アイスバーグの育て方！次々と花を咲かせるための管理のポイント | 植物図鑑

アイスバーグは、1983年に世界バラ会連合が開く世界大会で殿堂入りを果たした、フロリバンダ・ローズを代表する名花です。別名「シュネービッチェン」は「白雪姫」を表す名で、その名のとおり、細い枝がしなやかに伸びて、うつむきかげんに咲く白い花姿はとても美しいです。強健種で管理の手間がかからないことから、初心者におすすめで人気のバラです。

アイスバーグはフロリバンダ系に属し、株全体にたくさんの花をつけるのが特徴です。中輪で房咲きの花は四季咲き性なので、開花時期は5～11月と長く楽しめます。日陰にも強く耐病性も高いので、栽培環境を選びません。

多くのバラは、大苗なら12月～2月の休眠期に植え付けます。鉢植えの場合、夏以外いつでも植え付けが可能です。

ひと回り大きな鉢に植え替える「鉢増し」の場合は、根を崩さず作業できるため、夏以外いつでも作業可能です。用土を取り替えて「鉢替え」をする場合は、根に触れるため休眠期に行いましょう。

アイスバーグは耐陰性の高い品種で、半日陰でも問題なく生育します。風通しが悪いと病害虫が発生しやすくなるので、通気性のよい場所で、株同士の距離をあけて育てましょう。

バラは、水はけがよく保肥力のある土を好みます。庭植えの場合は、完熟たい肥や腐葉土などの有機物を入れて栽培すると病害虫にも強く、元気な苗に成長します。鉢植えの場合は、初心者でも扱いやすいバラ専用の培養土がおすすめです。

水を与えるときは葉にかからないように、土にゆっくり与えましょう。泥はねをおこすと黒星病の原因になってしまいます。水やりは朝10時までが適しています。

庭植えの場合、生育期の3～11月の間は4～5日に1回水やりを行いましょう。12～2月の休眠期は水やりの必要はありません。

鉢植えの場合は水枯れをおこしやすいので、1年を通して土が乾いたら水を与えましょう。

四季咲きのアイスバーグには施肥が欠かせません。初心者ならバラ専用の肥料がおすすめです。肥料を適切に与えると、花つきがぐんとよくなります。

庭植えの施肥は、一番花が咲き終わった5月（お礼肥え）、秋剪定の1週間前（夏の追肥）、休眠期（寒肥）のタイミングで、バラ用緩効性肥料を1株あたり100～200g与えましょう。

鉢植えは、4～11月の生育期には10日ごとに液肥を施肥します。さらにお礼肥え、夏の追肥、寒肥のタイミングで、バラ用緩効性肥料を1株あたり20～30g与えましょう。

アイスバーグの害虫対策は日々こまめに観察し、害虫を見つけたら捕殺することが一番効果的です。取りきれない場合は薬剤を使いましょう。

アイスバーグは耐病性が高いバラですが、黒星病が発生しやすいです。黒星病は、雨や泥はねにより、長時間葉が濡れた状態で起こりやすくなる病気です。予防策として、雨に当たらない場所で栽培したり、ワラなどでマルチングをしたりする方法もありますが、発病前に定期的に予防薬剤を散布しておくとよいでしょう。

アイスバーグの花を長期間咲かせ続けるためには、花後の花がら摘みが欠かせません。花後は、その枝の5枚葉の手前で切り落としましょう。残した5枚葉の根元からまた新枝が出てきて、こんもりとした株に成長していきます。

バラ栽培初心者なら、鉢植えの苗の購入をおすすめします。苗の種類には、枝だけの状態で流通する大苗（生育2年目の苗）と、葉つきで細い枝の新苗（生育1年未満の苗）があります。大苗は根が露出した状態で売られている苗もありますが、鉢に入っている苗のほうが植え付けが簡単です。

バラは、新しい枝（シュート）を伸ばす一方で古枝は枯れていきます。この生育特性を促進するために、剪定はバラの大切な作業です。ただし、アイスバーグはシュートの発生が少ない品種なので、剪定の際には古枝も適度に残しておく必要があります。

夏の剪定は、8月下旬～9月上旬に、春から伸びた枝の先を1/4ほど切り落とします。細くて弱々しい枝も剪定しましょう。

冬の剪定は、枯れた枝を切り取り、その年に伸びた枝は2/3程度に切り戻します。鉢植えで樹高が高くなりすぎた株は、全体が1/2程度になるように剪定しましょう。

アイスバーグの増やし方で、初心者におすすめの方法は挿し木です。アイスバーグを育て始めて栽培のコツをつかんできたら、ぜひ挿し木にも挑戦してみましょう。

1. 太くて若い枝を選び5枚葉を2ヵ所つけて、10cmほどでカットする（挿し穂）
2. 挿し穂についている葉を下半分ほど切り落とす
3. 挿し穂を1時間ほど水揚げする
4. 挿し木用の土を容器に準備して、割りばしなどで穴を開けておく
5. 水揚げした挿し穂を、空けておいた穴の中に差し込む
6. 周囲の土をならし、たっぷりと水を与える
7. 芽が出るまで、1か月ほど半日陰で管理する