マトリカリアとは?
マトリカリアは日本では秋まきの一年草扱いで、暑い季節にかわいらしい白い花を咲かせます。園芸店などでも種や苗で販売されていたり、切り花はアレンジメントなどでもよく使われるため、「名前は知らないけれど、どこかで見たことがあるな。」という方も多いのではないでしょうか。現在では改良が進み、さまざまな姿を楽しむことができます。
マトリカリアの基本情報
【学名】 Tanacetum parthenium
【和名】 ナツシロギク、イヌカミツレ
【別名】 タナセツム、タナセタム、フィーバーフュー
【科名】 キク科
【属名】 ヨモギギク属(タナセツム属)
【原産地】 ヨーロッパ南西部のバルカン半島~西アジア
【園芸分類】 草花
【形態】 一年草(本来は多年草)
【草丈】 15~100cm
【日照】 日向
【耐寒性】 普通
【耐暑性】 やや弱い
【花色】 白・黄色
【開花時期】 5~7月
マトリカリアの種類
品種改良や技術により、今やマトリカリアの色は定番の白だけではありません。また、一重咲き、八重咲き、ポンポン咲き、アネモネ咲きなど、シンプルな花型から一見するとマトリカリアとは思えないものまでさまざまです。今注目の「スノーボール」や、園芸向きや切り花向きの品種まで、魅力的な11種をご紹介します。
ペグモ・スノーボール・エキストラ
まっすぐ素直に伸びた茎の上に、白いポンポン咲きの丸い花を咲かせます。その個性的でかわいらしい姿はまさにスノーボールそのものです。単品でおしゃれにまとめても、アレンジメントのポイントとして利用してもすてきですね。スノーボールは和風にも洋風にも合わせやすい、切り花におすすめの品種です。
サンタナ・イエロー
花の中央は黄色く、その周りを白い花びらがぐるりと囲む八重咲きで、遠目に見るとクリーム色~淡い黄色に見えるやさしげな色合いです。草丈は15cm~30cmほどのコンパクトにまとまる矮性で、寄せ植えや花壇などに最適です。また、サンタナ・イエロー1種類を小さな鉢に植えて、フォーカルポイントなどに飾るのもすてきですね。
カルロス
細くて華奢な茎の先に、直径2cmほどの八重咲きの美しい花を咲かせる園芸向きです。ぎっしりついた花びらは重たそうに見えるほど。草丈15cmほどの矮性で株はコンパクトにまとまるので、寄せ植えや花壇などに向いています。白い小花は相手を選ばないので、一株あると重宝しそうです。
ゴールデンモス
パッと目を引く明るいライトグリーンの葉が美しく園芸に向いています。ゴールデンモスは葉を楽しむタイプのマトリカリアなので、カラーリーフとして寄せ植えや花壇などに利用するとすてきです。やわらかな葉と明るい色合いで、さわやかなお庭の演出にぴったりですね。
ゴールデンボール
長くまっすぐに伸びた茎の先に、鮮やかな黄色のポンポン咲きのかわいい花をつけます。明るく元気いっぱいで、ユーモラスな印象のゴールデンボールは庭やお部屋が一気に明るくなりそうですね。草丈20cm~30cmほどの株いっぱいに花を咲かせます。園芸にも切り花にも利用できるおすすめの品種です。
シングル・ペグモ
黄色い花芯に白い一重の花びらがつきます。マトリカリアといったら、まずこのシングル・ペグモの姿を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。細い茎の先に、小さなマーガレットのような花をつけた姿は、健気でナチュラルな印象。無造作にまとめただけでもすてきですね。草丈100cmほどになる切り花向きです。
ダブルラテ
まず名前からしてかわいい、白い八重咲きのマトリカリアです。ホワイトワンダーとよく似ていますが、よく見るとダブルラテの方が花びらが少なく、すっきりとした印象です。花芯の黄色が映えて、よりナチュラルな雰囲気の切り花向きです。
ホワイトワンダー
真っ白で豪華な八重咲きのホワイトワンダーは、後に紹介する「ブルーワンダー」や「いちごみるく」のもとになるだけあって、形の整ったとても美しい花。華奢で自由奔放な茎の先に、たくさんの花びらを抱えたすがたが愛らしいですね。カルロスによく似た花ですがホワイトワンダーは草丈の長い切り花向きです。
ブルーワンダー
ホワイトワンダーの美しい花型はそのままに、染色剤で水色に染めた切り花です。染めたとはいっても人工的な不自然さはほとんど感じられないブルーワンダーは、さわやかでやさしい印象です。花の世界では数少ない水色の花は、アレンジメントなどでも活躍しそうですね。
いちごミルク
ホワイトワンダーをピンク色に染めた切り花です。自然な染めを追及して生まれたいちごミルクにも、人工的な印象はありません。真っ白なミルクにほんのりピンクが滲んだようなやわらかい色合いは、まさにいちごミルクのよう。抜群のかわいらしさですね。
ミルキーブルー
小輪の丸いポンポン咲きのマトリカリアを水色に染めたミルキーブルー。小さいながらも存在感たっぷりな切り花です。不思議でかわいらしい、独特な個性を放つミルキーブルーは、アレンジメントをワンランクアップさせてくれそうですね。
出典:写真AC