空心菜(クウシンサイ)は、名前のとおり芯が空洞になっているのが特徴の葉物野菜です。東南アジア原産で耐暑性が強く、真夏でも育てられるため、葉物が少なくなる暑い時期に重宝されますクセが少なく、もともとは中華料理でよく使用されていましたが、近年は和食や洋食問わず、さまざまな食べ方で利用されています。
園芸部類 | 野菜 |
形態 | 多年草 |
樹高 | 30~40cm |
花の色 | 紫色、白色 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 弱い |
栽培難易度 | ★★★★☆ |
空心菜の草丈は30~40cmで、サツマイモのようにつるを伸ばして成長します。収穫時にはつるの先の20cmほどを収穫しますが、収穫後は脇芽が次々と出てきて繰り返し収穫可能です。また、アサガオのような花を咲かせることから、「アサガオナ」の別名でも呼ばれます。
エンツァイ(ヨウサイ)
参考価格: 220円
エンツァイは、ほかの品種に比べて早い時期から播種でき、長期間の収穫が可能な品種です。地域にもよりますが、3月の下旬から種まきが可能で、10月半ばころまで繰り返し収穫できます。一度種をまいて育ってしまえば、半年以上収穫できます。空いているスペースなどで育てておけば、一品ほしいときに重宝するでしょう。
栽培難易度 | ★★★★☆ |
---|---|
おすすめ度 | ★★★★☆ |
白茎細葉エンサイ なつサラダ ホワイト
参考価格: 330円
細葉の空心菜で、クセが少なくサラダなど生食できる品種です。直立性でつるがなく、プランターなどの狭いスペースでも栽培できます。若採りするため、暖かい時期であれば播種から2週間ほどで収穫可能です。その後も1~2週間ほどで再収穫できるため、家庭菜園におすすめです。
栽培難易度 | ★★★★☆ |
---|---|
おすすめ度 | ★★★★★ |
つるなしエンサイ
参考価格: 1,427円
つるなしエンサイは、昔から沖縄で栽培されている、名前のとおりつるのない品種です。つるがないため省スペースで栽培でき、プランター栽培などにもぴったりです。暖かい時期は何度も収穫できるため、育てておけば葉物が高騰する夏場に役立ちます。
栽培難易度 | ★★★★☆ |
---|---|
おすすめ度 | ★★★★★ |
植え付け時期 | 6~8月 |
追肥する時期 | 7~9月 |
収獲する時期 | 7~10月 |
空心菜の種まきの時期は5~8月ごろ、植え付けは6~8月ごろが適期です。成長したら随時収穫が可能で、収穫時期は6~10月ごろです。
空心菜は、露地栽培、プランター栽培どちらも可能です。プランターで育てる場合は、つるの伸びない品種を選ぶと、小さなプランターでも育てやすいです。収穫期間中は何度も繰り返し収穫できるため、広いスペースでなくても効率よく栽培できます。
空心菜はもともと暖かい地方の野菜のため、しっかりと日の当たる場所で栽培してください。日当たりが悪いとヒョロヒョロと徒長してしまい、軟弱な株に育ってしまいます。
空心菜は連作障害がでないため、同じ場所で繰り返し栽培ができます。しかし場所に余裕があれば、1~2年あけて栽培したほうが成長がよくなります。
空心菜を露地栽培する場合は、幅70~100cm、高さ5cmほどの畝を立てましょう。畝を高くしすぎると、水持ちが悪くなるため注意してください。
空心菜は、土壌が酸性に傾きすぎているとうまく成長しません。事前に苦土石灰を施してpH6.5前後に調整しておきましょう。プランター栽培の場合は、市販の野菜栽培用の用土で問題ありません。
定植は6~8月ごろ、苗の本葉が3~4枚のときに行います。苗をポットから抜いたら、根っこの形を崩さないように植え穴に植え付けましょう。ポットの土の表面と畝の表面が同じくらいの高さになるように植えてください。植え穴を前日に掘って穴に水やりをしておくと、定植後の地温低下を防げます。
空心菜は品種によって株間を変えましょう。つるがある一般種では株間を30cm空けて、つるのない品種では10~15cmの株間で植え付けてください。つるありの品種は十分に株間をあけないと、蔓がうまく伸ばせずに生育に影響が出てしまいます。
空心菜は、摘み取りながら長く収穫するため追肥を多く行います。生育初期は元肥の肥料分をもとに成長します。しっかりと元肥を施しましょう。
苗の定植の約1週間前までに、1㎡あたり2kgの堆肥と、化成肥料100gをまいてよく耕しましょう。定植直前では苗に悪影響が出やすいため、計画的に行ってください。
プランター栽培の場合は、市販の野菜栽培用の用土を使用しましょう。予め肥料分が含まれているため、施肥の必要がありません。
露地栽培の場合は、水やりは基本的に必要ありません。しかし、夏場に1週間以上晴天が続くようであれば水やりをしてください。プランター栽培の場合は、毎日朝か夕方に水やりをしましょう。
空心菜の栽培では、支柱や誘引は必要ありません。
