ジュンサイ(蓴菜)とは?どこでとれるの?旬な時期や食べ方をご紹介!

ジュンサイ(蓴菜)とは?どこでとれるの?旬な時期や食べ方をご紹介!

ジュンサイは水生植物で、4月ごろから出回る秋田県の名産野菜です。ぬるぬるとした食感と、歯ごたえが魅力の食べ物です。ジュンサイの収穫方法は特徴的で、高級食材であるのもうなずけるでしょう。旬の季節や産地、食べ方などを紹介します。

記事の目次

  1. 1.「ジュンサイ」ってどんな植物?
  2. 2.ジュンサイの産地
  3. 3.ジュンサイの食べ方
  4. 4.秋田で開催「ジュンサイ祭り」
  5. 5.まとめ

「ジュンサイ」ってどんな植物?

Photo by aarongunnar

ジュンサイはスイレン科(ハゴロモモ科)、またはジュンサイ科に分類される水生植物です。ジュンサイは野菜の一種で、古くから食べ物として親しまれてきました。ジュンサイならではのぬるぬるとした食感と、しゃきしゃきとした歯ごたえはほかにはないものでしょう。

基本情報

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名称 ジュンサイ(蓴菜/純菜/順才)
学名 Brasenia schreberi
植物分類 ハゴロモモ科(ジュンサイ科)ジュンサイ属

名前の由来

ジュンサイのことを、昔は漢字一文字で「蓴(ぬなわ)」とあらわしていました。蓴は「沼縄」が縮まってできた言葉といわれています。ジュンサイが、沼底から何本も茎を縄のように伸ばす姿から、こう呼ばれるようになったのでしょう。やがて、この蓴の文字の後に、野菜の意味の「菜」がつけられ、「蓴菜(ジュンサイ)」となったといわれています。

旬の時期

ジュンサイの旬は初夏です。4月下旬から初物が出回り始め、夏の終わりの9月上旬まで市場に並びます。ジュンサイの収穫の最盛期は6月です。

ジュンサイの酢のものや三杯酢づけなどは、のど越しもよくさっぱりしていて、夏の暑さを忘れさせてくれるおいしさよね。

そうそう。お店などでジュンサイの酢のものが出ると、夏の訪れを感じるよね。

可食部は若芽

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ジュンサイの可食部は若芽です。ジュンサイの流通形態は、水漬けしたパックが一般的です。若芽だけで流通しているため、ジュンサイ全体の姿を見る機会は少ないでしょう。

確かにジュンサイの生え方は知らないな。確認してみよう!

生え方

葉は水上で茎と根は水中

Photo by aarongunnar

ジュンサイの生え方と似ているのが、同じ科に分類されるスイレンです。沼底に根を広げ、水上に向かって茎をのばします。茎が水上に顔を出したら、そこから楕円形の葉が展開します。根は泥底でどんどんと広がり、そこからいくつもの茎が水上に向かって伸びあがってくる様子はスイレンのようです。

沼底にあるジュンサイの根がどんどんと広がり、池をおおうほど広がるそうよ。「ジュンサイ池」などと呼ばれることもあるそう。

若芽はぬるぬるとしたゼリー質に包まれている

ジュンサイの若芽は水中にあり、透明なゼリー質に包まれています。このゼリー質が、あのぬるぬるとした独特の食感を作り出すのです。特に若芽は水質変化や外的刺激に弱く、それらから若芽を守るためにゼリー質があるといわれています。ジュンサイを食べ物として扱うのは、世界広しといえども日本と中国だけです。

ジュンサイってとても面白い生え方をしているのね。水中に出た若芽がジュンサイとは知らなかったわ。

あらためてジュンサイのことを知るととても興味深い食文化だよね。そういえば、ジュンサイはどこでとれるのかな?産地はどこだろう?

ジュンサイの産地

Photo byKanenori

ジュンサイは秋田県の名物です。秋田県の中でも白神山地の麓(ふもと)に広がる三種町(みたねちょう)が、おもな産地として有名です。秋田県では、日本で流通するジュンサイの9割を栽培しています。

国内で流通しているジュンサイの9割は中国産

ジュンサイは秋田県の名物ではありますが、国内の流通量に占める割合は1割程度です。国内で流通しているジュンサイのほとんどは中国からの輸入品で、国産のジュンサイは貴重で価値のあるものです。

収穫は手作業

ジュンサイは手作業で収穫されます。ジュンサイ池に浮かべられた小舟に人が乗り込み、水中に手を入れながら、茎から出できた若芽を一つひとつ手でつみとります。ぬめりがある小さな若芽を手で取るのは、熟練の技術が必要です。

この労力を考えると、ジュンサイが食べ物の中でも高級食材になるといわれるのもうなづけるわね。

ジュンサイは昔は日本各地の池で自生していたそうだよ。それが今では4県で絶滅種、21県で絶滅・準絶滅危惧種に指定されているそうだよ。

秋田県が豊かな自然を守り続けているからこそ、ジュンサイを名物として収穫できるのね。

秋田県はネバネバ食材が豊富

ぬめりのあるジュンサイをはじめとし、秋田県ではほかにも「ぎばさ(アカモク)」と呼ばれる、ねばねばとした海藻が名物です。ここに納豆やとろろ芋をあわせて食べることも多く、健康にいい食文化として注目を集めています。

そういえばジュンサイの食べ方といえば酢のものが一般的だけど、ほかにはどんな食べ方があるのかしら?

