプレーボトルに入れて混ぜ合わせたら完成です。たくさん繁殖していると一度で駆除できません。時間を置いて繰り返し吹き付けて駆除します。ハダニは乾燥を好み水に弱いため、定期的な葉水で予防しましょう。またダニに特化した薬剤を利用するのもよい方法です。

粘着くん液剤(住友化学)

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粘着くん液剤は、化学殺虫成分が含まれていません。食品であるでんぷんを使用して物理的に殺虫できるため、安全性が高くおすすめの殺虫剤です。水で100倍に希釈して使用します。

おすすめ度★★★★☆
容量1000mL

アブラムシ

アブラムシは、新芽などの柔らかい部分に寄生します。尿をした部分がべたべたになったり、カビが生えてすす病になったりすることもあります。濡れ布巾で拭き取るか、水圧で飛ばして駆除しましょう。重曹スプレーも効果があります。また、アブラムシは、反射光を嫌う性質があるため、土の上にアルミ箔を敷いておくと予防できます。

ベニカマイルドスプレー(住友化学園芸)

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ベニカマイルドスプレーは、アブラムシだけでなく、コナジラミ、ハダニ、うどん粉病にも効果があります。食品成分で作られており、農薬に抵抗のある方にもおすすめです。

おすすめ度★★★★☆
内容量1000mL

カイガラムシ

カイガラムシは幹や枝、葉の汁を吸います。生育を悪くしてしまい、ひどい場合はすす病が発生して枯れてしまうこともあります。幼虫の間は薬剤スプレーで駆除できますが、成虫になると硬い殻に守られ薬剤が浸透しにくくなるため注意が必要です。その場合は歯ブラシで直接こすり落として駆除しましょう。カイガラムシは定期的な葉水と風通しと日当たりをよくすることで予防できます。

カイガラムシエアゾール(住友化学園芸)

住友化学園芸 殺虫剤 カイガラムシエアゾール 480ml

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カイガラムシエアゾールは、スプレータイプの殺虫剤です。薬剤が均一にかかるように、30cm離れたところから数回に分けて吹きかけてください。殺虫効果は1カ月持続します。

おすすめ度★★★★☆
容量480mL

病気対策

パキラを病気にさせないためには、水枯れと水のやり過ぎによる根腐れ、日光不足に注意します。害虫が発生したら早めに駆除をして、すす病などの二次被害を防ぎましょう。また寒さに弱いため、冬の間は室内の暖かい場所で管理することが大切です。パキラは病気に強いですが、放置していては健康的に育ちません。定期的にホコリを拭き取り、幹や葉の様子を観察して異常にいち早く気付き対処しましょう。

パキラの育て方④冬越しのコツ

出典:写真AC

栽培場所

寒さに弱いパキラは、冬の間は室内の日当たりのよい暖かい場所で管理しましょう。冬の夜は気温が下がるため、窓際などに置いているとパキラにとって厳しい環境になってしまいます。気温が下がる時間帯はできるだけ窓から離して管理しましょう。

冬の水やり

パキラは9月から成長がゆっくりになります。根腐れが起きないように秋から冬にかけて、徐々に水やりの頻度を減らしていきましょう。冬は乾燥気味が望ましく、水やりは半月~1か月に1回程度で問題ありません。冬から春にかけては徐々に水やりの頻度を増やしていきます。葉っぱの張りがないときは慌てて水やりをせず、エアコンの風などが当たって乾燥していれば葉水、土が乾いていれば水やり、とよく観察して水やりをしましょう。

冬の肥料

パキラは冬になると成長が緩やかになります。そんなパキラに肥料を与えてしまうと肥料焼けして枯れてしまうことがあるため、冬の間は肥料を与えないように気をつけましょう。

冬に葉が落ちたときの対処法は?

パキラの葉が落ちてしまったら、まずは暖かい部屋に移動させましょう。完全に枯れていなければ、元気を取り戻すことがあります。ビニールを被せて保温する方法もあります。

冬に根腐れを起こしたときの対処法は?

パキラの水や土から臭いにおいがしたら、根腐れを起こしているかもしれません。まず受け皿に溜まった水を捨てて、日当たりのよい場所に移動して土を乾燥させます。葉っぱに元気があれば復活できますが、そうでない場合は難しいかもしれません。早期発見のためにも葉っぱの状態をよく観察しておきましょう。

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