はじめに
ハイビスカスはハワイ原産の植物です。開花時期が春から秋までと長く、長期間楽しめるのもおすすめポイントです。この記事では、そんなハイビスカスを楽しむための、剪定方法などを紹介します。
ハイビスカスはどんな植物?
ハイビスカスの基礎知識
学名は、ハイビスカス(英名:Hibiscus )で、アオイ目アオイ科のフヨウ属に属する植物のことを総称してハイビスカスといいます。 種類には、コーラル系と在来系、ハワイアン系の3つがあります。低木の植物であり、咲く花の色も豊富で、赤やピンクなどの明るい色だけでなく、青や紫などもあります。
ハイビスカスの大きさは?
低木の植物ですが、地植えでは人の身長をはるかに超える大きさになります。鉢植えで栽培しても、とても生育旺盛な植物です。南国の植物ということで、暑さには強いですが、ほとんどの品種が寒さには弱いため、寒い時期には屋内に取り込むなどの対策が必要です。
ハイビスカスの剪定の必要性
ハイビスカスは「一日花」です。新しい花が咲いてはしぼむ、この繰り返しで毎日たくさんの花を楽しむことができます。開花期に多くの花を楽しむための手入れとして、しぼんだ花を摘む作業が必要になります。また、夏の間引き剪定、冬越し前に剪定をすることで、多くの花を楽しむことができます。つまり、ハイビスカスを栽培するにあたって、剪定は必要不可欠な作業になります。
ハイビスカスの剪定①(花がら摘み)
では、ハイビスカスの栽培にあたって、必要となる剪定の種類と方法についてご紹介していきます。
まず、花を楽しむ上で、必要となってくるのが「花がら摘み」です。剪定忘れなどで枯れた花をそのままにしておくと、次に咲く花への栄養が行き届かないばかりか、種に養分が回ってしまい、最悪の場合、花が咲かなくなってしまうことがあります。開花期によりたくさんの花を楽しむために、剪定忘れのないように以下の方法で、「花がら摘み」を行なっていきましょう。
ハイビスカスの花がら摘みの方法
咲き終わった花は、自然と落ちることが多いですが、その場合もガクだけ残っていますので、 それを根元からハサミで剪定します。 手で折ることも可能ですが、無理矢理に折らずに、ハサミを使うことをおすすめします。次に咲く花々のために、剪定忘れのないように丁寧に作業を行いましょう。
ハイビスカスの剪定②(夏季の間引き)
夏季に成長し、枝葉が混み合ってきたら、間引きの手入れを行いましょう。枯れた葉のついた調子の悪い枝を剪定したり、大きく成長しすぎた枝があれば、そちらも剪定して全体的に風通しをよくしていきましょう。花がら摘みと同様に、間引き剪定作業もハイビスカスの成長にとって大切な作業です。樹形などを考慮しつつ、剪定する枝と剪定しない枝を考えながら剪定を行いましょう。
間引き剪定作業の注意点
全て同じ長さに均一にカットしてしまうと切り戻し剪定後に長期間花が咲かなくなります。そのため、明らかに調子の悪い枝などを中心に、剪定後の開花を意識して剪定作業をするといいでしょう。剪定しない枝を残すことで、咲いている花やこれから咲く花を楽しみつつ、ハイビスカスのお手入れができます。
ハイビスカスの剪定③(冬越し前の強剪定)
ハイビスカスの花が少なくなってくる10月下旬頃までに、「強剪定」を行い、次の春を迎えるための冬越しの準備をします。「強剪定」とは、普段の間引き程度の剪定とは違い、普段よりたくさんの枝を落としたり、株自体の大きさを調整する剪定のことです。この剪定を行うことで、剪定しない場合より、冬期に株が弱ったりするリスクを減らすことができます。
強剪定の方法
