グズマニアは夏の雰囲気を感じさせる花として、またハリのある葉を鑑賞する観葉植物としても人気があります。赤やピンクなどに色づいているのは、花苞(かほう)と呼ばれる花やつぼみを守るための葉です。鮮やかな色が2〜3ヶ月楽しめますが、実際の花は花苞の中に咲きます。
園芸部類 | 観葉植物、鉢花 |
形態 | 常緑性多年草、着生植物、熱帯植物 |
樹高・草丈 | 15〜60cm |
花の色 | 黄色、オレンジ、ピンク、赤 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 開花期間が長い |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
グズマニアはパイナップル科の植物で、ブロメリアやネオレゲリア・チランジアの仲間でもあります。用土を必要としない着生植物で、自生地では他の植物に根付いて成長するのが特徴です。
グズマニアは、スペインの自然科学者であるアナスタシオ・グスマンにちなんで名付けられました。アナナスと呼ばれることもありますが、ヨーロッパではパイナップルをアナナスと呼ぶことに由来しています。
(観葉植物)グズマニア マグニフィカ 2.5号(1ポット)
参考価格: 670円
グズマニア・マグニフィカはやや小型の品種で、赤〜オレンジ系の花が長く楽しめます。観葉植物と寄せ植えにする場合は、ポリポットごと植え込んで根を乾かし気味に管理するとよいでしょう。
レア度 | ★☆☆ |
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サイズ | 2.5号ポリポット(直径7.5cm) |
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観葉植物 グズマニア 3本立ミックス 鉢植え
参考価格: 5,500円
グズマニアの3本立ちは、花色の異なる品種を1鉢に植え込んだものです。花茎が立ち上がる品種では、オレンジ色のグズマニア・オスタラや黄色のグズマニア・ヒルダなどがあります。
レア度 | ★☆☆ |
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サイズ | 横幅40〜45cm、高さ60cm |
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グズマニア・ディシティフローラ
イエローと赤のコントラストが目を引く、とてもレア品種のグズマニアです。ディシティフローラ・メジャーは扱いやすい小型の品種で、独特な形の花はスティックキャンディーにも例えられます。
レア度 | ★★★ |
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サイズ | 4.5号鉢(直径13.5cm)3本立ち |
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植え付け | 5〜9月 |
植え替え・株分けの時期 | 5〜6月 |
肥料 | 春と秋 |
花が咲く時期/開花時期 | 5月〜10月頃 |
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
植え付け 植え替え |
● | ● | ○ | ● | ○ | |||||||
開花 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||
肥料 | ● | ○ | ○ | ○ | ● | |||||||
成長期 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ○ | |||||
休眠期 | ● | ● | ● | ○ | ● | ● |
グズマニアの栽培適期は春から秋です。グズマニアは花の咲く時期がはっきりとは決まってはいませんが、例年5〜6月頃からきれいに色づいたグズマニアが園芸店やフラワーショップなどに並び始めます。植え付け・鉢替えは4〜9月、植え替え・株分けは5〜6月が最適です。
グズマニアの栽培方法は、地植えではなく鉢植えがおすすめです。グズマニアはプラスチック製の鉢に植わっていることが多いですが、通気性のよいテラコッタや素焼き鉢も最適です。鉢のサイズは大きすぎないほうが、根腐れを防いで管理しやすくなります。
グズマニアを育てる場所は室内で、生育適温は20〜30℃です。レースのカーテン越しに日が当たる、明るく暖かい場所で育てます。直射日光に当たると葉焼けしてしまいます。屋外でも育ちますが、雨の当たらない屋根下(軒下)の明るい日陰か、遮光率50%以上の遮光ネットを使いましょう。
グズマニアの用土は園芸用土や観葉植物の土ではなく、水苔かアク抜き済みのヤシガラチップ(ココナッツハスク)を使用します。着生植物は通気性をよく育てるのが重要なポイントです。
グズマニアの水やりは、他の植物とは違いがあります。成長期は筒状になった部分に水を溜めるようにします。タイミングは週に1〜2回程度を目安にして、古い水を入れ替えるようにたっぷり与えるのがポイントです。休眠期に向かう秋からは筒に水を溜めず、水やり後に鉢を傾けて水を出して、適度に湿った状態を保ちます。冬はごく控えめにするか、葉水にしてもよいでしょう。
グズマニアのような着生植物には、葉水(霧吹き)での水やりも効果的です。葉先が丸まってきたら、水切れのサインです。薄めた液体肥料や活力液を加えてスプレーすると、色ツヤがよくなりますよ。
グズマニアの肥料は液体肥料がおすすめですが、一般的な花の肥料も使えます。液体肥料は成長期の春から秋に、タイミングは10日に1回水やりのときに薄めた液体肥料を与えます。固形肥料は追肥(置肥)として春と秋に与えましょう。
グズマニアに気をつけたい害虫は、アブラムシ・カイガラムシ・スリップス(アザミウマ)です。スリップスはアブラムシなどと同じで、植物から吸汁する害虫です。殺虫殺菌剤をスプレーして、予防と対策をしましょう。
グズマニアに気をつけたい病気は、炭そ病と立ち枯れです。水苔やヤシガラを湿った状態にすると、カビやウイルスがつきやすくなります。風通しよく環境を整えましょう。
グズマニアの花後の管理として剪定をしましょう。花色が悪くなってきたら、株元から10cmぐらいの高さで切り取ります。グズマニアは一度咲いたところから次の花が咲くことはありません。そのまま観葉植物として楽しむか、子株を育てて花を咲かせましょう。
グズマニアの苗の選び方は、葉の色ツヤがよくハリがあるものを選びます。葉の裏に害虫や病気の発生がないことを、確認します。色の鮮やかな元気な株がおすすめです。
グズマニアの冬越しは、室温を10℃以上に保つのがポイントです。天気のよい昼間はレースのカーテン越しに日が当たるところに置きます。水やりは20℃以上のぬるい水で葉水にして、葉に湿度を与えましょう。
グズマニアの増やし方は、株の更新です。グズマニアは花を咲かせた後に子株を作ると、親株は枯れてしまいます。花後の剪定の後はそのまま観葉植物としてグリーンの葉を楽しむか、子株を出させてそれを植え付ける株の更新をします。子株を育てるのは4月中旬~9月が適期です。開花するのは株が成長するまでで、時間がかかります。
グズマニアの植え替えや株分けは、5〜6月が最適です。鉢替えは暖かい9月頃まで可能です。子株の植え付けも同様に行います。用意するものは株の大きさにあった鉢(テラコッタ鉢がおすすめ)・水苔またはヤシガラチップ(ココナッツハスク)・鉢底ネットです。鉢底石はなくても問題ありません。
出典:写真AC