園芸部類 | シダ、観葉植物 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 5cm~100cm |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 常緑性 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
アジアンタムという名前は、属名「ホウライシダ属(Adiantum)」からきています。Adiantumは「a(無)+dianotos(濡れる)」からなる「濡れない」という意味の合成語です。葉が水をはじく様子をあらわしています。
アジアンタムはシダ植物に分類され、繊細な葉がならんでつく姿が美しく人気の観葉植物です。世界の熱帯や温帯に約200種類のアジアンタムが生息しており、日本に自生している種類もあります。
アジアンタム・ラディアヌムは、約200種類あるアジアンタムのなかでも最も一般的に知られる品種です。アジアンタム・ラディアヌム種のなかでも、写真で紹介しているフラグランスという種類は、葉と葉の間隔がせまく密集してつく特徴があります。
アジアンタム・ピーコックは、新芽のまわりの葉が淡いピンク色で、成長するとほかのアジアンタムのような緑色になります。日光不足になると淡いピンク色がでないこともあるので、適度に日光にあてることが管理のポイントです。
アジアンタム・ぺルビアナムは、一般的なアジアンタムよりも葉が大きく、新しい葉の先端が淡いピンク色をしているのが特徴です。エクアドルやボリビアに自生しています。
アジアンタム・ミクロフィラムは、小さい葉が密集してふんわりした印象のが魅力の品種です。ほかのアジアンタムよりも乾燥に弱く、栽培の難易度もあがるといわれています。赤茶色の新芽が、紅葉するにつれて黄緑色に変化するのも特徴のひとつです。
アジアンタムを植え付ける時期は、5月~9月がよいでしょう。とくに生育期に入る5月~6月ごろがおすすめです。真夏に植え付ける場合、猛暑日はさけてください。
アジアンタムは鉢植えでも地植えでも育てられますが、乾燥に弱いので鉢植えの方が管理しやすいでしょう。地植えにする場合は、直射日光のあたらない半日陰に植え付けます。
アジアンタムは直射日光が苦手です。そのため、室内だと管理しやすいでしょう。置き場所はカーテン越しの窓辺などがおすすめです。屋外の場合は、直射日光があたらない明るい半日陰で管理します。また、寒さにも弱いので冬場は室内に取り込みましょう。
アジアンタムは乾燥や直射日光で葉が傷むので、鉢植えにして室内で管理するのがおすすめです。日光が不足すると葉色が薄くなってしまうため、半日陰のような明るい場所に置きましょう。また、エアコンの風が直接あたらないようにするのもポイントです。
アジアンタムは水はけのよいが適しています。市販されている観葉植物用土を使用してもよいでしょう。配合する場合は、赤玉土と腐葉土と川砂を5:3:2で混ぜ合わせます。地植えする場合は、植えつけの2週間前に腐葉土を混ぜ込んでおいてください。
アジアンタムは乾燥を嫌います。土が乾いてしまう前に水やりをしましょう。とくに夏場は乾燥しやすいので朝と夕方に水やりが必要です。また、葉は水を弾きやすいので霧吹きなどで葉水を与えてください。
アジアンタムは、春から秋にかけて生育期のあいだは定期的に肥料を与えましょう。液体肥料なら1週間~10日に1回、緩効性化成肥料なら2か月に1回与えてください。肥料が多すぎたり濃度が高すぎたりすると、根が傷んで枯れる原因にもなるので注意が必要です。冬場は成長がゆるやかになるので、肥料は必要ありません。
高湿度を好むアジアンタムにつきやすい害虫は、ナメクジやカタツムリなどです。新芽をたべてしまうので、見つけたら箸で取ったり、薬剤で駆除したりしましょう。
アジアンタムは立ち枯れ病にかかることがあります。立ち枯れ病は、カビが原因となって株を枯らしてしまう病気です。梅雨時期などに発生しやすいので、風通しのよい場所で管理しましょう。病気になっているのをみつけたらすぐにその部分を切り落としてください。
アジアンタムの苗は園芸店やホームセンター、通販でも入手できます。生育期の春~秋に入手するのがよいでしょう。苗を選ぶときは、葉色がよくしおれてないか、病害虫の被害がないかなどを確かめてください。
アジアンタムをずっと同じ鉢で育てていると根が回って根腐れしやすくなってしまいます。そのため、2年に1回のペースで植え替えをおこなってください。植え替えの適期は5月~9月頃ですが、真夏の猛暑日はさけましょう。株を鉢から取り出したら土を1/3ほどおとし、白い根をのこして黒くなっている根をとりのぞきます。植え替える鉢は、もとの鉢よりひと回り大きい鉢を使用してください。
枯れてしまった葉や弱っている葉は、適宜ハサミなどで根もとから切り落としてください。根がしっかりしていれば、葉を剪定して短い枝だけになってもまた新芽がでてきます。
アジアンタムは直射日光や乾燥が苦手です。そのため、夏の強い日光にあてないように明るい日陰で管理し、水やりは朝と夕方にたっぷり与えましょう。また、霧吹きでこまめに葉水をかけるのも湿度を保つのに効果的です。
アジアンタムは寒さに弱く、気温が8℃以下になると冬越しが難しくなります。あたたかい季節に屋外で管理している場合も、冬のあいだは室内に取り込むとよいでしょう。
アジアンタムは株分けで増やすことができます。植え替え時期に同時におこなうとよいでしょう。株を取り出したらハサミなどで数個に切って、土を少し落とします。切り分けた株をそれぞれ植え替えて、新芽がでるまで日陰で管理してください。土が乾燥しないようにしっかりと水やりをするのがポイントです。