園芸部類 | 野菜 |
形態 | 多年草 |
樹高 | 30cm程度 |
花の色 | 紫 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | やや弱い |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
アサツキはもともとは山菜の一種で、山野で自生していました。見た目はネギに似ていますがネギよりも色が薄く(浅く)、葉が細いという特徴から漢字では「浅葱」と書きます。苦味と辛みが強いため細かく刻んで薬味として使用されます。
アサツキと似たようなものに「ワケギ」があります。ワケギはアサツキとは違い、ネギと玉ねぎの雑種の品種であり、アサツキよりも葉が太いです。アサツキが苦味が強く辛いのに対して、ワケギは甘味が強く苦味や辛味が少ないのが特徴です。
植え付け時期 | 8月下旬〜10月上旬 |
開花期 | 6月〜7月 |
収穫期 | 3月下旬〜4月下旬/10月中旬〜11月下旬 |
アサツキは多年草であり、冬は休眠期となり球根の状態で冬越しします。冬が明けて生育が活発になると3月下旬頃から収穫期に入り、6月下旬頃の開花後に再び休眠期に入ります。そのため、夏の休眠期が明ける8月下旬〜10月上旬までに植え付けることで春と秋の年2回収穫時期を迎えられます。
アサツキは場所を取らないため、ベランダなどでプランター栽培をすることも可能です。一般的に苗ではなく球根から育てる植物であり、8月頃になると園芸店やホームセンターなど店頭で見かけることが多くなります。
アサツキは日当たりと風通しのよい場所を好みます。風通しの悪い場所で管理すると土の蒸気で球根が蒸れ、枯れてしまうため注意しましょう。
アサツキは、同じ場所で栽培を続けると連作障害を起こし枯れてしまいます。プランター栽培の場合は毎年新しい用土に替えましょう。露地栽培の場合は、同じ場所での栽培を最低でも1年は避けて土壌環境を管理してください。
プランター栽培の場合は市販の野菜用土でも十分育てられます。露地栽培をする場合は植え付けの3週間前に堆肥と石灰を入れ、pHを6.0〜6.5になるよう調整しておきます。
アサツキの球根を尖ったほうが上になるようにして植え付けます。株間は10cm程度取るようにしましょう。
植え付け後はぐんぐん成長する時期であるため、有機肥料や化学肥料などの元肥は多めに与えましょう。また収穫前の春頃にも肥料を与えます。開花後は夏の休眠期に入るため、肥料は不要です。
アサツキは乾燥に弱いため、水はけのいい鉢植えでの栽培では土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。地植えの場合は梅雨の時期は降雨量を考慮して土が乾いていたらたっぷり水やりしましょう。
植え付け後から約2週間経ち、草丈が10cmほどになったら固形の有機肥料か化学肥料を10gほど土に混ぜて追肥をします。その後、成長をよくするために1週間に1回程度与えます。
アサツキは球根を保存することで増やせます。成長により分球した球根を、6月に入って葉が枯れ込んできたら掘り上げます。掘り上げた球根は乾燥させて冷暗所で保管すれば、適期に植え付けて栽培できます。
枝を伸ばす植物ではないため、剪定は必要ありません。しかし、葉が茂りすぎると蒸れたり病気にかかったりするため収穫期にはこまめに葉を整理しましょう。
葉に淡褐色〜黒色の大きな楕円形の病斑が出る病気です。これが見られた葉はすぐにもぎ取ります。用土の水はけをよくし、風通しのよいところで栽培すると予防できます。
葉の表面にサビついたようなオレンジ色の斑点がたくさん出る病気です。発生してしまった葉はすぐに取り、石灰を撒くことで広がるのを防げます。株が弱くなると出やすいため多肥や肥料不足に注意しましょう。
葉が白色に退色するような斑点ができ、灰白色のカビが発生する病気です。発生した葉は取り除き、水やり時や雨水による泥跳ねを防ぐためにマルチングします。
その他の病気 | |
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萎縮病 | ウイルスにより葉に濃淡のモザイク症状が現れる |
萎凋病 | 下葉から黄化し萎れながら枯れる |
ウイルス病 | アブラムシなどが媒体となり発生、葉に黄緑色の筋状の斑点や黄緑色と緑色のモザイク症状が現れる |
軟腐病 | 葉の生え際が軟化し腐敗する |
黒腐菌核病 | 葉が黄化して萎れ、葉元は暗褐色に腐敗、表面に小黒粒が多数形成される |
アザミウマは体長1〜2mmで葉を吸汁する害虫です。葉に白い斑点ができ、媒介したウイルスによって被害が進むと枯れてしまいます。症状が現れた葉はすぐにもぎ取り、ベニカ水溶液などの殺虫剤で対処しましょう。
アブラムシは体長2〜4mm程で、春〜秋にかけて発生しやすい害虫です。葉を吸汁し、排泄物により病気を発生させます。数少ないうちは補殺し、繁殖している葉は取り除きましょう。
ナメクジは水やり後など湿度が高いときに発生し、葉を侵食します。見つけたらすぐに補殺しましょう。ナメクジ用の殺虫スプレーやナメクジが嫌いな食酢を薄めて周囲にまくことで、ナメクジの侵入を防げます。