畝を立てた段階で、黒マルチを張るのがおすすめです。空心菜は、原産地では湿地帯で栽培される野菜です。乾燥を防ぐためにマルチを張りましょう。また、マルチを張ると地温を上げられ、雑草が生えるのも防げます。マルチを張らない場合は、株元にワラを敷くと乾燥防止に繋がります。
収穫期間が長い空心菜は追肥が欠かせません。2週間に1回、市販の液体肥料を水やりを兼ねて与えすのがおすすめです。また、液体肥料を使わない場合は、化成肥料を一つまみ株元にまきましょう。肥料が切れると茎が硬くなってしまうため、定期的に追肥を行ってください。
空心菜は、秋になり日が短くなったことを感じ取って花を咲かせます(短日条件)。しかし沖縄以外での地域では、日が短くなるころには気温が下がってしまい花を咲かせることができず、種取りも難しいです。沖縄以外で種取りをしたい場合は、短日処理という人工的に日照時間を短くする栽培が必要です。
まだ十分に暖かい9月の始めごろ、夕方から空心菜を覆うように段ボールを被せます。段ボールを被り、暗くなったことで空心菜が勘違いを起こし、花を咲かせます。花が咲いてしばらくすると種ができるため、種取りをしましょう。
空心菜は、スーパーで購入したものや、収穫、摘心したものから再生栽培することが可能です。育苗する必要がなく手軽に始められます。最初に少量だけ栽培して、そこから数を増やせます。
十分に根っこが伸びてきたら、通常の苗と同じように植え付けます。最初は水分が不足してくたっとしていますが、2~3日で新しい根っこが伸び、水分を吸収できると徐々に成長していきます。十分に成長したら収穫しましょう。
空心菜は、水に浸して育てる水耕栽培でも栽培できます。水を入れる容器があれば育てられるため、手軽に始められます。
家庭で水耕栽培をする場合は、空のペットボトルを用意します。まずペットボトルの上部1/3ほどを切り取りって器を作ります。そこに水を入れて、スーパーで購入したものや、収穫したものを挿し、窓辺に置いて毎日水を変えましょう。1週間程度で新しい根っこが生えて成長します。大きく育ったら収穫してください。
空心菜は熱帯地方原産の野菜で、気温が十分に上がらないと成長しません。園芸店などではまだ気温が低い時期から苗が売られていることもありますが、十分に気温が上がってから植え付けましょう。早い時期から栽培したい場合は、ビニールトンネルを張ったり、不織布をべた掛けしたりしましょう。
十分に暖かい時期にもかかわらず成長しない場合は、水不足が考えられます。もともと湿地帯に生えて水分を好む空心菜は、乾燥しすぎると成長が止まってしまいます。特にプランター栽培では用土の乾燥も早いため、毎日の水やりは欠かさないように気をつけましょう。
空心菜は肥料が不足すると茎が硬くなってしまいます。収穫期間が長いため、定期的に追肥を行ってください。おいしくない硬い茎は摘心してしまい、新しく出てきた芽を収穫して食べましょう。
空心菜はほとんど病気が発生しないため、特別な対策をとらなくても問題ありません。しかし、栽培環境によっては病気が発生してしまうこともあります。適切な管理を心がけてください。
白さび病は、カビが原因で葉に白い斑点が出る病気です。多湿な環境で発症しやすく、特に梅雨の時期は注意が必要です。空心菜はもともと多湿な環境を好みますが、常に湿り続け、風通しが悪いと発症しやすくなります。株間を十分に開け、定期的に収穫、摘心して風通しを確保してください。万が一発症した場合は、市販の抗菌剤を散布しましょう。
空心菜は、まれに害虫が発生する場合があります。
イモコガは、幼虫が葉を折ってその内側を食べてしまいます。発生した場合は気が付きやすいため、定期的に観察して見つけ次第、葉をイモコガごと摘み取って処分してください。害虫ネットを張って産卵を防ぎましょう。
空心菜は熱帯の野菜で、気温が上がらないと十分に成長しません。そのため、ポットに種をまいて暖かい場所で管理し、十分に気温が上がってから植え付けるのがおすすめです。
種をまいた後は、発芽するまで乾燥させないように注意してください。濡れた新聞紙を被せ、新聞紙が乾燥するようであれば追加の水やりをします。また、室内や園芸用ビニールハウスなど暖かい場所で管理しましょう。
最初の種子が発芽したら、徒長を防ぐために新聞紙を外します。発芽が揃ったら、一番生育のよい苗を残し、それ以外の苗を間引いてください。本葉が3~4枚になるまで毎日水やりをしましょう。朝晩が冷える時期は、日中は日当たりのよい場所に置きます。夜間は室内に取り込むと寒さに当たらず成長を促せます。
エンサイ
参考価格: 198円
エンサイは、一般的な空心菜です。暑さに強く真夏でも育てやすい反面、あまり早くに種子をまいてしまうと地温が足りずにうまく発芽しません。地域ごとに、適切な時期にまくのがポイントです。つるが伸びるタイプで、先端の柔らかい部分を収穫すると脇芽が出てきて再収穫できます。
栽培難易度 | ★★★★☆ |
---|---|
おすすめ度 | ★★★★☆ |