ショウガの育て方!大収穫のための水やりと肥料の頻度や量を解説 | 植物図鑑

学名Zingiber officinale
和名生姜
別名ハジカミ
英名Ginger
科・属名ショウガ科・ショウガ属
原産地熱帯アジア(不確定)
花言葉豊かな心、慕われる愛

ショウガの概要

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ショウガは独特の香りと辛味から、スパイスや漢方薬としても古くから用いられてきました。普段、薬味の「生姜」として使用するのは地下茎にあたる部分で「根生姜」、地上の葉や茎の部分を食べるときは「葉生姜」と呼びます。日本におけるショウガの主な産地は高知県です。

農畜産業振興機構公式ホームページ

基本情報

園芸部類 野菜
形態 一年草扱い(日本では冬越しできない)
樹高 50~80cm
花の色 薄いベージュ
耐寒性 弱い
耐暑性 強い
耐陰性 やや強い
栽培難易度 ★★★☆☆

特徴

世界中で愛される香味野菜

ショウガの特徴は、独特な香りと辛味です。日本ではおろし生姜を薬味としてカツオの刺身や冷奴、素麺などと合わせます。欧米では乾燥させた生姜でジンジャークッキーを作ります。ショウガを使った料理をあげればキリがないほどです。

生薬として使用される

ショウガは生薬としても使用されます。生薬名は「しょうきょう」で、中国では紀元前500年ごろから使用されてきたといわれています。ショウガが体を温める効果があることから、解熱や胃腸機能低下防止を目的に用いられました。

ショウガの代表品種・種類

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生姜は出荷時の状態、根茎の大きさによって品種や呼び名を区別します。根茎の大きさを大・中・小にわけ、それぞれ大生姜、中生姜、小生姜と呼びます。また、それぞれの生姜を収穫してすぐのものが「新生姜」、収穫後2カ月ほど貯蔵したものが「囲い生姜」、種として使った「種生姜」が大きくなったものが「親生姜」です。

ボタニ子

ボタニ子

まずは葉や地上部の茎にあたる部分を主に食べる品種を2つ紹介します。

①金時生姜

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金時生姜は日本で生まれた品種です。一般的なショウガと比べて地下茎はかなり小さいですが、辛み成分ジンゲロールを豊富に含み、強い辛味が特徴です。若い苗を葉と根がついた状態で収穫し、「はじかみ」に使用します。

②谷中生姜

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谷中生姜は葉生姜の代表品種です。葉生姜は根茎がまだ小さいうちに、葉がついたままの状態で収穫します。辛味も少なく根茎部分も柔らかいのが特徴で、甘酢漬けや天ぷらなどにして食べます。

ボタニ子

ボタニ子

続いては根茎にあたる部分を主に食べる品種を紹介します。根茎の大きさにより大生姜・中生姜・小生姜にわけられます。

③【小生姜】三州生姜

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三州生姜は小生姜と呼ばれる品種です。昔はこの三州生姜が国産生姜の主流品種でした。小ぶりですが辛味が強く、わずかな量で薬味としての効果を発揮し、根茎の色が黄色いため「黄生姜」とも呼ばれます。葉生姜として食べることもあります。

④【中生姜】黄金生姜

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黄金生姜(こがねしょうが)は、鮮やかな黄色と繊維質が少ないことが特徴です。黄金生姜のほかには「房州」と「らくだ」といった品種があります。

③【大生姜】大身生姜(印度生姜)

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大生姜は、国内で多く流通している一般的なショウガです。面積当たりの収穫量がほかのショウガと比べて多く、根茎が大きく育つため、一般農家に好まれる品種です。辛味が少なく多くの人が食べやすい味わいが魅力でしょう。「八朗」「お多福」といった品種もあります。

ショウガの育て方①時期

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植え付けから収穫までの時期

植え付け時期 4~5月
花が咲く時期 9~10月(花は滅多に咲かない)
葉生姜の収穫時期 7~8月頃
根生姜の収穫時期 10~11月頃

栽培スケジュールカレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え付け
肥料
開花時期
葉生姜の収穫時期
根生姜の収穫時期

栽培適期は?

