セロジネは洋ランとしてはあまり馴染みがないかもしれませんが、独特な雰囲気のある美しい姿が特徴です。園芸品種のセロジネは育てやすく、洋ラン初心者でも花を咲かせやすいといわれています。花色は清楚な印象の白系やシックなグリーン系などで、2.5〜6号鉢の小型〜中型で扱いやすい大きさです。
園芸部類 | 洋ラン、鉢花 |
形態 | 常緑性多年草、着生植物 |
樹高・草丈 | 10〜60cm |
花の色 | 白、黄色、薄緑、薄茶 |
耐寒性 | 弱い〜やや弱い |
耐暑性 | 普通〜強い |
特性・用途 | 香りがある |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
セロジネは樹木や岩などに根付いて成長する「着生ラン」です。株元にあるぷっくりと膨らんだ、バルブと呼ばれる部分に栄養と水分を蓄えて成長します。バルブの先に1〜4枚の細長い葉をつけ、花は1つの茎に1つの花をつけるものと、複数の花をつけるものがあります。セロジネの原種は暑さに強い南方系と、寒さにやや強い北方系の2系統があります。
学名にもなっているセロジネという名前は、ギリシャ語の「穴」と「雌」という言葉に由来しています。セロジネの独特な曲線を描いた、花びらの形からつけられた名前です。
洋ラン【開花予定株】セロジネ インターメディア Coel.Intermedia 10.5cmポット 洋ラン 洋蘭 インテリア omr
参考価格: 1,650円
セロジネ・インターメディアは、クリスタータとマッサンゲアナを交配した園芸品種です。白花がきれいで香りがよく、育てやすい品種です。
レア度 | ★★☆ |
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サイズ | 3.5号鉢(直径10.5cm) |
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洋ラン【開花予定株】セロジネ ユニフローラ 板付き Coel.uniflora ラン 原種 yam
参考価格: 1,430円
セロジネ・ユニフローラは、南方系の原種のセロジネです。原種は実生(種から育てる)のため花色に個体差がありますが、丈夫で育てやすく個性的な色合いが楽しめます。
レア度 | ★★★ |
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形状 | 水苔で板付け |
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Coelogyne rochusseniiセロジネ属 ロクセニー
参考価格: 3,300円
南方系のセロジネで、フィリピン・タイ・マレーシア・インドネシアに自生しています。花茎についた香りのあるたくさんの花が、長く枝垂れるタイプです。
レア度 | ★★★ |
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サイズ | 3.5号鉢(直径10.5cm) |
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植え付け・植え替え時期 | 4〜5月 |
肥料を与える時期 | 4〜9月 |
北方系の開花時期 | 12〜4月 |
南方系の開花時期 | 5〜6月 |
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
植え付け・植え替え | ● | ○ | ||||||||||
北方系の開花期間 | ● | ● | ● | ● | ○ | |||||||
南方系の開花期間 | ○ | ● | ● | |||||||||
北方系の屋外管理 | ○ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||
南方系の屋外管理 | ○ | ● | ● | ● | ● |
セロジネには系統があり、開花期間にズレがあります。暑さと寒さに強く育てやすい園芸品種は北方系の育て方を、原種は開花時期でどちらの系統かを判断して育てましょう。
セロジネは鉢植えにして育てるのが基本です。水苔を使ったコルクやヘゴ板などの板付けでも育てられます。
秋~春先まで室内で管理するときも、明るく日当たりのよい場所に置きましょう。日当たりがよくないと花芽の付きが悪くなります。冬の管理は南方系では12℃以上を保ち、園芸品種や北方系も5℃を下回らないように育てます。
春~秋まで屋外で管理するときは、半日陰または30%の遮光ネットを使います。真夏は遮光率を50%にするか、常緑樹の木陰などの明るい日陰に移動します。セロジネは梅雨と秋の長雨以外なら、雨に当たる場所でも大丈夫です。
セロジネの用土は洋ランの土や、バークではなく水苔で育てます。鉢は素焼きやテラコッタが最適ですが、陶器鉢やプラ鉢なども可能です。流木やヘゴ板・コルクには根を水苔で包んで、ワイヤーやひもで縛る板付けでも育ちます。
春~秋までのバルブの生育期は、特にしっかりと水やりをします。真夏は朝と夕方の涼しい時間帯に水やりをするのがポイントです。秋以降室内に移動してからも、水苔を乾かしすぎないよう適度に与えましょう。板付けは霧吹きか浸水で水やりします。
セロジネには洋ランの肥料を置き肥として与えます。固形肥料は有機肥料と化成肥料どちらでも大丈夫です。肥料を与えるのは5〜9月ですが、真夏は液体肥料に切り替えてもいいでしょう。板付けは液肥を1週間に1回与えます。
屋外で育てるときには、環境によってはナメクジの食害に注意が必要です。特に柔らかい新芽がやられてしまうと、株の成長に影響することがあります。風通しをよくして、ナメクジ除けの忌避剤を使って害虫対策をしましょう。
花後の剪定は花の色が悪くなってしおれてきたら、花茎を根元近くでカットします。バルブから花茎が出ているものは、バルブや葉を傷つけないよう注意して剪定しましょう。
セロジネの苗は着生ランを扱っている園芸店やネット販売、ラン展の即売会などでも入手できます。春~秋は花が咲いていない状態ですが、色の鮮やかな葉がたくさん出ていて、バルブがしっかりと膨らんだ充実した株を選ぶのがおすすめです。
セロジネの植え替えのタイミングは、2年に1回です。南方系は4月頃、北方系は5月頃に行います。古い植え込み材を取り除いて、根を整理して植え付けます。鉢はあまり大きくしすぎないほうが、水の管理がしやすくなります。板付けは毎年の植え替えがベストです。
セロジネの増やし方は株分けです。バルブの数や新芽の数が増えてきたら、植え替えのタイミングで株分けをします。
出典:写真AC