マトリカリアは、小さな白い花をたくさん咲かせる多年草の草花です。原種の一重咲きのほかに、八重咲きやポンポン咲きなどさまざまな園芸種があります。可憐な姿が人気で、切り花として流通し、花束やアレンジメントでもよく使われています。種や苗は「フィーバーフュー」という名前でハーブとして販売されていることが多いです。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草(二年草扱い) |
樹高・草丈 | 15~100cm |
花の色 | 白・黄色 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 弱い |
特性・用途 | 切り花、ドライフラワー、ハーブティー |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
原種のマトリカリアは、カモミールに似た白い花をたくさん咲かせ、葉は切り込みのたくさん入った形状です。マトリカリアには、独特の香りがあり、ヨーロッパでは古くからハーブとして強壮薬や防虫剤として利用されていました。また、コンパニオンプランツとしてバラのそばに植えるとアブラムシの予防効果があるといわれています。
マトリカリアは多年草ですが、夏の暑さに弱く暖地では夏越しが難しいため、日本では二年草扱いです。鉢植えで栽培して夏は涼しい半日陰で管理するか、庭植えの場合は枯れたときに備えて花後には種とりをしておくと安心です。
「サンタナイエロー」は、アネモネ咲きの品種です。中心はクリーム色の筒状花が集まり、外側には白色の舌状花が囲んでいます。矮性なので草丈は低く15~30cmです。アネモネ咲きには「カルロス」もあります。
マトリカリア
参考価格: 275円
「ダブルフラワー」は、八重咲きのマトリカリアです。外側の舌状花が数枚重なっていて豪華な印象を与えます。八重咲きの品種には、ほかに「ホワイトワンダー」「ダブルラテ」などがあります。
種の量 | 0.1ml |
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「ゴールデンボール」は、外側の舌状花が退化して黄色の筒状花のみのポンポン咲きです。ほかに白色のポンポン咲きの品種もあります。
植え付け時期 | 3~4月、10~11月 |
種まきの時期 | 9~10月 |
肥料の時期 | 3~5月、10~11月 |
開花時期 | 5~7月頃 |
マトリカリアは、地植え・鉢植えのどちらでも栽培できます。地植えの場合は、品種によっては草丈が1mくらいになる場合もあるため、花壇の後方で広い場所に植え付けるとよいでしょう。
マトリカリアは日当たりと風通しのよい場所での栽培が適しています。地植えの場合は、さらに水はけのよい場所を選びましょう。鉢植えの場合は、夏の間は半日陰に移動させます。
マトリカリアは酸性土壌を嫌います。地植えの場合は植え付け10日ほど前に苦土石灰で中和させておきましょう。また、過湿に弱いため、腐葉土を混ぜ込んで水はけをよくします。鉢植えの場合は、草花培養土かまたは赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜて用土とします。
地植えの場合は、植え付け後しばらくは水やりをして、その後は降雨のみで問題ありません。鉢植えの場合は、土が乾いたらたっぷりと水やりをします。過湿を嫌うため、乾燥気味に管理しましょう。
元肥として、緩効性肥料を少量混ぜ込みます。追肥は、3~5月と10~11月に月1回ほど緩効性肥料を与えましょう。
マトリカリアの新芽やつぼみに、アブラムシが発生することがあります。見つけ次第、手で取るか水で流します。乾燥するとハダニが発生する場合があるため、時々葉裏に水をかけて予防しましょう。
マトリカリアは丈夫で、かかりやすい病気は特にありません。
花後はこまめに花摘みをします。花が混みあっている場合は、風通しをよくするためにも部分的に剪定して、花瓶に挿したりドライフラワーにしたりして楽しみましょう。咲き終わったら、茎を株元から切ります。
9~10月ごろが種まきの適期です。細かい種のため、種まき用トレーに数粒ずつまく方法が成功しやすいですよ。種をまいたら薄めに土をかぶせて霧吹きでたっぷり水やりをしましょう。発芽までは乾燥させないように注意して、明るい日陰で管理します。発芽後は日当たりのよい場所に移動し、本葉が2~3枚くらいになったらポット上げをしましょう。
ポット上げをした苗は、日当たりのよい場所に置いて、水と時々薄めた液体肥料を与えて管理します。暖地では、根が回ったら10~11月ごろに花壇や鉢への植え付けが可能です。寒冷地ではポットのまま冬越しして春になったら植え付けます。
鉢植えの場合は、2年に1回ぐらいは植え替えましょう。植え替えの適期は3~4月ごろです。根を1/3くらいに切り詰めてから、新しい土に植え付けます。
マトリカリアの花が終わったら、茎を株元から切り取ります。また、花が混みあっているときは、茎を数本切って風通しをよくしましょう。
マトリカリアは夏の高温多湿に大変弱いため、暖地では枯れてしまうことがよくあります。鉢植えの場合は、夏は涼しい半日陰で管理します。庭植えの場合は、梅雨前に枝を透かすように剪定して風通しをよくしておきます。暖地では枯れる場合に備えて、花後に種とりをしておくとよいでしょう。
マトリカリアは耐寒性が強く、暖地ではそのままで冬越しが可能です。寒冷地でもひどく凍る地域でなければ、そのままで越冬できる場合があります。心配な場合は、藁や腐葉土で覆うか不織布で防寒しましょう。
マトリカリアの増やし方には、種まきのほかに挿し木があります。6~7月または9~10月が挿し木の適期です。株元の新芽を4cmほどで切って挿し穂とします。水揚げ後、挿し木用土に挿します。明るい日陰で乾燥させないように管理しましょう。
フィーバーフュー 苗
参考価格: 530円
ハーブ「ワイルドフィーバーフュー」という名前で、苗が販売されています。花は一重咲きです。葉を乾燥させてハーブティーとして利用できますが、大変苦いです。
サイズ | 3号ポット |
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出典:筆者撮影