園芸部類 | 着生植物 |
形態 | 越年草 |
樹高・草丈 | 5m以上成長する場合もある |
花の色 | グリーン |
耐寒性 | あり |
耐暑性 | あり |
特性・用途 | 観賞用 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
サルオガセモドキの名前は、サルオガセと呼ばれる地衣類に見た目がよく似ていることが由来です。サルオガセも、大量の糸が絡み合ってぶら下がっているように見えます。ただし、サルオガセは「サルオガセ科サルオガセ属」の植物で、サルオガセモドキとは別の植物です。
サルオガセモドキはパイナップル科の植物です。細長く糸のように絡まって垂れ下がる姿からコケ類の仲間のように見えるのが特徴です。花も咲きますが目立たないため観賞用にはならず、花後は自然に落下します。根は退化してほとんどなく、3~5cmの細長い線状の葉が茎にまばらについています。
サルオガセモドキはエアープランツの一種で、栽培するときは吊り下げます。初心者でも管理がしやすく、吊り下げて栽培するのでインテリアにもなります。種類によっては長さが5mに達するものもありますが、栽培用として流通している品種は20~50cmが主流です。
ウスネオイデスはサルオガセモドキの別名です。市場に流通するしているものの多くはウスネオイデスと呼ばれます。ウスネオイデスは銀葉種のエアープランツの一種で、色はシルバーグリーンです。通常は苗の状態で販売されますが、種もあります。購入する際はエアープランツを扱う園芸店または通販がおすすめです。
サルオガセモドキは糸状の茎が垂れ下がっているので、栽培する場合は吊り下げることが一般的です。サルオガセモドキはどのような環境にも適応できる生命力の強さがあり、雨がほとんど降らない砂漠や標高3000m級の山にも自生しています。
植え付けの時期 | 春(花後) |
剪定の時期 | 葉が枯れたとき |
花が咲く時期/開花時期 | 4~5月頃 |
サルオガセモドキは栽培に適した環境と成長に必要な水が確保できれば、日ごろからこまめに手入れをしなくても栽培できます。ただし直射日光や人工的な環境が苦手なので、日差しの強い夏やクーラー・エアコンを使用する時期は栽培場所に工夫が必要です。植え付けることもないため、通年購入できて楽しめます。
サルオガセモドキは世界で広く分布している植物ですが、日本で流通している品種の多くは観賞用なので、栽培環境をと整えることは重要です。しかしサルオガセモドキの栽培難易度は低いので、注意すべきポイントもそれほど多くありません。
サルオガセモドキは直射日光が苦手です。明るい日陰の室内で栽培しましょう。暗い日陰の室内で栽培すると、生育が悪くなるだけでなく、枯れたり病気になったりするので注意が必要です。また風通しのよい場所で栽培することも元気に育てるポイントです。
サルオガセモドキの根は「退化してい消滅している」または「数本あるが根としての機能はない」のどちらかです。そのため植物の栽培に必要な用土も、サルオガセモドキの栽培には必要ありません。もしサルオガセモドキに根が生えていても、地植えや鉢植えにすると枯れてしまいます。
サルオガセモドキの種まきは、4~5月がおすすめです。種は綿状なのでつぶさないように脱脂綿にくるみ、霧吹きで脱脂綿の上から水やりをします。種から発芽するまでに数カ月かかりますが、乾燥させないよう水やりも続けます。発芽が確認できたら水やりの頻度を控え、5cmまで育苗できたら生育期の水やり方法に変えましょう。
サルオガセモドキの葉には気孔があり、気孔を開くことで空気中の水分を給水します。そのため水やりもサルオガセモドキの性質を生かし、霧吹きを使って全体に水分を与えましょう。水やりは1週間に1回を目安にするのが基本ですが、梅雨など湿度の高い時期は水やりのタイミングを調整してください。
サルオガセモドキは、水や空気中に含まれる栄養をうまく吸収して成長します。そのためサルオガセモドキを観賞用として栽培する場合も、肥料を施す必要は基本的にありません。どうしても肥料を与えたい場合は、少量の液体肥料を水で薄め、水やりと同じ要領で与えるとよいでしょう。
サルオガセモドキの増やし方には「花後の種から増やす」「剪定した挿し穂で増やす」「株分けで増やす」といった3つの方法があります。この中でも失敗しにくいのが株分けです。サルオガセモドキは夏に子株ができるので、カットして管理すれば増やせます。
サルオガセモドキの生育トラブルで多いのは「葉が茶色に変色する(全体的に枯れてくる)」です。これは枯れ葉摘みををしていないことが原因です。枯れ葉摘みは気がついたときに行うだけでOKですが、放置すると枯れてしまいます。
サルオガセモドキが枯れてしまう場合は水不足が考えられますが、水やりをしていても枯れてしまう場合は、水やりをする時間が間違っている可能性があります。サルオガセモドキは気孔を開いて給水しますが、気孔は夜にしか開きません。そのため昼に水やりすると、給水できずに枯れてしまいます。
サルオガセモドキは風通しのよい場所で栽培するため、害虫が寄生しにくく、特別な害虫対策は必要ありません。しかし、サルオガセモドキには唯一気を付けなければいけない害虫がおり、駆除が非常に難しいため注意が必要です。
カイガラムシによる作物の被害 | 樹液を吸引/排せつ物がすす病の原因 |
カイガラムシの天敵 | てんとう虫、寄生バチの幼虫 |
カイガラムシの対処法 | ブラシでこすり落とす/風通しのよい場所に置く |
サルオガセモドキは、病気にかかることがありません。そのため日頃の管理で病気対策を意識しなくても大丈夫です。管理の仕方によってサルオガセモドキが枯れてしまうことがありますが、枯れた場合の原因は病気ではないので判断に注意しましょう。