白ナスには、紫色のナスにあるポリフェノールの一種「ナスニン」がありませんが、栄養価は変わりありません。加熱調理することでとろみが出てうまみが増し、皮も実も柔らかくなります。紫色の色素を持たず他の料理に色移りしないため、白色を生かした料理にも重宝します。
園芸部類 | 野菜 |
形態 | 一年草 |
樹高 | 60〜100cm |
花の色 | うす紫色 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや強い |
耐陰性 | やや弱い |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
白ナスはヘタの部分が緑色で果実全体が白いのが特徴です。日本では紫色のナスが主流ですが、原産国周辺の東南アジアでは、白ナスのほうが一般的とされています。収穫時期は紫色のなす同様に7~8月です。白ナスを育てる場合、種から始める場合には3月~5月に種まき、苗から育てる場合は5月~6月までに苗の植え付けを始めるとよいでしょう。
ホワイトベルはヨーロッパ系の品種で、米ナスに近い形をしています。果実の直径は8~9cm、長さ15cm前後に成長し、へたは緑色、果実はオフホワイトに近い白色です。紫色のナスがもつポリフェノールの一種であるナスニンをもたない点以外は、栄養価としては紫ナスと違いはありません。みずみずしく、加熱するととろみがでて、種も気にならず美味しいと評判です。
たまごナスは、ヘタが緑色果実が白色で、鶏卵よりやや大きいくらいの卵型です。味は米ナスに似ています。イタリア料理などで使われることが多いです。実が若いうちに摘み取り、丸ごとではなく輪切りなどにして調理しましょう。果肉が加熱調理により、とろっとフォアグラのような食感を得られます。
白長ナスのなかでも丸種の宇治交配でうまれた品種です。ヘタが緑で果実はオフホワイトの白色で、長さは20~30cmほどになり、首から先まで同じ太さのまま、細長い形になります。果肉も白いのですがアクが強く、切ると断面が茶色に変色します。加熱すると柔らかくなり、ほんのり甘みが感じられる味が特徴です。
植え付け時期 | 4月下旬〜5月 |
開花時期 | 6月〜11月 |
剪定する時期 | 6月〜11月 |
実がなる時期 | 6月〜11月 |
収穫時期 | 6月〜11月 |
気温15℃を越えてくる5月からが植え付け適期です。寒さに弱いため冬越しはできません。水分、肥料を好む品種なので、プランターなどの場合は下から水が出るまでしっかりと水をやり2〜3週間おきに追肥します。日当たりによって変化しますが、花後2〜3週間で収穫できます。
プランター、露地栽培どちらでも栽培可能です。プランター栽培では特に水やりに注意が必要です。水切れしないようにたっぷりの水やりと、肥料を与えることが重要で、みずみずしい実とつやを育みます。支柱立てをして枝と実を支えましょう。
白ナスは日当たりを好む品種のため、基本的には屋外で栽培します。室内で育てる場合は、育成速度がおちてくるので、できるだけ日当たりのよい窓ぎわに置きましょう。成長速度が遅い場合には、LEDライトなどで光をしっかりあてて育てます。
白ナスは太陽の光が大好きな植物で、日照時間は長いほどよく、5〜7時間あるほうがしっかりと成長します。ベランダでの栽培は、日当たりがよく、風通しのよい場所を選ぶことが大切です。室外機の近くは風が直接当たり枯れてしまうのでさけましょう。
白ナスは特に連作を嫌う品種なので、同じナス科のピーマン、トマト、ナスなどを3〜4年は育てていない畑で育てます。プランターで育てる場合も同様で、新しい土で栽培しましょう。
白ナスの栽培では、畝の高さは20cm前後で作ります。畝幅70cm程度にし、1株50cmの間隔をあけて植え付けると管理がしやすいです。
pH6〜6.5弱酸性から中性が適正です。水分を多く含み、よくたがやされた肥沃な用土をこのみます。
夜に霜が降りなくなる5月からが植え替えの時期です。ポットから取り出し土から少し上になるように植え付け、その後たっぷり水をあたえましょう。