ショウガは、日本の気候では一年草扱いで冬越しはしません。1年かけて「生姜」にあたる地下茎を大きく育てていくので、春が訪れたら種生姜を植え付けます。寒冷地などで霜が降りるおそれがあるような場所では、5月頃がよいでしょう。

ショウガの育て方②栽培環境

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栽培方法

ショウガは温度や日当たり、水やりの条件を管理できればプランター栽培と露地栽培の両方が可能です。

育てる場所

室内・屋外

ショウガの最適成育温度は25~30℃と高めで、室内での管理も可能です。ただし、土中に潜むネキリムシなどに食害されるおそれがあります。虫が室内に入るのが嫌な人は、ベランダなどで管理するのがおすすめです。

置き場所・日当たり

ショウガは熱帯地域で誕生したといわれているだけあって、温暖な環境を好みます。日当たりがよすぎると土が乾燥してしまうので、半日陰になる場所で管理するのがよいでしょう。

連作障害

ショウガは連作障害を起こしやすいです。一度ショウガを育てた場所は、4~5年あけるようにしましょう。同じ場所で育てるなら土壌殺菌をします。

ショウガの育て方③土作り

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畝の有無・高さ

ショウガを露地栽培で育てる場合は、畝たてをします。畝の幅は60~80cm、高さ10cmにし、マルチングをする場合はこのタイミングでかけておきます。

用土

ショウガは酸性の土を嫌います。露地栽培の場合は、植え付けの2週間前に有機石灰や苦土石灰を1㎡あたり100g~150gまき、pHを6~7まであげて用土を整えておきます。プランター栽培の場合は、元肥入りの野菜の土などを用土として使うとよいでしょう。

ショウガの育て方④植え付け・元肥

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定植

土のpHを弱酸性にまであげ、畝たてをしたら、畝に深さ10cmの溝を掘ります。種生姜の芽が上を向くように、小生姜は20~30cm間隔、大生姜は30~60cm間隔で並べましょう。その後、厚さ5~6cmになるまで土をかぶせます。

植え替え

ショウガの苗は植え替えには適しません。地植えする場合は、場所選びを慎重に植え替えましょう。プランター栽培であれば、必要に応じて移動が可能で管理しやすいです。

元肥の必要性

元肥はpH調整を終えた土に施します。ショウガの植え付け1週間前に行いましょう。収量を増やすなら元肥は必須です。1㎡あたり、堆肥3kgと有機肥料150~200gまたは化成肥料100gを混ぜこみます。プランター栽培で、あらかじめ元肥が入った野菜用の土を使う場合は必要ありません。

ショウガの育て方⑤管理のポイント

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水やり

ショウガは乾燥が苦手で多湿な環境を好みますが、絶えずじめじめした水はけの悪い環境では根腐れを起こして枯れてしまいます。土の様子を観察し、乾燥しているようならたっぷりと水を与えます。露地栽培の場合は、1週間以上雨がない場合に水やりしましょう。

支柱の有無・誘引

ショウガに支柱や誘引は必要ありません。

マルチングの必要性やタイミング

露地栽培で育てる場合は、マルチングをおすすめします。雑草防除と病害虫被害防止のためです。最初からマルチングする場合は黒マルチを畝にかけます。芽が出てきてからは、稲わらや落ち葉堆肥をマルチングしましょう。

追肥の必要性やタイミング

ショウガの本葉が2~3枚出たタイミングで、有機肥料を1㎡あたり50~100g追肥します。マルチをしている場合は一度マルチを取って肥料を混ぜ込み、その1カ月後に再び追肥をします。成育具合を見て、必要であれば最後の追肥を8月中旬までに行いましょう。2回目の追肥のタイミングで土寄せをし、ショウガの変色を防ぎます。

剪定の必要性やタイミング

株間を適切に植えている場合、ショウガの剪定は特に必要ありません。苗同士が混み合って風通しが悪い場合は、剪定するよりは小さい苗を土から根ごとに引き抜き、間引くのがよいでしょう。その際、ほかの根を傷つけないように注意します。枯れている葉や茎があるときは適宜軽く剪定しましょう。

