マトリカリア(ナツシロギク)と育て方の概要
マトリカリアとは?
マトリカリア(ナツシロギク)は、カモミールやマーガレットに似たキク科の小さな花です。一重咲きの他に、八重咲きやポンポン咲きの品種もあり、花色は白や黄色ですが、染色されたブルーやピンクの花も切り花市場に出回っています。自然で可憐な印象が好まれ、アレンジメントや花束によく使われる花です。
マトリカリアの基本情報
名前 | マトリカリア、ナツシロギク(夏白菊)、フィーバーフュー、イヌカミツレ |
学名 | Tanacetum parthenium |
分類 | キク科タナセツム属(ヨモギギク属) |
原産地 | バルカン半島~コーカサス地方 |
開花時期 | 5月~7月 |
その他 | 多年草(二年草扱い)、耐暑性やや弱い |
名前の由来
「マトリカリア」は昔の分類名
マトリカリアは、以前の分類名です。マトリカリア属に分類されていたたため、今でもその名前で呼ばれています。マトリカリアはラテン語由来で「子宮」の意味があります。マトリカリア属のハーブが生理痛などを和らげる効果があったためと言われています。
マトリカリアの育て方概要
マトリカリアの栽培カレンダー
マトリカリアは本来は多年草です。秋に種を蒔き、越冬して春に花を咲かせます。ですが耐暑性にやや弱く、夏越しできないことが多い日本では2年草扱いになっています。
ボタニ子
じゃあ、夏越しできれば、毎年咲いてくれるのね?
そうですよ。
育て方のサイクル
秋に種をまき、苗の状態で越冬させ、春に植え付けます。剪定しながら花の季節を迎えます。花後に株元から剪定して夏越しです。無事に夏越しできれば、再び越冬して翌年の開花を待ちます。秋に挿し芽で増やすことができます。
マトリカリア(ナツシロギク)の育て方|種まき
秋
秋に種まき
種まきに適した季節は秋で、9月から10月が適期です。苗を買って栽培する方が簡単ですが、秋にマトリカリアを栽培してみたいと思ったら、種まきから始めてみてもいいですね。発芽しなかった場合は、春に苗を買って植え付けましょう。
育苗トレイかポリポットに種まき
種まき用の培養土か、小粒の赤玉土とバーミキュライトを1:1の割合で用意します。ポリポットに種を数つぶ蒔きます。どの品種もとても小さな種なので、最初は育苗トレーなどの苗床に蒔き、芽が出たらポリポットに植え替えする手順を踏んでもかまいません。その後、春に庭かプランターに植え付けます。
マトリカリアは好光性種子
マトリカリアは好光性種子です。発芽時に光を必要とします。覆土はうっすらと、土をかけたかわからない程度で十分です。不織布などで軽く覆って水やりします。
不織布は光を通します!
冬
苗で越冬
育苗トレイに種まきした場合は、発芽して3週間くらい経ったらポリポットに植え替えます。ポリポットで種まきしたものは、間引きしながら1株にしていきます。耐寒性はありますが、霜には注意です。夜は屋内や軒下などに取り込んで越冬させましょう。
直播は?
耐寒性がありますので花壇に直播もできます。秋に種をまいて越冬させますが、霜には注意します。腐葉土や藁、落ち葉などで覆って霜対策しましょう。
マトリカリア(ナツシロギク)の育て方|庭植え
春
植え付け適期は春
植え付けに適した季節は春で、3月から4月頃が最適です。鉢植えでも庭植えでも育ちます。庭植えの場合、矮性種以外はかなり草丈が伸びます。株間は30cmほどあけましょう。
庭植えは日当たりと風通しのいい場所に
庭植えは、日当たりと水はけ、風通しの良い場所を選びます。花壇に植え付けるなら、草丈が伸びた場合の他の植物とのバランスを考えて植える場所を決めます。
苦土石灰で土壌調整
マトリカリアは酸性土壌を嫌いますので、植え付ける10日前に石灰を蒔いて土壌を整えておきましょう。次に腐葉土を鋤きこみ、水はけを良くします。元肥として緩効性肥料を少し加えて植え付け、たっぷり水やりします。
深植えしないようにしましょう!
水やり
植え付け後しばらくは、表面が乾いたら水やりします。その後は、庭植えの場合はほとんど水やりの必要はありません。日照りが続いた時だけ水を与えて下さい。
マトリカリア(ナツシロギク)の育て方|鉢植え
鉢植えは、気温に応じて置く場所を変えることができ、越冬や夏越しをさせやすくなります。通常は日当たりの良い場所で育て、夏は風通しのよい半日陰に、冬は軒下に移動させます。
春
土の準備
3月から4月に、鉢に植え付けます。用土は、市販の草花野菜用培養土が便利です。酸度調整済みであればそのまま使い、そうでない培養土なら苦土石灰を一握り加えます。または、赤玉土と腐葉土を7対3の割合で用意し、苦土石灰を加えておきます。鉢底石を敷いた鉢に土を入れ、緩効性肥料を施して、植え付けます。たっぷり水やりします。
摘心
株が15cmくらいに伸びたら、剪定するとそこから脇芽が伸びます。花つきもよく、草丈もほどよい大きさになります。
2年ごとに植え替え
鉢植え栽培の場合は、2年ごとに植え替えます。植え替えに適した季節は早春の3月から4月頃です。鉢の大きさは一回り大きなものがいいですね。根を半分ほどに切り詰めます。同じ鉢に植え替えするなら、根を三分の一くらいに切り詰めて下さい。
水やり
表面の土が乾いたら、水やりします。暑くなると根が蒸れて腐ることがありますので、水やりし過ぎないように気をつけましょう。
出典:写真AC