園芸部類 | 果樹 熱帯植物 |
形態 | 常緑小高木 |
樹高 | 8~12m (栽培下では1~2m) |
花の色 | 白 |
果実の色 | 赤・白・緑など |
耐寒性 | 低い |
耐暑性 | 普通 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
レンブは、台湾をはじめフィリピンやインドなどの熱帯気候で栽培される熱帯果樹です。4~5月ごろに白い花が開花するため、庭園樹としても親しまれています。開花後の6~8月には光沢のある実がなります。レンブの実は水分を多く含んでおり、多くの熱帯地域ではのどの渇きを潤す果実として人気です。しかしレンブの果実は管理が難しく保存性がよくないため、日本国内で見かけることは少ないです。
一般的に、レンブといえば赤レンブをさします。春に咲く白い花が美しく、観賞用として人気です。また赤レンブの実は甘みが強く、台湾でもよく食べられます。果実の味はりんごと梨の中間のような少し酸味のある味わいで、シャキシャキとした食感が楽しめます。果肉は白く、生食で皮のまま食べられるのが特徴です。
レンブの中でも糖度が高く食感もよいのが、黒真珠という品種です。黒真珠の果実は黒に見えるほど濃い赤をしていて、台湾では高級果実として高価で取引されます。
花が咲く時期 | 4~6月 |
剪定する時期 | 収穫後の8~9月 |
収穫時期 | 6~8月 |
レンブは、4~9月までのあいだならいつでも植え付けが可能です。しかしレンブの生育適温は25~30℃であるため、4月中旬~5月ごろに植え付けるのがベターです。花や果実を長く楽しむために、春の植え付けをおすすめします。
レンブは、地植えでも鉢植えでも栽培が可能です。しかし寒さに弱いため、日本国内なら沖縄くらいの気温がないと地植えでの冬越しは難しいでしょう。また、レンブの栽培は苗からするのが一般的です。もともとレンブの種は未熟であるため、発芽しないといわれています。本州で育てるなら、ビニールハウスでの栽培もよいアイデアです。
レンブを鉢植えで育てる場合は、しっかり根が張れる大きな鉢を選びましょう。10号以上の大きな鉢に苗を植え付けると結実します。
レンブは日なたを好むため、日当たりのよい場所で育てましょう。気温が20℃以上になれば、屋外での管理も可能です。最低でも10℃以上の場所がよいため、冬は室内の明るい場所に移動させてください。
レンブは、保水性と排水性に優れた肥沃な用土と相性がよいです。鉢植えであれば赤玉土・腐葉土・たい肥を6:3:1で混ぜた配合土を使えばよく育ちます。初心者の人は、園芸用培養土を使ってもOKです。大きな鉢で育てる場合は、赤玉土の小粒と中粒を混ぜるとよいでしょう。2種類の粒の赤玉土を使うことで、保水性と排水性のバランスが保たれた用土になります。
用土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをしてください。レンブは湿度の高い熱帯地方が原産なので、ある程度湿度がある状態を好みます。特に開花後、果実がついているあいだは少し多めに水やりをしましょう。冬は乾燥ぎみでも問題ありませんが、基本的には水切れにならないように注意しましょう。
肥料は、春~秋の成長期にリン酸・窒素・カリの三要素等量タイプを置き肥で与えるとよいでしょう。収穫後に多めの肥料を与えると株が充実します。また収穫後の肥料は、翌年の果実の肥大にもつながります。
葉や枝が茂りすぎて風通しが悪くなると、カイガラムシが発生する可能性があります。カイガラムシの発生を防ぐために、適度に剪定をして風通しのよい場所で管理しましょう。
レンブは、特に病気対策は必要ありません。ただし寒さに弱いため、冬は温度管理が必要です。
レンブは、根詰まりを起こすと生育が悪くなります。根詰まりを防ぐために、2~3年に1回は植え替えてください。生育がよくないときは根詰まりの可能性があるので、植え替えることをおすすめします。植え替えの時期は、成長期の春~秋ならいつでもOKです。
レンブは、害虫対策として収穫後の8~9月ごろに剪定する必要があります。重なりあっている枝は古い枝を切り、内側に伸びている枝も切り落とします。枝が上方向に伸びている場合は枝の付け根から切って、全体の風通しをよくしてください。
レンブの増やし方は簡単で、挿し木で増やせます。挿し木の適期は4~9月で、5~7cmに切った健康な枝を鹿沼土やバーミキュライトなどの清潔な用土に挿すだけです。その後、根が出てきてから植え替えて管理します。挿し木で増やしたものは、3年ほど経つと結実します。
出典:写真AC