マトリカリア(フィーバーフュー)の育て方!増やし方や夏越しのコツ | 植物図鑑

マトリカリアの花
マトリカリア
マトリカリアの種
マトリカリアの苗
マトリカリアの葉
学名Tanacetum parthenium
和名ナツシロギク、イヌカミツレ
別名フィーバーフュー、タナセタム
英名Matricaria、Feverfew
科・属名キク科・タナセツム属(ヨモギギク属)
原産地バルカン半島~コーカサス地方
花言葉鎮静、集う喜び

マトリカリアの概要

マトリカリア

出典:筆者撮影

マトリカリアは、小さな白い花をたくさん咲かせる多年草の草花です。原種の一重咲きのほかに、八重咲きやポンポン咲きなどさまざまな園芸種があります。可憐な姿が人気で、切り花として流通し、花束やアレンジメントでもよく使われています。種や苗は「フィーバーフュー」という名前でハーブとして販売されていることが多いです。

基本情報

園芸部類 草花
形態 多年草(二年草扱い)
樹高・草丈 15~100cm
花の色 白・黄色
耐寒性 普通
耐暑性 弱い
特性・用途 切り花、ドライフラワー、ハーブティー
栽培難易度 ★☆☆☆☆

特徴

マトリカリアの葉

マトリカリアの葉
出典:筆者撮影

原種のマトリカリアは、カモミールに似た白い花をたくさん咲かせ、葉は切り込みのたくさん入った形状です。マトリカリアには、独特の香りがあり、ヨーロッパでは古くからハーブとして強壮薬や防虫剤として利用されていました。また、コンパニオンプランツとしてバラのそばに植えるとアブラムシの予防効果があるといわれています。

夏の暑さで枯れやすい

マトリカリアは多年草ですが、夏の暑さに弱く暖地では夏越しが難しいため、日本では二年草扱いです。鉢植えで栽培して夏は涼しい半日陰で管理するか、庭植えの場合は枯れたときに備えて花後には種とりをしておくと安心です。

マトリカリアの代表品種・種類

マトリカリア・アネモネ咲き

出典:写真AC

「サンタナイエロー」は、アネモネ咲きの品種です。中心はクリーム色の筒状花が集まり、外側には白色の舌状花が囲んでいます。矮性なので草丈は低く15~30cmです。アネモネ咲きには「カルロス」もあります。

マトリカリア・八重咲き

マトリカリア

参考価格: 275円

出典: 楽天
楽天275円

「ダブルフラワー」は、八重咲きのマトリカリアです。外側の舌状花が数枚重なっていて豪華な印象を与えます。八重咲きの品種には、ほかに「ホワイトワンダー」「ダブルラテ」などがあります。

種の量0.1ml

マトリカリア・ポンポン咲き

マトリカリアポンポン咲き

出典:写真AC

「ゴールデンボール」は、外側の舌状花が退化して黄色の筒状花のみのポンポン咲きです。ほかに白色のポンポン咲きの品種もあります。

マトリカリアの育て方①時期

マトリカリア

出典:筆者撮影

植え付けから開花までの時期

植え付け時期 3~4月、10~11月
種まきの時期 9~10月
肥料の時期 3~5月、10~11月
開花時期 5~7月頃

栽培スケジュールカレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え付け
植え替え
種まき
肥料
開花時期

マトリカリアの育て方②栽培環境

マトリカリア

出典:筆者撮影

栽培方法

マトリカリアは、地植え・鉢植えのどちらでも栽培できます。地植えの場合は、品種によっては草丈が1mくらいになる場合もあるため、花壇の後方で広い場所に植え付けるとよいでしょう。

育てる場所

マトリカリアは日当たりと風通しのよい場所での栽培が適しています。地植えの場合は、さらに水はけのよい場所を選びましょう。鉢植えの場合は、夏の間は半日陰に移動させます。

用土

マトリカリアは酸性土壌を嫌います。地植えの場合は植え付け10日ほど前に苦土石灰で中和させておきましょう。また、過湿に弱いため、腐葉土を混ぜ込んで水はけをよくします。鉢植えの場合は、草花培養土かまたは赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜて用土とします。

マトリカリアの育て方③管理のポイント

出典:筆者撮影

水やり

地植えの場合は、植え付け後しばらくは水やりをして、その後は降雨のみで問題ありません。鉢植えの場合は、土が乾いたらたっぷりと水やりをします。過湿を嫌うため、乾燥気味に管理しましょう。

