シュウメイギクの育て方!増やし方や適した土壌など管理のポイント | 植物図鑑

シュウメイギク(白花)
シュウメイギク(ピンク)
シュウメイギク(八重咲)
シュウメイギクの種と綿毛
学名Anemone hupehensis
和名秋明菊
別名貴船菊、秋牡丹
英名Japanese anemone
科・属名キンポウゲ科・アネモネ属(イチリンソウ属)
原産地中国、台湾
花言葉淡い思い、薄れゆく愛

シュウメイギクの概要

出典:写真AC

シュウメイギク(秋明菊)は、日本の里山や野原に自生するキンポウゲ科の多年草です。原産地は中国で、かなり古い時代に日本に渡来して帰化しました。京都の貴船で野生化していたことから貴船菊(キブネギク)とも呼ばれます。

基本情報

園芸部類 草花
形態 多年草
樹高・草丈 30cm~150cm
花の色 白、ピンク
耐寒性 強い
耐暑性 普通
特性・用途 花壇、茶花、生け花
栽培難易度 ★★☆☆☆

特徴

地下茎で増える多年草

シュウメイギクは、地下茎を伸ばして増える宿根草です。茎は上部で枝分かれし、それぞれの枝先に花が咲きます。葉の形は、3出複葉(先が3つに分かれている葉)で、対生に付きます。

花びらは萼片

シュウメイギクはキク科ではなくアネモネの仲間で、英語名はジャパニーズアネモネです。花びらのように見える萼片(がくへん)は、アネモネよりやや厚みがあります。花が枯れると結実し、綿毛に包まれた種ができます。

シュウメイギクの代表品種・種類

①シュウメイギク・ダイアナ

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シュウメイギク・ダイアナは、草丈が15cm~80cmの中~小型の品種です。花は愛らしい濃桃色の一重咲きで、茎はやや紫色を帯びています。早いものは、8月下旬から咲き始めます。

②一重咲き白花シュウメイギク

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シュウメイギクの白花系は、帰化したシュウメイギクと台湾シュウメイギクの交雑種だといわれています。八重咲きなどの園芸品種もありますが、シンプルで清楚な一重咲きは茶花に使われるなど根強い人気です。

シュウメイギクの育て方①時期

植え付けから開花までの時期

植え付け時期 3月~4月
肥料 3月、12月
剪定 6月、12月
開花時期 8月下旬~11月

栽培スケジュールカレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え付け
植え替え
肥料
剪定
開花時期
休眠期

栽培適期は?

植え付け適期は、春と秋です。ポット苗が春に、咲き始めた鉢植えが初秋に売り出されます。入手できたときに植え付けましょう。

シュウメイギクの育て方②栽培環境

栽培方法

鉢植え・露地

シュウメイギクは庭植え・鉢植え、どちらでも育てられます。日本の風土や土壌で育ちやすいため、和風の庭になじみます。また、可憐で優雅な花姿は洋風の庭にも調和し、草丈の高さはボーダーガーデンで生かせます。鉢植えには、中型品種や矮性(わいせい)品種を植えるとよいでしょう。

育てる場所

置き場所・日当たり

シュウメイギクに適した植え付け場所は、適度に日当たりがよく、株元に直射日光の当たらない半日陰か、午後に少し影ができるような場所です。完全な日陰では、花芽が付きにくくなります。鉢植えは屋外で育て、室内には切り花を飾るのがいいですね。

用土

シュウメイギクは日本の土壌と相性がよく、弱酸性の土を好みます。植え付け前に腐葉土を鋤きこんで耕し、水はけと水持ちのよい土にします。鉢植えには、石灰などで酸度調整していない草花用培養土を使いましょう。または、赤玉土と鹿沼土、腐葉土を5:2:3程度の割合で混ぜあわせた用土を使ってください。

シュウメイギクの育て方③管理のポイント

Photo by wallygrom

水やり

シュウメイギクは乾燥を嫌うので水切れに気を付け、鉢植えは土の表面が乾き始めたら水やりしてください。庭植えは、根付いたあとは基本的に水やりは必要ありませんが、乾燥続きのときはたっぷり与えましょう。

肥料

植え付け時に緩効性肥料を施します。3月頃と花後(11~12月頃)にそれぞれ1回、化成肥料を追肥してください。

害虫対策

シュウメイギクに付きやすい害虫は、メイガの幼虫やアブラムシです。メイガの幼虫は株元を食害します。早めにみつけて殺虫剤などで駆除しましょう。アブラムシは新芽や蕾に集まります。こちらも少ないうちに洗い流すなど対処してください。

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病気対策

気を付けたい病気は、うどん粉病です。葉に白い点ができたら、白い部分が広がらないうちに摘み取ってください。風通しが悪くなると発症しやすいので、株が繁りすぎたら混みあった枝を剪定しましょう。

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花後の管理

花が咲き終わったら、少し下の枝分かれしている箇所で切り取ります。花がらを摘むと、種を作るエネルギーを使わなくてすむので、次々と新しい花を咲かせてくれます。種を採取したい場合は、開花期の終わりにそのままにしておくとよいでしょう。

シュウメイギクの育て方④詳しい栽培方法

出典:写真AC

苗の選び方

ポット苗は、茎と葉がしっかりしていて、病葉のない株を選んでください。花が咲き始めている鉢植えは、葉の色と花の形のよいものを選びましょう。

植え替え

シュウメイギクは根茎で増えます。庭植えは、増えすぎて株元が窮屈になってきたら一部を掘り上げて、ほかの場所に植えてください。鉢植えは1年~2年に1回、植え替えが必要です。株分けを兼ねて根を整理し、土も新しくしましょう。

剪定

シュウメイギクの株が繁り過ぎたら、6月頃に葉を少し剪定しましょう。開花期は、花がらを花首の下の方で摘み取ります。そして12月頃、葉が枯れてきたら株元で剪定してください。

夏越し

夏の強い日差しを浴びると葉焼けをおこしがちです。鉢植えは、日陰か半日陰に移してください。庭植えは、植えたあとは対処できないので、影が少しでもできる場所を植え付け時に選んで植えましょう。

冬越し

耐寒性が強く、特に冬越し対策は必要ありません。地上部が枯れても、根茎で越冬します。

増やし方

株分け・芽分け

おすすめの増やし方は株分けです。シュウメイギクは地下茎が伸びて子株ができ、自然に増えます。掘り上げて、子株を切り離して植えましょう。鉢植えは、鉢から出して芽の付いた根を分けて植えてください。

根伏せ

シュウメイギクは、根伏せ(根挿し)でも増やせます。春か秋に地上部に近い根茎を5cmずつ切り取り、土を入れた鉢に横に置いて土を軽くかけてください。新芽が伸びてくるまで乾かさないように管理しましょう。

シュウメイギクは株分けや根伏せのほうが簡単なので、茎の挿し木はあまりおこなわれません。

とりまき

シュウメイギクは種を採って増やせます。枯れた花をそのままにしておくと、綿毛のついた種ができるので、風に飛ばされる前に採取しましょう。種をとってすぐまいてかまいません。

種を作らない品種もあります。また、変異などで少し形が違った花が咲くこともあります。

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