白ナスは、栄養(元肥)が少ないとしっかり育ちません。種まきの2週間前には苦土石灰をまいてたがやし、1週間前には堆肥、元肥を施してたがやしてから定植するとよく育つでしょう。定植後も2〜3週間おきに堆肥します。
深さ1cmほどの溝をつくり成長のよいものを残すために、育てたい数の倍ほどまきます。5mm間隔で種をまいていき、5mmほど土をかぶせて水やりしましょう。
発芽するまでは、水を与えすぎると種が腐ってしまうので、土が乾いたら水やりをしょう。本葉が2枚になったら10〜15cmのポットに移します。
白ナスは水分を好む品種なので、定植後は水切れしないようにしっかりと水やりしましょう。夏にプランターなどで育てる場合は水切れしやすいので、朝と夜の2回水やりします。
白ナスは果実の自重を支えることができず風にも弱いため、草丈50cmになったら必ず支柱をたてます。2本の支柱をクロスさせる2本仕立てで育てましょう。風が強い場合は、柵をたてて防風布でかこって対処しましょう。
白ナスは低温に弱いため、定植前に黒色のマルチングをしましょう。しっかりとした白ナスを長期にわたって収穫するために、マルチングは必須です。
肥料切れをおこすと成長が悪くなるので、6月ごろから、2週間に1回の頻度で化成肥料(窒素、リン酸、カリウム)をあたえましょう。
葉が黄色くなる場合は、水切れと害虫、病気が原因です。水切れに気をつけ、適度な剪定をおこない風通しをよくしましょう。害虫を見つけた場合は捕殺するか、オルトラン系の薬剤で予防します。病気の場合は多湿になりすぎていることがあるので、水はけをよくしましょう。進行しているときは抜き取って処分します。
開花後に実がならない原因のほとんどは、肥料不足と水切れです。どちらもあたえすぎると枯れてしまうので、肥料は2〜3週間に1回、水やりは土が乾いたらたっぷりとあたえましょう。
開花後に実が大きくならないのも、肥料切れと水切れが原因です。適度な水やりと肥料をあたえます。実がならない場合は、病気や根腐れ肥料やけをおこしている可能性があります。
立枯病はカビの1種で湿気の多い6〜8月に発生し、ひどい場合は枯れてしまいます。多湿を好むため、土をよくたがやし水はけをよくして予防しましょう。発生した場合は、他の株にうつってしまう前に根からぬいて処分します。
葉や茎に白いカビが発生して枯れてしまう病気です。早めに見つけたときは剪定すればよいですが、広範囲にわたっている場合は株ごと抜いて処分しましょう。風通しをよくすることで予防できます。
その他の病気 | |
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青枯れ病 | ある程度の大きさまで成長したあと、葉や茎がしおれて枯れる |
褐色腐敗病 | カビが原因で葉や茎、果実に褐色の小さな斑点ができる |
アブラムシなどと同じ吸汁性の害虫です。初期症状は葉に白い斑点がではじめ、しだいに全体が褐色になって枯れてしまいます。見つけたら補殺するか、オルトラン系の薬剤で対処します。
茎を食害する蛾の幼虫で、日中は土中に隠れています。夜間に害をおよぼすので見つけしだい取り除きましょう。
その他の害虫 | |
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ヨトウムシ | 夜行性の害虫で葉を食い荒らす |
アザミウマ | 葉や果皮を食害して傷をつけるので、マルチングして予防 |
ニジュウヤホシテントウ | 葉や果皮を食害し、波状の痕を残す |
ホソヘリカメムシ | 吸汁性の害虫で、見つけしだい捕殺 |
深さ1cmほどの溝をつくり、成長のよいものを残すため育てたい数の倍ほど種をまきます。5mm間隔で種をまいていき、5mmほど上から土をかぶせて水やりします。
白ナスの発芽適温は20°Cです。4月ごろからまきはじめる場合は、室内で温度管理するか、屋外栽培ではカバーをかけて保温して発芽温度に保ちます。発芽してから成長の早い順に、適宜間引きをはじめましょう。
育苗日数は種まきから70日程度かかるので、肥料切れに気をつけて管理しましょう。本葉が7枚になったら植え替えます。