肥料

元肥として、緩効性肥料を少量混ぜ込みます。追肥は、3~5月と10~11月に月1回ほど緩効性肥料を与えましょう。

害虫対策

マトリカリアの新芽やつぼみに、アブラムシが発生することがあります。見つけ次第、手で取るか水で流します。乾燥するとハダニが発生する場合があるため、時々葉裏に水をかけて予防しましょう。

病気対策

マトリカリアは丈夫で、かかりやすい病気は特にありません。

花後の管理

花後はこまめに花摘みをします。花が混みあっている場合は、風通しをよくするためにも部分的に剪定して、花瓶に挿したりドライフラワーにしたりして楽しみましょう。咲き終わったら、茎を株元から切ります。

マトリカリアの育て方④詳しい栽培方法

マトリカリア

出典:筆者撮影

種まき

9~10月ごろが種まきの適期です。細かい種のため、種まき用トレーに数粒ずつまく方法が成功しやすいですよ。種をまいたら薄めに土をかぶせて霧吹きでたっぷり水やりをしましょう。発芽までは乾燥させないように注意して、明るい日陰で管理します。発芽後は日当たりのよい場所に移動し、本葉が2~3枚くらいになったらポット上げをしましょう。

育苗

出典:筆者撮影

ポット上げをした苗は、日当たりのよい場所に置いて、水と時々薄めた液体肥料を与えて管理します。暖地では、根が回ったら10~11月ごろに花壇や鉢への植え付けが可能です。寒冷地ではポットのまま冬越しして春になったら植え付けます。

植え替え

鉢植えの場合は、2年に1回ぐらいは植え替えましょう。植え替えの適期は3~4月ごろです。根を1/3くらいに切り詰めてから、新しい土に植え付けます。

剪定

マトリカリアの花が終わったら、茎を株元から切り取ります。また、花が混みあっているときは、茎を数本切って風通しをよくしましょう。

夏越し

マトリカリアは夏の高温多湿に大変弱いため、暖地では枯れてしまうことがよくあります。鉢植えの場合は、夏は涼しい半日陰で管理します。庭植えの場合は、梅雨前に枝を透かすように剪定して風通しをよくしておきます。暖地では枯れる場合に備えて、花後に種とりをしておくとよいでしょう。

冬越し

マトリカリアは耐寒性が強く、暖地ではそのままで冬越しが可能です。寒冷地でもひどく凍る地域でなければ、そのままで越冬できる場合があります。心配な場合は、藁や腐葉土で覆うか不織布で防寒しましょう。

増やし方

挿し木

マトリカリアの増やし方には、種まきのほかに挿し木があります。6~7月または9~10月が挿し木の適期です。株元の新芽を4cmほどで切って挿し穂とします。水揚げ後、挿し木用土に挿します。明るい日陰で乾燥させないように管理しましょう。

マトリカリアの購入先

フィーバーフュー 苗

参考価格: 530円

出典: Amazon
出典: Amazon
Amazon530円
楽天

ハーブ「ワイルドフィーバーフュー」という名前で、苗が販売されています。花は一重咲きです。葉を乾燥させてハーブティーとして利用できますが、大変苦いです。

サイズ3号ポット

マトリカリアの関連記事

マトリカリアとは?その種類・特徴や花言葉をご紹介!開花時期はいつ?のイメージ
マトリカリアとは?その種類・特徴や花言葉をご紹介!開花時期はいつ?
暑い季節にたくさんの白い花を咲かせるマトリカリア。野趣あふれる可憐な草姿のマトリカリアは園芸ではもちろん、切り花やハーブとしても人気です。そんなマトリカリアの特徴や花言葉、さまざまな品種や開花時期についてご紹介いたします。
マトリカリアの育て方!季節ごとの管理のコツや剪定方法などをご紹介!のイメージ
マトリカリアの育て方!季節ごとの管理のコツや剪定方法などをご紹介!
マトリカリアはマーガレットに似た小さな白い花で、ナツシロギクとも呼ばれます。花屋さんで見かける花ですが、庭やプランターで栽培することができます。育て方はそれほど難しくありません。種まきから植え付け、季節ごとの管理など、マトリカリアの育て方をご紹介します。