園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草(日本では一年草扱い) |
樹高・草丈 | 10~20cm |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 弱い |
特性・用途 | 常緑性、花壇、鉢、ドライフラワー |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
花かんざしはかさかさと乾燥した手触りが特徴の白い花です。各枝に一輪ずつ、かんざしに似た赤く丸いつぼみをつけ、2cmほどの白い花が咲きます。冷涼な時期に成長するので「冬の妖精」とよばれ、冬に苗が出回ります。本来は多年草ですが、高温多湿が苦手で日本での夏越しは難しく、国内では一年草扱いです。ドライフラワーとしても人気があります。
ペーパーカスケードは普通の花かんざしよりも、花びらの先がとがっているのが特徴です。花期が花かんざしよりも少し遅いだけで、育て方などはほぼ同様です。ドライフラワーなどによく使われています。
ややこしいのですが、花かんざしとハナカンザシは別の花です。同じローダンテ属のアクロクリニウム(旧属名)の和名がハナカンザシなのです。花かんざしよりも全体的に大ぶりで、花色もローズ、ピンク、白などがあります。花かんざし同様に乾燥気味の花は、切り花やドライフラワーとして使われています。
ヒロハノハナカンザシは、ローダンテ属の基準となるタイプ種です。花かんざしと似た、乾燥したピンクや白の花を咲かせます。「広葉の~」の名のとおりの丸みを帯びた葉です。ハナカンザシよりも茎が細く、つるのように曲がって伸びます。こちらも切り花やドライフラワーに使われます。
植え付け時期 | 10~4月頃 |
肥料の時期 | 2~4月頃 |
自然開花時期 | 3~5月頃 |
温室開花時期 | 12~2月頃 |
挿し芽の植え付け時期 | 10月頃 |
耐寒性・耐暑性ともに弱いので、地植えよりも鉢植えにして移動しながら管理したほうが育てやすいです。成長に最適な気温は5~25℃くらいです。
自然開花の苗は屋外の軒下でも育てられますが、温室開花の苗は枯れないように、寒い日は室内の日当たりのよい窓際で管理します。夏越しさせる場合も、暑いときは冷房の効いた室内のほうがよいでしょう。
花かんざしは日当たりと風通しのよい場所を好みます。高温期の多湿状態ではすぐに枯れてしまいますが、低温期の軽い凍結や霜には耐えられます。雨に当たらない軒下で育てましょう。
花かんざしには水はけのよい山野草向けの用土がおすすめです。夏越しに挑戦するなら、鹿沼土や軽石を主体とした用土にします。一年草として割り切り冬と春だけ育てる場合は、草花用の培養土でも構いません。
多湿にならないように、用土が乾いてからたっぷりと水やりをします。花や葉に直接水がかかると黒ずんだり枯れたりするので、口の細いじょうろで株元に水をかけましょう。
花かんざしはほぼ肥料を必要としませんが、開花期を伸ばすならの2月~4月ごろまで、月に3~4回、薄めた液体肥料を与えます。
花かんざしの主な害虫はアブラムシです。薬などをまいて駆除します。
花かんざしがかかりやすい病気は、日照不足や多湿が原因の灰色かび病です。風通しのよい場所でよく日に当てて育てましょう。
花かんざしの花は長く美しさを保って咲きますが、きれいに咲いているうちに切り戻します。切り戻すことで株の蒸れを防ぎ、また新しい花が次々に咲き始めます。切った花は切り花やドライフラワーとして楽しみましょう。枯れてしまった花がらも気づいたときに早めに切り取ります。
日本で花かんざしを種まきから育てるのは難しいといわれています。
花かんざしは冬に出回る苗から育てることが多いです。株元が蒸れておらず、つぼみの多い苗を選びましょう。
花が一通り咲きおわったら、株全体を半分くらいの長さまで剪定します。花後の剪定によって株の蒸れを防ぎ、脇芽も伸ばせます。
花かんざしが高温多湿の日本で夏越しをするのは難しいです。それでも夏越しさせたいなら、鹿沼土や軽石を主体とした水はけのよい用土で十分に根を張らせてからにします。枝は短く剪定し真夏の直射日光は避け、涼しく明るい日陰で管理します。猛暑日は冷房の効いた室内に移動させましょう。
冬の妖精といわれる花かんざしですが強い寒さは苦手なので、凍り付くような吹雪の日などは屋内に避難させましょう。軽い霜程度なら大丈夫なので屋外の日当たりのよい場所に置いても育てられます。
花かんざしの増やし方は主に挿し芽です。3~5月頃に花後の枝を切って挿し芽にします。夏の間温度に気をつけて管理し、涼しくなった秋口に鉢に植え替えをします。
出典:写真AC