春から夏にかけてたくさんの花を咲かせたハイビスカスを、枝の長さが半分以下になるように剪定します。 株によっては、冬の間に花を咲かせたり、枝が伸びることもあるので、その場合にはその都度剪定忘れのないように剪定を行います。そうすることで剪定しない場合よりも、翌年春以降の花が増え、枝葉が広がりやすくなります。
強剪定後の注意点
一部の種類を除いて耐寒性が低いため、剪定終了後は、室内にて冬越しをします。※室温によっては剪定が必要ない場合もありますので、ご自宅の室温をご確認の上、剪定が必要かどうかをご確認ください。目安は室温12度以上と言われています。
剪定後の枝でハイビスカスを増やそう
剪定の際には、切り戻しで剪定した枝が出ますが、その剪定後の枝を利用してハイビスカスを増やすことができます。
ハイビスカスを増やす方法① 水挿し
まず、一般的なのが、切り戻した枝を「水挿し」によって発根させてから土に植える方法です。育て方も手軽で、失敗の少ない方法といえます。
「水挿し」の方法
水挿しによる育て方は、剪定によって切断した枝をコップなどの清潔な容器に水を入れて挿しておきます。水は出来るだけ毎日変えましょう。 一緒に植物活力剤を入れるといいでしょう。1-2ヶ月経過して、根が伸びてきたら赤玉土などに植え替えていきます。土に植えたばかりの木は、水や養分を吸う力が弱いため、暑さや乾燥に注意して栽培していきましょう。
ハイビスカスを増やす方法② 挿し木
二つ目は、剪定後の枝を土に直接挿して、「挿し木」で発根させる方法です。水挿し同様に一般的な方法です。用土などに注意すれば、挿し木も手軽にハイビスカスを増やすことができます。
挿し木の方法
赤玉土を用意し、切り戻し剪定で出た枝を10センチ程度にカットします。その際に、水の吸い上げをよくするために切り口を斜めにカットすると良いです。枝の下部周辺の余分な葉っぱは、切り落とします。そして、倒れないように2センチから3センチほどを土の中に挿します。挿し木が完了したら、直射日光は避けて、土が乾かないように水やりもこまめに行います。
ハイビスカスの冬越し時の注意点
最後に、冬越しの際の注意点についてご説明します。翌年も綺麗なハイビスカスの咲く姿を楽しむために、置き場所などに注意して、適切な方法でハイビスカスの冬越しを行いましょう。
ハイビスカス冬越し時の置き場所
10月下旬頃にハイビスカスの強剪定を行い、そのあとは室内にて栽培をします。その際には、日当たりのいい窓辺におくようにしましょう。冬の厳しい寒さに負けないよう、日光をたくさん当ててあげましょう。部屋に取り込む際には、葉っぱや茎に虫や卵が付いていないかどうか確認してください。
病害虫と置き場所の注意
ハイビスカスは、病害虫に強い植物ではありますがアブラムシ、カイガラムシなどがつくことがあります。もし病害虫がついていた場合には、室内の他の植物にも影響を及ぼす可能性もありますのでご注意ください。夜間に窓辺が冷え込みが厳しい場合には、窓から離れた部屋の中央の方へ移動させるようにしましょう。その時の注意点として、暖房の風が直接当たらない場所を選ぶようにしてください。
鉢上げによる植え替え
庭などに地植えをしていたハイビスカスを冬越しのために、鉢上げによって植え替えをするのも10月下旬ころまでに済ませましょう。(強剪定をおこなう時期です。)地上部分を1/2~1/4ほど残して、根を整理してから鉢に植え替えて、室内にて冬越しをします。
まとめ
ハイビスカスの栽培方法、特に3つの「剪定」について取り上げました。日々のケアである「花がら摘み」、そして夏の伸び盛りの頃の「間引き剪定」、冬越し前の「強剪定」 がハイビスカスに必要な剪定です。冬越しの際には、寒さが厳しい屋外から窓際の暖かい場所へ移動させましょう。窓際の温度が下がる日には、部屋の中央へ移動させると、ハイビスカスを寒さから守ることができますよ。