アサザは日本や中国が原産の浮葉性植物で、別名「花蓴菜(ハナジュンサイ)」とも呼ばれています。アサザの歴史は古く、平安時代から日本の水辺に生息しており、日本人には馴染みの深い植物です。
園芸部類 | 水生植物(浮葉性) |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 5cm〜10cm |
花の色 | 黄色、オレンジ色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 若葉が食用になる、ビオトープ、初心者向け |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
アサザは、ミツガシワ科・アサザ属に分類される水生植物です。別名「ハナジュンサイ」とも呼ばれているとおり、葉の形がジュンサイによく似ていて、若葉は食用にもできます。5月〜9月にかけて、花弁が5枚ついている黄色い花を咲かせるのが特徴です。花は午前中に咲いて、午後にはしぼんでしまう「半日花」で、毎年開花を楽しめます。
アサザを水鉢に浮かべて、メダカやミナミヌマエビを育てる「ビオトープ」として利用するのもおすすめです。ビオトープとは野生植物や野生生物の生息地をさします。水鉢に生き物を入れすぎると水が濁りやすくなる点には注意しましょう。アサザを食べてしまう生き物もいるため、しっかりと調べてからビオトープに入れてください。
名前の由来は?
アサザは漢字で「浅沙」や「阿佐佐」と表記されます。水辺の浅い場所に生息して花を咲かせるため「浅咲」から「浅沙」と名付けられたという説や、アサザの花が「朝に咲く」ので「朝咲(アサザ)」から「浅沙」になったという説などさまざまです。
花言葉は?
アサザには「平静」「信頼」「しとやかな」という花言葉がついています。水面に丸くてかわいらしい葉を浮かべ、開花時期には小さな黄色い花をそっと咲かせる様子から「しとやかな」という花言葉がつけられました。また、多年草のため毎年決まった時期に開花する性質から「信頼」という花言葉がついています。
アサザ 夕日
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夕日は名前のとおり、オレンジ色の夕日のような花を咲かせる品種です。アサザはほとんどが薄い黄色の花を咲かせるため、オレンジ色の花を咲かせる夕日は希少種といわれています。
草丈 | 3cm〜5cm |
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開花時期 | 6月〜8月 |
赤葉アサザ
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赤葉アサザは、葉のふちが濃い赤色や茶褐色になる品種です。葉の中心部分は黄緑色をしており、色のグラデーションが楽しめます。5月〜9月にかけて、薄い黄色の花を次々と咲かせます。
草丈 | 5cm〜10cm |
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開花時期 | 5月〜9月 |
植え付け時期 | 3月〜4月 |
植え替え時期 | 3月〜4月 |
肥料の時期 | 3月〜9月 |
剪定の時期 | 3月〜5月、9月〜10月 |
花が咲く時期/開花時期 | 5月〜9月 |
アサザは「浮葉性植物」のため、水鉢などに水を張ってアサザを浮かべて育てていきましょう。水鉢はプラスチック製でも陶器でも、自分の好きなタイプを使用して構いません。池などでも育てられますが、きれいな水でしか上手に育たないため、濁った水の場合は水質改善をする必要があります。
ボタニ子
アサザは根がほふくして横に広がっていきます。そのため、水鉢は口が広いタイプを選ぶのがおすすめです。
あまり小さい水鉢を使用すると、すぐに根詰まりを起こすため、余裕を持って大きめのサイズを選びましょう。
アサザは、優しく日光が差し込むような半日陰で管理してください。直射日光に長く当てると、水が蒸発したり葉が傷んだりします。屋外での置き場所は、午前中に日光があたり午後からは日陰になるような置き場所で育てましょう。室内で管理する場合は、レースのカーテン越しの窓辺に水鉢を置くのがおすすめです。
アサザに適した用土は田んぼの土です。田んぼの土が手に入る場合は、そのまま田んぼの土に植え付けましょう。田んぼの土が手に入らない場合は、赤玉土を使用しても構いません。アサザを植え付ける前に、赤玉土にたっぷりと水を吸わせておくのがポイントです。
アサザは水生植物で、水に浮かべながら育てていくため水やりの必要はありません。水切れを起こすとアサザが枯れ込んできます。定期的に水鉢に水を足しながら管理しましょう。夏は水分が蒸発しやすくなるため、こまめに水量を確認してください。
適した水位は?
