マンデビラとは
マンデビラは最近、品種改良が進んだことにより、さまざまな品種が増えてきている南国の花です。「デプラデニア」や「サンパラソル」という名前で知っている方もおられるかもしれませんね。つる植物であるため、ネットや支柱、フェンスなどに絡ませることで、真夏には緑のカーテンとして楽しめるでしょう。
マンデビラの基本情報
科属名 | キョウチクトウ科チリソケイ属(マンデビラ属) |
形態 | つる植物 |
原産地 | 中央アメリカ~アルゼンチン |
草丈 | 0.3m~3m |
花色 | ピンク色、白色、赤色 |
開花期 | 5月~10月 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
マンデビラの花言葉
マンデビラの花言葉には色に関係なく「固い友情」「情熱」「危険な恋」などがあります。「固い友情」という花言葉は、つるが支柱に強く絡み多くの花を咲かせている姿が由来しています。また、品種別ではサマードレスには「繊細」「歓喜」という花言葉があります。
マンデビラの種類
マンデビラは以前は2種類が主流でした。花の大きさは10cm前後でラッパのような形をしており、葉は固くしわが入っておりやや光沢がありました。最近では品種間の交配が盛んに行われたことで、花の大きさや葉の特徴もさまざまなものが増え、現在は約100種類が分布しているといわれています。
マンデビラ・サンデリ
主にブラジルに流通しているマンデビラの原種です。花の大きさは7cm前後、色はピンク色ですが濃淡により色合いがさまざまである点が特徴です。マンデビラの中では比較的寒さに強い品種であり、冬でも15℃以上の環境であれば開花します。つるの成長が遅く、仕立てる方法によっては小さな鉢でも育てることができます。
サマードレス
白色のマンデビラの原種です。花の大きさは4~7cm前後でつるは2mほどまで伸びますが、つるの成長が遅い点が特徴です。そのため、剪定の方法によっては支柱やネットを使用しなくても育てることができます。「ボリビエンシス」が正式な名前ですが、流通名でもあるサマードレスが一般には定着しています。
サンパラソル
交配品種であるサンパラソルは、花の大きさは7~8cmで、花の色は赤色、ピンク色、白色があります。つるが長く伸びる品種と伸びにくい品種があるので、育てる環境に合わせて購入するようにしましょう。苗が小さいうちから花を咲かせることや、葉のしわが目立ちにくいことが特徴です。コンパクトにまとまって咲くため、限られたスペースでも楽しめるでしょう。
マンデビラの育て方
マンデビラを育てる際には、以下に挙げる5つの点に注意しましょう。どのポイントもそれほど難しくはありませんので、ガーデニング初心者の方でも育てやすい品種です。耐暑性に強い植物ですので気温と日当たりに特に配慮すると、長く花を楽しむことができるでしょう。
マンデビラの育て方①用土
湿度が高すぎると立ち枯れを起こしますので、水はけがよく清潔な用土を準備しましょう。鉢植えの場合は、赤玉土小粒:腐葉土を6~7:3~4の割合で混ぜるとよいでしょう。市販の草花用培養土を使用する際はバーミキュライトを混ぜることで、水はけがよくなります。庭植えの場合は腐葉土を混ぜ、植える場所に高さを作りましょう。
マンデビラの育て方②植え付け時期
植え付けは5月~6月頃に行いましょう。庭植えでも育てることはできますが、耐寒性に弱く8℃~10℃以上の気温がないと枯れてしまう可能性が高くなりますので、鉢植えで育てるほうが適しています。苗よりも一回り大きいサイズの鉢を準備し、古い土を丁寧に落としてから植え付けるようにしましょう。
マンデビラの育て方③置き場所
マンデビラは耐暑性も高く日光が好きな植物であるため、日当たりのよい場所で育てましょう。半日以上、日の当たりにくい場所で育てると、葉が黄色に変色したり、花付きが悪くなったりするなどの成長不良を起こすため注意が必要です。11月頃には鉢を室内へ移動させるなど、気温への配慮を行いましょう。
マンデビラの育て方④水やり
マンデビラへの水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりとやりましょう。水をやりずぎると過湿状態となり、根腐れの原因となるので注意が必要です。冬は成長がゆっくりとなりますので、乾燥気味に育てましょう。土の表面が乾いてから、数日後に水やりを行う程度でよいでしょう。
マンデビラの育て方⑤肥料
多くの花を長期間に渡り咲かせるため、多くの肥料を必要とします。春から秋にかけての生育期には緩効性の置き肥を2~3か月に1回追肥するほか、液体肥料を15日に1回程度水やり代わりに行いましょう。肥料切れを起こすと、成長が悪くなったり、花が大きく育たなくなったりするほか、冬を越せなくなることもあります。
マンデビラの植え替え方法
マンデビラは根の生育が旺盛であるため、根詰まりを起こしやすい植物です。年に1回は植え替え作業を行いましょう。鉢の底から根が出てきたら植え替えの目安です。4月~5月頃の気温が15℃前後と安定する頃が作業に適しています。一回り大きな鉢と新しい土を準備し、古い土を落としてから植え替えましょう。
マンデビラの挿し木での増やし方
マンデビラの増やし方は挿し木です。5月~9月の気温が15℃以上の日を選んで作業を行いましょう。2節ほど茎を付けて切り取り、切り口から出る白色の乳液を洗ってから、バーミキュライト等の清潔な用土に挿し木すると、20日ほどで根が出ます。増やし方はそう難しくはありませんが、発根が難しいため何本か挿し木してみてください。
マンデビラにつきやすい害虫
農薬
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マンデビラは病気にかかりにくい性質を持っていますが、新芽の近くにアブラムシが発生することがあります。春~秋頃の開花期には2回ほど薬剤を散布して発生を予防しましょう。1回の散布の目安は葉から垂れる程度に充分に散布しましょう。
マンデビラの摘心方法
マンデビラはつるの生育が早いため、適度に摘心する必要があります。伸びすぎたつるは摘心を行うことでわき芽が増え、株が大きくなることで花付きがよくなります。また、10月~11月頃に株元から30cm程度の高さで切り戻しの作業を行うことで、来年の花付きがよくなります。
マンデビラの誘引方法
先述しましたが、マンデビラはつるの成長が早いため、摘心とともに誘引も大切な作業です。伸びてきたつるは支柱やフェンスなどに誘引しましょう。その際には、反時計回りで横向きに誘引していくことがポイントです。また、ネットに誘引することで、緑のカーテンを作ることもできますよ。
まとめ
マンデビラは近年の品種改良により色のバリエーションが増えただけでなく、つるの伸びにくい品種が流通したことにより、楽しみ方が増えてきています。これまで通り、つる植物として支柱やフェンスへ誘引し緑のカーテンを作るほか、支柱を立てなくても鉢で育てることができるようになりました。環境に合わせた育て方でマンデビラを楽しんでくださいね。
出典:写真AC