園芸部類 | 庭木 |
形態 | 高木 |
樹高・草丈 | 3m~4m |
開花期 | 5月~8月 |
花の色 | ピンク、赤、緑など |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
用途・特性 | 落葉性 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
スモークツリーとは、雄株と雌株がある雌雄異株の落葉樹です。初夏になると小さな花を咲かせ、花後に花柄(かへい)がスモーク状にのびることからスモークツリーという名前がつけられました。ただし花後に花柄が伸びるのは雌株です。雄株は花柄が短く煙状には見えないので、園芸では主に雌株が使われます。また、秋になると紅葉が楽しめます。枯れにくく管理が簡単なため、庭木として人気です。
グレースは、スモークツリーの中でも成長が旺盛で育てやすい品種です。ケムリノキ属の交雑種で、花穂も葉もどちらも楽しめます。花穂は濃赤に成長します。
ロイヤルパープルは、秋になると葉がきれいに紅葉します。ヨーロッパでは庭木の定番として親しまれていて、どちらかというと花よりも葉のほうを楽しむ品種です。
グリーンボールは、緑葉の品種です。日陰で育つと花柄が緑色になり、日によく当たると花柄がピンク色になります。日照具合によって花色のグラデーションが楽しめ、花のつきがよいのが特徴です。
ヤングレディは、スモークツリーのなかでも小型な品種です。幼木でも花を咲かせるため、長期間花を楽しめます。秋には、葉が銅色に紅葉します。
リトルルビーは花つきがよく、花穂の色が鮮やかな品種です。小型に改良された品種であるため、うまく剪定すれば、樹高を1m以内におさめられます。乾燥に強く、管理が簡単です。
植え付け時期 | 11月~3月上旬頃 |
肥料の時期 | 12月~3月 |
剪定の時期 | 12月~3月 |
開花時期 | 5月~8月 |
スモークツリーは、11月頃に苗を植え付けするのがおすすめです。スモークツリーは育てやすく枯れにくい樹木ですが、根付くまでには最低でも1カ月はかかります。しかし、根付いてしまえばその後の栽培は難しくありません。開花期を迎える前に根付かせられれば、その年のうちに花や紅葉を楽しめます。
スモークツリーは、鉢植えでも地植えでもどちらでもOKです。ただし成長速度が速いため、鉢植えでは根詰まりを起こし、最悪の場合は根腐れしてしまいます。一方、地植えの場合は手入れをしなくてもほとんど枯れないため、地植えで育てるほうがおすすめです。
スモークツリーは、日当たりがよく水はけのよい場所を好みます。枝が広がりやすく冬になると落葉するので、ある程度広さがあるところがよいでしょう。成長すると樹高は3mほどになりますが、根が浅く、風が強いと枝が折れたり倒れたりする可能性があります。強い風があたる場所は避けたほうがよいでしょう。
スモークツリーは、水はけのよい用土で育てましょう。鉢植えの場合は、赤土玉と腐葉土と川砂を5:3:2の割合で混ぜたものを使います。地植えの場合は、腐葉土や川砂をあらかじめ混ぜるなどして水はけのよい環境にしておくと育ちやすくなります。
スモークツリーは、乾燥に強く湿度に弱い樹木です。地植えの場合は、苗を植え付けた直後の水やり以外は、基本的に降雨だけで十分です。鉢植えの場合は、用土の表面が乾いてからたっぷりと水やりをしてください。水やりをしすぎると枯れてしまうので、やや乾燥気味に管理します。
地植えの場合は、植え付けのときに元肥として腐葉土や堆肥を混ぜておけば、その後の肥料は必要ありません。鉢植えも肥料はほとんど必要ありませんが、成長が悪いようなら12月~3月までに緩効性化成肥料を施しましょう。ただし、肥料をたくさん与えると育ちすぎてしまいます。大きくなりすぎると管理が難しくなるので、注意が必要です。
スモークツリーにつく害虫は、ほとんど見られません。しかし風通しが悪い場所で管理すると、まれにカイガラムシが発生することがあります。カイガラムシが発生したら、薬剤を散布して対処しましょう。
スモークツリーがかかる病気はほとんどありませんが、まれにうどんこ病にかかることがあります。うどんこ病が発生すると、成長が悪くなります。うどんこ病を見つけたら、病気にかかった部分の葉は切り取ってください。
種まきは、9月~10月頃に行います。スモークツリーの種はかたいので、やすりなどで少し表面を削って一晩ほど水につけてておくと発芽しやすくなります。
鉢植えで育てているスモークツリーは根詰まりを起こしやすいので、1~2年に1回植え替えましょう。地植えの場合は、植え替えの必要はありません。
スモークツリーは成長が旺盛なので、毎年12月~3月の落葉期に剪定をします。伸びすぎた枝や古い枝を剪定して、風通しや日当たりをよくしましょう。若木は特に成長が盛んで、枝が多数出てきます。枝が多数あると樹形が乱れるので、剪定をして樹形を整えましょう。
スモークツリーは丈夫なので、夏越しも冬越しも特に対策は必要ありません。
スモークツリーは挿し木で増やせますが、根の活着が悪く難易度が高いです。しかし、品種によっては発根しやすいものもあります。
スモークツリーは、種まき以外にひこばえを株分けする方法でも増やせます。ひこばえとは、樹木の根元から生えてくる新芽のことです。ひこばえは、通常は取り除きますが、1mほどまで伸ばしたものを株分けとして使うと増やせます。
出典:写真AC