アサザは葉がちょうど浮く水位で育てましょう。株元から10cmほどの高さで水を貯めておくのがコツです。水が少なすぎると、葉や根が乾燥して枯れる恐れがあるため注意しましょう。下葉は水に多少沈んでいても問題ありません。
アサザは比較的丈夫な植物のため、肥料を与えなくても問題なく育ちます。田んぼの土に植え付けた場合は栄養分が含まれているため、追肥の必要もありません。しかし、赤玉土に植え付けて株を大きくしたい場合は、植え付けのときにあらかじめ元肥を混ぜ込んでおきましょう。
ネクイハムシは「ハムシ科ネクイハムシ亜科」に分類される害虫です。「葉虫」と表記されるとおり、アサザの葉を食害して穴だらけにします。また、葉の裏側に卵を植え付けるため、孵化する前に駆除が必要です。ネクイハムシが飛来したときにつまみとって追い出すか、薬剤を散布して発生を予防しましょう。
斑点病はカビの菌糸が原因で発生する病気です。感染した部分が黒色や褐色に変色して、次第に感染箇所が広がっていきます。アサザ全体を枯らしてしまう心配はありませんが、葉がしおれたり落ちたりする恐れがあるため注意しましょう。
アサザは5月〜9月にかけて、黄色やオレンジ色の花を咲かせます。花後はこまめに花がら摘みを行い、株を清潔に保つのが重要です。花後に花がらを放置するとカビが発生しやすくなり、灰色カビ病を引き起こす原因になります。
アサザは茎や葉が鮮やかな緑色をしており、葉にハリがある苗を購入しましょう。葉の裏側までしっかりとチェックして、病害虫被害を受けていない苗を選びましょう。ポットに仮植えされた状態で販売されているため、購入後はすぐに水鉢に植え付けてください。
アサザの植え替えは3月〜4月に行いましょう。アサザは繁殖力が強く、ほふく性の根を伸ばしながら次々と増えていくため、水鉢が狭くなる前に植え替えてください。根鉢をそのままの状態で大きな鉢に移し替える場合は、年間を通していつ植え替えても構いません。
アサザの剪定は、3月〜5月と9月〜10月に行います。耐暑性が普通程度のため、暑さの厳しい日に剪定するとアサザが弱ったり枯れたりするため避けてください。葉が傷んでいる部分や枯れている部分を放置すると水が濁ってきます。茶色や黒色に変色している部分を見つけたら、こまめに剪定していきましょう。
アサザは耐寒性が強いため、屋外でも冬越しが可能です。アサザは冬になると休眠期に入るので、葉が茶色く枯れ込んだようになります。しかし、寒さがやわらぐと新芽が出て、花茎も伸びてくるため、水切れを起こさないように管理してください。寒冷地の場合は、水鉢の表面が凍らないように注意しましょう。
アサザは株分けで増やしていきます。アサザの根はほふく性のため、横へ横へと伸びていくのが特徴です。横へ伸びた茎から新芽が伸びるため、2株〜3株程度で株分けしていきましょう。アサザは繁殖力が強く、株分けをしなくても根を伸ばして自然に次々と増えていきます。
ボタニ子
アサザを放任で増やすと、根や茎に十分な酸素が行き渡らず、水質が悪化する恐れがあります。
ボタ爺
水鉢から溢れるほど増えた場合は、株分けしたり適度に数を減らしたりするといいぞい。
出典:写真AC