収穫の方法

葉生姜の収穫方法

葉生姜の収穫適期は7~8月です。葉が8枚程度になったところで、新しくできた根ごと土から引き抜きます。間引きを兼ねて行ってもよいでしょう。

根生姜の収穫方法

根生姜の収穫時期は11月頃です。葉が黄色く枯れ始めてきたら収穫のサインです。茎を持って根ごと土から優しく引き抜きます。茎のすぐ下についているものが新しくできた「新生姜」、新生姜の下にさらについているのが最初に植えた「親生姜」です。親生姜も食べられます。

増やし方

ショウガの増やし方は、種生姜から増やしていく方法が一般的です。収穫後のショウガを泥付きのまま保存し、それを種生姜として温度と湿度に気を付けながら管理します。単純な増やし方に思われがちですが、収穫した生姜を枯れたり腐らせたりすることなく種生姜にまでするのは難しい工程です。

ショウガの育て方⑥生育トラブル

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開花しない

食用のショウガが日本で開花することはほとんどありません。ショウガはトマトのように実を食べる野菜ではないため、開花しなくても収穫量に問題はなく、花を咲かせるための対策は特に不要です。もし開花した場合、とても珍しいことなので記念にその姿を見ておきましょう。

夏に生育が落ちている

ショウガは乾燥に弱い野菜です。7月、8月の暑い時期は水切れを起こさないように管理する必要があります。稲わらなどを敷いてマルチングすると土の乾燥が落ち着きます。

ショウガの育て方⑦病気対策

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軟腐病

軟腐病は細菌の仲間によって引き起こされる病気です。ショウガだけではなく、あらゆる植物がかかりやすい病気で、その名のとおり植物を腐らせ、やがて苗ごと枯らしてしまいます。異臭を放つことも特徴です。土壌中に潜む原因菌を防除するために、土壌を薬剤や日光で消毒・殺菌します。

ショウガ青枯れ病

ショウガ青枯れ病は、平成9年に高知県のショウガ圃場で発見された病気です。細菌の仲間が引き起こす病気で、葉の変色、萎凋(いちょう)、腐敗などが起こります。対策として健康な種生姜を使うこと、プランター栽培などコンパクトな栽培方法であれば、その度に新しい用土を使うのがおすすめです。露地栽培では土壌を殺菌するか、毎年違う場所で育てましょう。

その他の病気
ショウガ立ち枯れ病 地面に近い葉から変色が始まり、やがて全体の葉が変色して枯れる。
ショウガいもち病 地上部に見える根茎が黒く変色する。最初、葉や茎に白い斑点がみられ、やがて大きな黒い斑点となる。

ショウガの育て方⑧害虫対策

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ショウガには害虫もつきます。害虫がおこす食害により茎などが倒れてしまう被害や、食害によって傷ついた箇所から細菌やウイルスといった病原菌が侵入して、被害が拡大することもあります。見つけ次第駆除しましょう。

ネキリムシ

ネキリムシはショウガの根茎をかじり、苗を倒してしまうこともあります。幼虫の間は土の浅いところにいるので、見つけたら駆除して増えないように管理します。

コガネムシ

コガネムシの幼虫も、ネキリムシのようにショウガを食害します。成虫になれば被害はありませんが、幼虫の間は土の中にいてショウガをかじってしまうので、見つけ次第駆除します。

害虫対策

飛んでくる害虫の対策としては、風通しをよくし、時に薬剤を使用することです。植え付ける際に土壌殺菌をして、土中にいる害虫の卵を殺しておくのも有効な手段です。家庭菜園の規模であれば熱湯を土にかけたり、黒いマルチを覆って日光に当てたりする方法も有効です。プランターで管理するなら、栽培をのたびに新しい土を用意するのがよいでしょう。

その他の害虫
イネヨトウ 茎の上部につき食害する。やがてショウガの茎全体を枯らしてしまう。
ハスモンヨトウ 葉が白く変色する。

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