スモークツリーとは
花、葉ともに観賞価値の高いスモークツリーは、人気の落葉樹です。開花の時期は6月~8月、開花後の花柄(かへい)がふわふわとした煙のようになり、どこか幻想的な雰囲気を醸し出してくれます。葉は個性的なカラーリーフとして切り花やアレンジにも使用でき、秋には美しく紅葉します。
スモークツリーの基本情報
学名 | Cotinus coggygria |
別名 | 煙の木(ケムリノキ)、白熊の木(ハグマノキ) |
分類 | ウルシ科ハグマノキ属:落葉樹 |
分布 | アジア、中国、南ヨーロッパ |
樹高:葉張り | 2~4m:1.5~3m |
花序:花色 | 20cm:白、ピンク、赤、緑 |
開花時期 | 6~8月 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 強い |
スモークツリーは日当たりのよいやや乾燥ぎみの場所を好み、肥料もさほど必要としません。病害虫の被害もほとんどないため、手のかからない落葉樹と考えてよいでしょう。樹形はあまりまとまらず自由な形になります。コンパクトに育てたいのであれば株が小さいうちに剪定しましょう。
スモークツリーの名前の由来
和名の「煙の木」、「スモークツリー」ともに見たままで誰もが納得してしまうネーミングといえます。しかし「白熊の木」は疑問に思うかもしれません。これはヤク(牛の仲間)の尻尾の毛(白熊)をまとめて作られた払子(ほっす)という仏具に似ているところからつけられたといわれています。
スモークツリーの特徴
スモークツリーは雌雄異株の植物で、花後に煙のようになるのは雌株だけです。雌雄は花が咲いてみるまではわかりません。取り扱いのある園芸店などでは、主に観賞用となる雌株を販売していますが、気になるようでしたら問い合わせてみてから購入するとよいでしょう。
花の特徴
雄花と雌花の違い
6~8月ごろ、スモークツリーは5mm程度のたいへん小さい花を咲かせます。雌花は花の中心に1本の雌しべがあり、雄花には花の縁をとりまくように5本の雄しべがあります。雄株はスモーク状にはなりませんが、カラーリーフとして楽しめますよ。
雌花の花柄
スモークツリーは煙のような花を咲かせるといわれていますが、じつは煙の部分は花ではなく、雌花の不稔花(発育が不十分で種子をつくらない花)の花柄部分が伸びたものです。このスモークに見える部分は20cmほどの長さがあります。
葉の特徴
カラーリーフの魅力
葉色はライムグリーンから黒に近い紫色までと多彩です。切り花として数本をまとめて飾るだけでも、おしゃれ度が高く、インパクトのあるアレンジが楽しめます。また葉色は生育具合と気温によって変化するため、長期間にわたって楽しめます。
紅葉するスモークツリー
スモークツリーの葉のもうひとつの見どころは、紅葉の季節です。もみじに負けないぐらい鮮やかな赤に染まったようすは、スモークツリーのもうひとつの醍醐味といえますね。観賞の時期は、気温が下がる晩秋から初冬にかけてです。
ボタニ子
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出典:写真AC