ナスタチウムの育て方!上手な夏越しのポイントを解説! | 植物図鑑

学名Tropaeolum majus
和名キンレンカ、ノウゼンハレン
別名
英名Nasturtium
科・属名ノウゼンハレン科・ノウゼンハレン属
原産地メキシコ南部、南米
花言葉愛国心、勝利、困難に打ち勝つ

ナスタチウムの特徴

出典:筆者撮影

ナスタチウムの大型な花は、ハーブガーデンをあざやかに彩ります。花色も豊富でエディブルフラワー(食用花)としても人気です。また、ナスタチウムの香りを虫がきらうので、コンパニオンプランツとしても有効です。

基本情報

園芸部類 草花、ハーブ
形態 一年草
樹高・草丈 20~300cm
花色 オレンジ、黄、赤、クリーム、サーモンピンク
耐寒性 弱い
耐暑性 弱い
耐陰性 弱い
栽培難易度 ★★☆☆☆

特徴

ナスタチウムは南米・アンデスの高地が原産のつる性植物です。よく枝分かれし、非常に大きく育ちます。品種改良がすすんで、矮性のものや八重咲き、斑入り葉のナスタチウムもあります。

名前の由来

Nasturtiumはラテン語の「nasus(鼻)」と「tortus(ねじる)」が語源の造語で、花や葉に辛味があることにちなんでいます。

ナスタチウムの代表品種・種類

出典:写真AC

ナスタチウムは南米の広い範囲に90種類ほど分布しています。野生のものは、つるが長いものが多いですが、最近は品種改良をして小さくコンパクトに仕上げた品種が人気です。

①ジュエル・チェリー・ローズ

出典:写真AC

半八重咲きで、チェリーのような赤い花が特徴です。

②ホワリーバード・シリーズ

出典:写真AC

フリルのはいった花弁と花の裏側の、距(きょ)と呼ばれる突起がないのが特徴です。花色もクリーム色、オレンジ色、赤と種類が豊富です。

ナスタチウムの育て方①時期

出典:筆者撮影

植え付けから開花までの時期

夏の高温多湿によわいので、早めに室内で種まきをして株を充実させると夏越しの失敗が少ないです。同様に植え付けも早めに行うとよいでしょう。

種まきの時期 2~4月
苗植え付けの時期 3~4月(3月下旬)
花が咲く時期/開花期間 5~6月・10~11月上旬

栽培スケジュールカレンダー

出典:筆者作画

栽培適期は?

ナスタチウムの植え付けの時期は3月後半~4月上旬がよいでしょう。蒸れによわいので早めに株を充実させ夏を乗り切ります。ポット苗の植え付けも、遅くとも5月の初旬までに行うのが適切です。

ナスタチウムの育て方②栽培環境

出典:筆者撮影

ナスタチウムは日当たりと風通しがよい乾燥気味の栽培環境がよく、真夏は半日陰で育てると夏越しが簡単です。

栽培方法

基本的には野外で栽培します。暖地では冬越しができることもあるので、鉢植えがおすすめです。

プランター・鉢植え・露地

プランター 65cmのプランターに3株
鉢植え 30cmの素焼き鉢に2株
露地 株間を20cmとり植える

育てる場所

ナスタチウムは、日当たりと風通しのよい場所で乾燥気味に育てます。

室内・屋外

室内 冬越しや早春の種まきのときは室内栽培
屋外 霜がおりるまで屋外で栽培

置き場所・日当たり

置き場所 乾燥気味で風通しのよい場所
日当たり 午前中から昼まで日に当て、夏場のつよい西日は避ける

用土

ナスタチウムは水はけがよく、肥沃な用土を好みます。露地栽培の場合は、たい肥をすき込んだり腐葉土などで調整します。鉢やプランター植えでは草花用の培養土がおすすめです。

鉢植え 鉢底石を入れて草花用の培養土をつかう
露地 畑土50:たい肥10%:腐葉土20%:鹿沼土20%

ナスタチウムの育て方③管理のポイント

出典:筆者撮影

ナスタチウムの管理では、多湿にしないよう気をつけましょう。また肥沃な用土を好みますが、窒素(N)が多い肥料は葉ばかり育ちます。病害虫はあまりありませんが「ハモグリバエ」に卵を産みつけられないように注意しましょう。

水やり

乾燥気味に育て、用土が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。露地栽培では水やりは、植え付け直後以外は必要ありません。

プランター/鉢植え 過湿をさけ用土がかわいてから水やりをする
露地 植え付け直後いがいは水やりは不要

肥料

露地栽培では植え付け前に緩効性肥料をすきこむとよいでしょう。プランターや鉢の栽培では、真夏をのぞき窒素が少なめの液体肥料を水代わりにあたえます。

プランター/鉢植え 真夏をのぞき液体肥料を水がわりに施す
露地 元肥に緩効性肥料を施す

害虫対策

ナスタチウムはあまり害虫はつきませんが、葉に白く模様ができているときは「ハモグリバエ」の幼虫が葉裏にいます。ハモグリバエにはオルトラン粒が薬剤として効果がありますが、食用にする場合は散布を避けましょう。葉裏をみて、卵が産みつけられているときは葉を取り除きましょう。

病気対策

病気は過湿による根腐れや、立ち枯れ病が発生することがあります。どちらも蒸れて株がよわり枯れてしまいます。下葉が黄色くなっているときは取りのぞいて、株の風通しをよくし病気の発生を予防します。

花後の管理

花後に種を採取しないときは、花がしおれたら花茎ごとカットしましょう。

ナスタチウムの育て方④詳しい栽培方法

出典:筆者撮影

夏越しを失敗しないためには、ナスタチウムの株を摘芯や剪定でコンパクトにたもつことが重要です。春の種まきから夏越しのポイントをまとめました。

種まき

種まきのときは、軽く種にキズをつけて1日くらい水に浸してからまくと発芽率がよいです。夏前までに大きく育てたいので、2~3月に室内で種まきするのがおすすめです。

苗の選び方

苗を購入するときは、ひょろひょろと徐長しているものや下葉が黄色いものは避けましょう。

剪定/摘芯

6月後半になると花がつきにくくなります。その頃に20cmくらいに摘芯をしてコンパクトにします。また株が蒸れないように、葉数をへらす剪定をするとよいでしょう。

増やし方

ナスタチウムは挿し木(挿し芽)や水挿しで増やせます。

増やし方①挿し木

剪定や摘芯をした枝を使って挿し木をします。10cmほどの茎に葉を2~4枚つけて挿し木用の肥料が入っていない用土に挿します。発根までは乾かさないように水やりをし、半日陰で管理します。

増やし方②水挿し

剪定でカットした茎をコップに入れて水挿しをします。水の中に葉が入らないように葉数を少なめにしましょう。約10日で発根するので、その後植え付けましょう。

夏越し

夏前に剪定・摘芯をして根元に風が入るようにします。また置き場所は風通しがよい場所でハンギングすると、蒸れの防止になり夏越しがうまくいきます。

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