塊根植物のフォッケア・エデュリスは、「火星人」の和名でも流通しています。アフリカ南部の乾燥地帯に自生し、過酷な環境を生き抜くために塊根部を形成しています。塊根植物の中では丈夫な種類で、流通量も多いため初心者の方にもおすすめです。
園芸部類 | 多肉植物、塊根植物 |
形態 | 多年草、低木 |
樹高・草丈 | 1m |
花の色 | 黄緑色 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | やや強い |
特性・用途 | 落葉性、つる性 |
栽培難易度 | ★★★★☆ |
フォッケア・エデュリスはダイコンや人参のような細長い塊根部をもち、その先端からツルを伸ばします。ツルは何かに絡みつくわけではなく、下に垂れ下がるように広がります。現地では1mほどの背丈になりますが、栽培下ではそれほど大きくはなりません。初夏~夏にかけて、黄緑色の小さな花を咲かせます。
フォッケア・エデュリスは夏型の塊根植物です。成長期は4月半ば~10月半ばで、10月後半~4月前半までは休眠期となります。秋になって涼しくなると葉が徐々に枯れ落ちて休眠期に入ります。
フォッケア・エデュリスは基本的に鉢植えで栽培します。乾燥した地域に自生しているので、露地植えにすると雨水の影響で枯れやすいです。
フォッケア・エデュリスは、暖かい時期は屋外で栽培したほうが生育がよくなります。しかし耐寒性が弱いので、冬の間は室内へ取り込んでください。
フォッケア・エデュリスは日当たりと風通しのよい場所に置いてください。徐々にならせば直射日光に当てても問題ありません。また、風通しが悪いと病気や害虫の被害にあいやすいので注意してください。
乾燥を好むフォッケア・エデュリスには、できるだけ水はけのよい用土にしましょう。市販の多肉植物用の用土か、赤玉土2:鹿沼土2:軽石1で配合した用土を使用します。栽培環境によってはほかの土を足して微調整してください。
成長期には、用土が乾いたらたっぷりと水やりをします。冬場は1か月に1回程度軽く水やりをし、1週間に1回程度霧吹きで葉水を与えてください。
成長期のはじめに、粒状の緩効性肥料を株元に埋めます。その後の成長期は、1か月に1回程度水やりをかねて液体肥料を与えるのも効果的です。休眠期には与えないでください。
フォッケア・エデュリスは剪定しなくても問題ありませんが、好みの樹形があれば剪定することも可能です。また、剪定することで塊根部が太りやすくなるメリットもあります。剪定する場合は、成長期である暖かい時期が適しています。
フォッケア・エデュリスに発生しやすい害虫は、カイガラムシやアブラムシです。発生初期であれば、ピンセットなどで除去しましょう。大量に発生してしまった場合は、市販の殺虫剤を散布して対処します。風通しの悪い環境で発生しやすいので、置き場所に注意してください。
フォッケア・エデュリスは、根腐れ病にかかりやすいです。根腐れ病は高温多湿な環境が原因となるので、水やりのし過ぎに注意し、風通しのよい場所に置いてください。万が一発症してしまった場合は一度苗を抜き、腐った根を切り取りとって、新しい用土に植え付けます。
フォッケア・エデュリスを店頭で選ぶ際はまず、塊根部にハリがあるか確認します。塊根部が柔らかい場合や、葉が枯れているものは状態がよくない場合が多いです。また、葉の根元や裏側にカイガラムシなどがついていないかしっかりと確認してください。
フォッケア・エデュリスの植え替えは、3~5月頃に行います。成長にあわせて1~2年に1回行いましょう。
フォッケア・エデュリスの開花時期は夏ですが、開花後の管理は特に必要ありません。ただし、枯れた花をそのままにしておくと見栄えが悪くなるので、摘み取ってしまったほうがよいでしょう。
フォッケア・エデュリスは乾燥した地域に自生しているので、高温多湿な日本の夏が苦手です。そのためなるべく風通しがよい場所で管理しましょう。また直射日光を避け、半日陰か遮光した場所へと移動させます。
耐寒性が弱いフォッケア・エデュリスは、外気温が10℃を下回ったら、室内か園芸用の温室に取り込みます。休眠中は水やりを月に1回ほどに減らして乾燥気味に管理しましょう。また落葉していても光合成はするので、置き場所は南向きの部屋の窓際が適しています。
フォッケア・エデュリスの増やし方のひとつは、種から育てる実生です。
フォッケア・エデュリスは、挿し木でも増やせます。しかし実生した株と違い、塊根部が太りにくいです。