マンデビラは春~秋にかけて鮮やかな赤やピンク、白の花を咲かせ続ける熱帯植物です。マンデビラは夏の暑さに強い植物ですが、耐寒性がありません。冬越しもできますが管理にコツがあるので中級者向けといえます。一年草と割り切って育てる場合は、初心者でも楽しめる植物です。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 非耐寒性常緑つる性低木 |
樹高・草丈 | 50cm~300cm |
花の色 | 赤、白、ピンク |
耐寒性 | なし |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | グリーンカーテン、フェンスに這わせる |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
マンデビラは多花性で、春~秋にかけて花を咲かせ続けます。そのため、とても肥料食いです。直径が4cm~10cmのろうと状の花は、つぼみのころのねじれの名残があります。5枚ある花びらが少しずつ重なり風車に似ているのが特徴です。成長は遅いほうで花は1週間以上持ちます。暑さや乾燥には強いですが、寒さや過湿に弱いです。
つるがよく伸びるタイプで耐暑性がとても強いです。大きな赤い花は9cm~12cmになり、咲き始めはピンクで徐々に赤く変色します。
よく出回っている品種で株がとても強健です。つるがよく伸びるタイプで花はピンクの大輪を咲かせます。
マンデビラのなかでは耐寒性があり、春~晩秋までこぶりなピンクの花を楽しめます。
サントリフラワーズが開発した品種で、色や形、特性など様々な種類があります。
植え付け時期 | 4月~5月 |
植え替え時期 | 4月~5月 |
肥料の時期 | 5月~8月 |
剪定の時期 | 10月 |
花が咲く時期/開花時期 | 5月~10月月頃 |
マンデビラは耐寒性がありません。室内で冬越しできますが、屋外では8℃を切ると枯れてしまいます。植え付けや植え替えは暖かくなる4月~5月にしましょう。年によって暖かくなるのが遅い場合は、気温が15℃を切らない時期まで植え付けや植え替えを待つのがおすすめです。
マンデビラを冬越しさせるのであれば、管理しやすい鉢植えがおすすめです。グリーンカーテンやフェンスに這わせるなどしてひと夏楽しめればよい場合は、地植えでもよいでしょう。
マンデビラは春~秋は屋外で、冬は室内で管理しましょう。
マンデビラは日当たりがよい場所でよく育ちます。半日陰でも育ちますが、花の数が減ったり開花時期が短くなったり、葉が黄色くなったりします。春~秋は少なくとも半日以上は直射日光が当たる場所で管理しましょう。冬は日当たりのよい暖かい室内で育てます。
マンデビラは水はけのよい用土を好みます。乾燥には強いですが過湿には弱いので、市販の花や野菜の用土を使うときもバーミキュライトを混ぜ込むとよいでしょう。用土を自作するときは赤玉土の小粒7、腐葉土3を混ぜます。
マンデビラの水やりは、春~秋にかけては土の表面がしっかり乾いてからたっぷりしましょう。乾燥には強いですが過湿に弱く、いつも土が濡れている状態では根腐れして枯れる可能性があります。毎日少しずつではなく、土をみて乾いていたらたっぷり水やりするのがポイントです。
マンデビラの葉から水分が多く蒸発します。そのため、霧吹きやホースシャワーで葉水をするのがおすすめです。夏は花をたくさん咲かせる成長期であり、暑さで水切れしやすいので注意しましょう。鉢が小さい場合も水切れしやすいので、様子をみて朝夕たっぷりの水やりをします。日差しが強すぎて水切れしてばかりの場合は、寒冷紗で遮光しましょう。
マンデビラは冬もつるが伸びます。乾燥気味に管理し、完全に土が乾いて数日したら水やりしましょう。よく晴れた暖かい日の午前中がおすすめです。
マンデビラの花を長期にわたって咲かせ続けるためには、肥料が必須です。肥料が少なかったり、肥料切れしたりすると、花が咲かない、葉に黒点がでるなどのトラブルが起きます。特に夏に肥料切れを起こすと、冬越しができなくなります。多くの植物は窒素が多い肥料を与えると、葉ばかりがしげって花が咲かないことがありますが、マンデビラは窒素が好きな植物です。肥料の用途をみてマンデビラにあったものを選びましょう。
市販の用土にはあらかじめ肥料がはいっていますが、マンデビラの場合はそれだけでは足りません。月に1回、緩効性化成肥料を置き肥しましょう。
緩効性化成肥料を置き肥したうえで、花が咲きだしたら1週間に1回液肥をあげましょう。
マンデビラにつきやすい害虫は、アブラムシやハダニ、ヨトウムシなどです。マンデビラの新芽がでるころになると、アブラムシが発生します。栄養分を吸われると成長が止まるので、見つけしだい駆除し、薬剤を散布しましょう。また、水やりの際、葉にも水をかけるとハダニ予防になります。ヨトウムシは夜行性で、昼間は捕殺しづらいでしょう。夜をまって捕殺するか薬剤を散布します。卵を産みつけやすい葉の裏側にも忘れずに散布しましょう。
マンデビラは病気や連作障害の心配はいりません。
マンデビラの花は1週間ほど咲き続け、しぼんで枯れて自然に落下します。花後の処理は葉にひっかかった花がらを取り除くことと、下に落ちた花がらの掃除です。
マンデビラの苗は、葉につやがあってぴんとしているものを選びましょう。日当たりが少ないところで長時間管理されていると、茎が不自然に長く伸びる徒長(とちょう)を起こします。茎がしっかりしていることも大切です。黄色く枯れた葉が多くついている苗は、根腐れを起こしている可能性があるので避けましょう。
マンデビラの鉢植えは、鉢の底から根がでていたら根づまりのサインです。1年に1回は植え替えをおすすめします。一回り大きな鉢に植え替える場合は、1/3~1/2ほど古い土を落として新しい用土を使います。鉢を大きくしたくない場合は、半分以上土を落として植え替えましょう。鉢底ネットと軽石を2cm~3cm敷き、用土をいれます。その上に苗を置き、すきまに用土をまんべんなくいれましょう。
マンデビラは、摘心の回数を増やすと脇芽がよく育ち、花数が多くなります。マンデビラは大きくなる品種ですが、こじんまりとした株に育てるには摘心を多くするとよいでしょう。
マンデビラは暑さに強いですが耐寒性がありません。冬越しさせるためにはコツがあります。秋に花が終わって葉が落ちはじめたら、土から20cm~30cmのところで剪定します。10℃を切ると育成しなくなり8℃を下回ると枯れてしまいます。15℃くらいで暖かい室内へ移しましょう。暖地でも屋外での冬越しはできません。
マンデビラは室内でも寒い場所で管理すると枯れてしまいます。特に夜は、窓際や外気温が低くなると、室温も下がります。温室が現実的でない場合は、夜間はビニールや緩衝材で袋をつくり、使い捨てカイロや湯たんぽなどで保温してください。最低でも15℃を保つようにします。このときにコナジラミが発生することがあるので、薬剤で駆除しましょう。
マンデビラの増やし方は挿し木です。暖かい時期ならいつでもできます。元気のよい挿し穂を選び、30分ほど水揚げします。挿し木用の用土に挿し、半日陰で管理しましょう。2週間くらいで発根します。