ジュンサイの食べ方

出典:写真AC

ジュンサイはさまざまな食べ方ができます。おいしく食べるには、正しい下ごしらえも覚えておきましょう。

下ごしらえ

生のジュンサイの下ごしらえ

  1. 水を張ったボールにジュンサイをいれる
  2. 水の中で軽くジュンサイを洗う
  3. ざるで水を切る(ぬめりが落ちてしまわないようにやさしく)
  4. 沸騰したお湯に水を切ったジュンサイをいれ、1~2分茹でる
  5. ジュンサイがきれいな緑色になったところで氷水につける
  6. ジュンサイが冷えたらざるにあけ、調理する

ジュンサイのシャキシャキの食感が失われてしまうから、茹ですぎには注意が必要だね。

水煮・酢漬けのジュンサイの下ごしらえ

  1. 容器からジュンサイをあけ、ざるで水を切る
  2. 酢漬けの酸味が気になる人はジュンサイの10倍量の水を張ったボールに移し、酢を抜く(30分以上おくとよい)
  3. 水を切って調理する
酸味がお好きな方は水を切ってそのまま調理してOKです。

食べ方①酢の物

ジュンサイの食べ方の中でも、ポピュラーなのが酢の物でしょう。キリリと冷えた三杯酢や酢にジュンサイを浮かべて食べます。ジュンサイのぬめりと酢の酸味の相性がよく、季節を感じるさわやかな一品です。

食べ方②お吸い物

ジュンサイは、お吸い物との相性もいいです。椀の中に浮かぶジュンサイは、見た目から涼やかさを感じさせてくれます。カツオと昆布でとった上品な一番だしとあわせるのがおすすめです。高級料亭などでは、ジュンサイのほかにも鱧(はも)や冬瓜といった季節の食材とあわせて提供されます。

食べ方③鍋

ジュンサイは、秋田県の名物郷土料理であるきりたんぽ鍋にも使われます。きりたんぽ鍋に使われる比内地鶏のスープは、コクと旨味が強いのが特徴です。ジュンサイのゼリー部分にスープがからんで絶品です。秋田を訪れた際は、ぜひ食べてみましょう。

沼や池がなくても鉢を使ってジュンサイが栽培できるそうだよ。詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。

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ジュンサイは鮮やかな緑が美しい水生植物で、「食べるエメラルド」ともいわれる珍しい食材でもあります。そんなジュンサイの育て方は、管理のコツさえわかれば簡単です。そこでジュンサイの植え付けから収穫までの育て方を、栽培管理のコツと一緒に紹介します。

秋田で開催「ジュンサイ祭り」

①流しジュンサイ

流しジュンサイ祭りは、秋田県で行われる人気イベントです。高級食材ジュンサイを惜しみなく使えるのは産地ならではですね。このイベントは毎年、初夏に開催され、多くの人で賑わいます。流れてくるぬるぬるしたジュンサイを掴むのは至難の業ですね。

②ジュンサイ摘み取り体験

摘み取り体験ができるジュンサイ農園もあります。時間制で小舟を借り、自分でジュンサイ池へ漕ぎ出します。ぬめりのある若芽の摘み取りの難しさは、体験してみてはじめてわかるものですね。摘み取ったジュンサイは持ち帰れますよ。

③世界ジュンサイ摘み取り大会

三種町が開催する世界大会です。ソロの部、ペアの部と開催され制限時間内にいくつのジュンサイを摘み取れるかを競い合います。こちらも収穫したジュンサイは持ち帰れます。

じゅんさいJAPAN
じゅんさいJAPANは全国のじゅんさい情報を集めた史上初のじゅんさいニュースサイトです。じゅんさいを食べられるお店や調理法、摘み取り体験やじゅんさいイベントをお届けします。三種町森岳じゅんさいの里活性化協議会が運営。

まとめ

自然豊かな白神山地がはぐくむ「ジュンサイ」は、年々栽培量が減少しています。一つひとつの若芽を人が手作業で収穫するのは大変な手間であるため、栽培に携わる人の数も減少の一途をたどっています。しかし、ジュンサイは季節を感じる野菜として、日本の食文化に欠かせない高級食材です。これからも日本の大切な食材として守り続けていきましょう。

ricebridgarden
ライター

ricebridgarden

庭いじり、家庭菜園、DIYが大好きな主婦です。庭にキジがきたり、近くにはムササビもいるような田舎に暮らしています。3歳の娘と一緒に庭づくりを楽しんでいます。

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