はじめに
気に入った植物を飾ってもすぐに枯れてしまったり、植物の管理は苦手…と感じている方は多いのではないでしょうか。枯れてしまう原因の多くには、実は根腐りがあります。根腐れは水やりの仕方や多湿が原因であることが多いのですが、根腐れをしても対処の仕方によっては復活する可能性があります。これから根腐れについて詳しく紹介します。
根腐れとは?
根腐れとは、植物の根っこが腐ってしまう病気です。植物の根は動物と同じく呼吸をしているため、酸素を含む空気がない状態が続くと根腐れをおこします。根腐れは根の先から少しずつ腐りはじめ、株元まで侵されると枯れてしまいます。しかし早めに対処すれば進行を止めて、復活させることもできます。根腐れが起きるおおまかな流れを紹介しましょう。
根腐れが起こるおおまかな流れ
- 何かの原因で根の周囲が酸素不足(嫌気状態)になっている
- 根は呼吸ができずに窒息する
- 嫌気状態を好む嫌気性菌や通性嫌気性菌が活発化する
- その菌が繁殖して根を分解し腐敗させる
- 堀り起こして根を見ると、根は腐った状態になっている
ボタ爺
根腐れの症状や状態
植物が根腐れしたら、いくつかの症状が現れてきます。根腐れを起こした植物を見分けるチェックポイントを紹介するので、弱っている植物があれば、よく観察してチェックしてみましょう。
根腐れチェックポイント
- 水やり後、水の浸透が悪い
- 葉の色が黄色や茶色に変色している
- 土の表面がいつも湿っている
- 茎や枝に元気がなく、柔らかくなっている
- 腐ったような臭いがする
根腐れの原因
根腐れの原因の多くは酸素不足ですが、酸素不足になるには様々な要因があります。詳しく見ていきましょう。
①水の与え過ぎ
水やりの役割は酸素を多く含んだ新しい水を与え、古い空気を押し出し新しい空気を入れることです。しかし水を与え過ぎると、植物が与えられた全ての水を吸い上げられず、根の呼吸を妨げてしまいます。根腐れの原因には水の与え過ぎが多く、鉢植えに発生しやすいので注意が必要です。
②水はけが悪い
植物の管理には「水やり」だけでなく「水はけ」のバランスも大切で、水はけは土の役割です。根は土と土との隙間や、土の粒の水を吸い上げています。そして、水がはけた後にできる隙間から、酸素を取り込んで呼吸をします。土の状態が悪いと水分の吸収だけでなく、水はけがうまいくいかず、植物が酸素不足になるのです。
③肥料焼け
肥料焼けとは肥料の強さで大切な根が害を受けてしまうことです。本来、植物にとっての栄養剤である肥料が、根を弱らせてしまうのは避けたいですね。肥料焼けの原因は、根と肥料の間にある浸透圧にあります。肥料を過剰に与えると、土の中に含まれた肥料の濃さを薄めようと、根に含まれている水分が土の中に流れ出してしまうため、次第に根が腐っていくのです。
④菌による浸食
嫌気性菌の発生は「根腐れのおおまかな流れ」で紹介しました。酸素不足が続き、根が傷ついたままだと、嫌気性菌が繁殖していきます。増えた嫌気性菌は、根を浸食して腐らせてしまい、植物は根を失います。嫌気性菌は特別な菌ではなく通常の土にいる菌ですが、酸素不足を好んで増殖する菌なので注意が必要です。
ボタニ子
次は根腐れの対処方法を詳しく紹介します
嫌気性菌(けんきせいきん)とは酸素を嫌う性質の菌じゃが、悪い菌ではなく役に立つこともある菌だよ。