ブッソウゲは沖縄などでよく見られる低木です。ハイビスカスとも呼ばれますが、フヨウ属の学名と英名が「Hibiscus」であり、アオイ科の園芸品種の総称になっています。花色は赤やピンクが多いですが、黄色やオレンジ、白花なども存在します。
園芸部類 | 熱帯植物 |
形態 | 低木 |
樹高・草丈 | 0.5~2m |
花の色 | 白、赤、ピンク、オレンジ、黄色、複色 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 常緑、開花期が長い |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
ブッソウゲの園芸品種はとても多く、約8000種以上が知られています。沖縄では至るところに見られ、国花にされているマレーシアではほぼ一年中花を見られます。基本的に結実することのない不捻性です。
昔、日本に渡来したとき、ブッソウゲは「扶桑(フソウ)」という名前でした。中国で扶桑は「ハイビスカスの花」という意味があります。この名前の後ろに日本で「花」が付けられ「ブッソウゲ」となりました。「扶」が「仏」に変わったのは、ブッソウゲを仏前に供える習慣があったためです。
フウリンブッソウゲはその名のとおり風鈴のような形をしたブッソウゲの仲間で、別名は「コーラル・ハイビスカス」です。ブッソウゲは一日花ですが、フウリンブッソウゲは何日も咲きます。
ヒメブッソウゲはヒメフヨウ属の植物で、観賞用の低木です。花弁が開かない赤色の花で、ブッソウゲなどのフヨウ属とは違い果汁のある実を結実します。
植え付け・植え替えの時期 | 5~6月 |
肥料の時期(鉢植え) | 5~10月 |
肥料の時期(庭植え) | 5~9月 |
剪定の時期 | 4月、10月 |
花が咲く時期/開花時期 | 5~10月 |
ブッソウゲの開花期間は夏~秋なので、5~6月頃に植え付けや植え替えるのがおすすめです。温暖な地域では冬でも花を楽しめます。剪定は、成長が始まる頃と終わりかけ頃に施しましょう。
購入時のブッソウゲの鉢植え用苗は、小さめの鉢に植えられていることが多いため、大きめの鉢を準備しておくことをおすすめします。根詰まりを起こしやすい植物で、鉢にはたっぷりと余裕をもたせるのがポイントです。
ブッソウゲを庭植えできるのは5~10月で、冬は降雪・霜を避けるため鉢に移しましょう。霜がほとんど降りないような暖地では、戸外でも冬越しが可能です。
ブッソウゲは熱帯植物で、日当たりのよい場所や温暖な環境を好みます。しかし日本の真夏のように強い直射日光が当たる場所や、高温多湿の環境は苦手です。鉢植えの場合は午前中のみ日光が当たる半日陰の場所や、明るくて涼風の当たる場所に置くこと、庭植えの場合は遮光ネットを使用することをおすすめします。
ブッソウゲの用土は、水はけのよいものが適しています。配合土であれば赤玉小粒土7:腐葉土3などがおすすめです。6号鉢以上になる場合は赤玉土を中粒にしてください。
春~秋は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。夏場は開花が盛んで水切れを起こしやすくなります。特に暑くなる関東地方以西の地域であれば、1日2回の水やりがちょうどよいです。冬場はあまり水を必要としないため、土が若干乾いているくらいの状態を保ちましょう。
ブッソウゲの生育期である春~秋に、規定よりやや多めの緩効性固形肥料を施します。夏場は水切れだけでなく肥料切れも起こしやすいため注意が必要です。猛暑でブッソウゲの成長が弱いと感じた場合には、固形肥料は控え、薄めた液体肥料を与えてください。
ブッソウゲは病気に強い植物ですが、害虫のアブラムシやハダニの大量発生が原因で「すす病」などの病気にかかってしまうこともあります。春~秋の生育期には害虫が特に発生しやすいため、薬剤などでこまめに駆除しましょう。
ブッソウゲは一日花なので、毎日花がらの処理が必要です。花後に放置しても花がらは自然に落ちますが、見つけたら切り取っておくとその分たくさん栄養が蓄積されます。蓄えられた栄養は、次の花はもちろん翌年の生育にもよい影響を与えます。
植え付けした直後のブッソウゲの苗は繊細なので、約1週間日陰の場所で管理します。その後は直射日光の当たる場所に移してもOKです。
ブッソウゲを庭植えにする場合でも、適当な大きさに苗木が育つまでは鉢で育苗しましょう。ある程度育ったら庭に植え替え、引き続き管理してください。
ブッソウゲの剪定は、冬越し前の10月が適期です。葉を数枚残し、株の1/2~1/3くらいの高さまで切りましょう。
ブッソウゲは寒さに弱い性質をもちます。10月末までに暖かい室内へ入れてあげましょう。暖房の風が直接当たると極端に乾燥してしまうため、注意が必要です。
庭植えの場合は、比較的温暖な地域であればマルチングで冬越しできます。そうでない場合は鉢上げし、室内に入れましょう。
ブッソウゲの増やし方は挿し木が一般的です。適期は5~7月上旬で、挿し木の用土には肥料を含まない小粒赤玉土を用います。切り口に発根促進剤を使ってあげると、より発根率が上がるのでおすすめです。