マクワウリの育て方!摘心方法や収穫時期の見分け方などをご紹介!

マクワウリの育て方!摘心方法や収穫時期の見分け方などをご紹介!

マクワウリはメロンの仲間で、控えめな甘さとシャキッとした食感が特徴です。マクワウリはメロンの育て方と違い、完熟したものを収穫します。つまり家庭菜園向けの果物といえるのです。マクワウリの育て方や摘心方法、収穫時期の見分け方など詳しく説明します。

記事の目次

  1. 1.マクワウリとは
  2. 2.マクワウリの育て方
  3. 3.マクワウリが枯れる原因
  4. 4.まとめ

マクワウリとは

出典:写真AC

科名、属名 ウリ科キュウリ属
和名 ウリ、マクワウリ、アマウリ(甜瓜)、カラウリ(唐瓜)
英名 Oriental melon、Chinese melon
原産地 アフリカやインドなど諸説あり
収穫時期 7月中旬〜8月中旬

マクワウリの特徴

マクワウリは重さが300g〜1kgあります。丸型、俵型、扁平型など形はさまざまで、色は白、黄、緑、波型模様や溝のある種類など珍しい外観のものもあります。マクワウリの糖度は平均13度程度と、一般的なメロンの糖度16度に比べるとやや低めです。さっぱりした甘さと、みずみずしくシャキッとした食感が特徴です。熟した状態を収穫し、追熟は適しません。

マクワウリの歴史

出典:写真AC

日本でのマクワウリの歴史は古く、約2000年以上前に中国、朝鮮半島から伝わったとされます。かつては「ウリ」といえば「マクワウリ」を指し、庶民の食べ物として根付いていました。しかし、その後明治時代にヨーロッパから「西洋メロン」が伝わり、マクワウリの生産は減少します。

マクワウリ生産減少のきっかけ

マクワウリの生産が減少した一つのきっかけは「プリンスメロン」の登場です。プリンスメロンは西洋系メロンの一種「シャランテ」とマクワウリの一種「ニューメロン」の交配種です。マクワウリより甘く高級な西洋メロンが、プリンスメロンの登場により身近な果物となりました。そのためマクワウリの生産量は徐々に減り、現在では少し珍しい果物の一つとなっています。

西洋系メロンの品種

出典:写真AC

西洋系メロンはネットメロンとノーネットメロンの大きく二つに分けられます。つまり網目の有無です。ネットメロンの代表品種は「アンデスメロン」や「マスクメロン」などいわゆる高級メロンの品種で、ノーネットメロンは「プリンスメロン」や「きんしょう」などです。これらのメロンはいずれも「追熟」で甘さが調整できるため、マクワウリと違い早期に収穫ができます。

マクワウリの品種

黄金マクワ

  • 果皮は橙黄色で艶がある。
  • 俵型で果重400g程度。
  • 果肉は白く甘みが強い。
  • 生育旺盛で育てやすい。黄金マクワの代表的な品種「金太郎」は登録商標である。

銀泉マクワ

  • 黄色地に縦縞の銀白色の溝が特徴的。
  • 俵型で果重は400〜500g程度。
  • 果肉は白色。特有の香りとさっぱりとした甘さ。若採りし漬け物にすることも。
  • 韓国では「チャメ」と呼ばれる銀泉マクワに似た外観の、有名なマクワウリがある。

タイガーメロン

出典:写真AC

  • 外皮は黄色地に濃い緑色の縦縞があり楕円形。スイカに似ている。
  • 重さ350gほど。
  • 果肉は薄い緑色。熟した実はほんのりメロンの香り。みずみずしく優しい甘さ。
  • マクワウリと西洋メロンの交配種。名前に「メロン」と付くが、マクワウリの品種に分類されている。

マクワウリの育て方

出典:写真AC

植え付け 4月〜5月
生育適温 20〜30℃
場所 日なた
収穫 7月〜8月
連作障害 あり、3年以上あける

完熟したマクワウリは、西洋メロンにも劣らない甘さと風味があります。西洋メロンに比べて栽培も容易でたくさん収穫でき、家庭菜園向けの果物です。マクワウリの栽培手順を詳しく説明します。

育て方①栽培の準備

【用意するもの】

  • 苦土石灰
  • 腐葉土または完熟堆肥
  • 化成または有機肥料
  • マルチまたは敷き藁
  • マクワウリの苗(種)

植え付け2週間前の土壌作り

苗を植え付ける2週間前に苦土石灰を混ぜてよく耕します。1平方mあたり100〜150gが目安です。その後、植え付け1週間前に堆肥(1平方mあたり2〜3kg)と化成肥料(1平方mあたり100〜150g)を施し、畝を立てマルチをします。

ボタニ子

ボタニ子

マルチをすることで雑草予防、害虫予防、地温の安定に役立ちます。

育苗ポットで植え付けを手軽に

種まきは育苗ポットに行います。発芽適温は25℃〜30℃です。3月下旬〜5月上旬の暖かい室内で行いましょう。

【育苗の手順】

  1. 9mmのポリポットに種まき用の土を入れ、深さ1cmの穴を掘る。
  2. マクワウリの種を3粒まき、土を被せる。
  3. 発芽まで乾燥しないよう霧吹きで水やりをする。
  4. 1週間前後で発芽。本葉1〜2枚で一本間引き。
  5. 本葉2〜3枚で生育のよい苗を一本立ちにする。
  6. 本葉4〜5枚になれば畑に定植する。

ボタニ子

ボタニ子

家庭菜園なら苗を購入するのもおすすめ。本葉が4〜5枚で茎が太く、緑色の濃い苗を選びましょう。

育て方②植え付け

出典:写真AC

植え付け時期は4月下旬〜6月上旬です。生育適温は20℃〜30℃と高いため、気温の十分上がった日に行いましょう。畝に株間を75cm以上あけ、根鉢を崩さないよう植えます。そしてたっぷり水をやります。成長するとツルが長く伸びるので、伸びるほうのスペースを広く確保しておきましょう。

立体栽培(空中栽培)で管理しやすく

スペースの確保が困難、またはコンパクトに栽培したい場合は立体栽培(空中栽培)も可能です。支柱や紐に樹を誘引し、管理しやすい高さに仕立てます。摘心方法や肥料や水やりの方法などは、露地栽培と変わりありません。しかし空中栽培では落下防止のため、マクワウリはネットで吊るしておきましょう。

育て方③水やり

Photo byannawaldl

定植後1週間は根が活着するまで適宜水やりをします。その後は降雨のみでも十分栽培できますが、夏場は土の乾燥程度をみて水やりの管理をしましょう。

育て方④摘心方法

マクワウリは孫ヅルに着果するため、親ヅルは本葉が5〜6枚の頃に摘心します。子ヅルが20cm程度伸びた頃、生育のよい3〜4本を残して他は摘み取ります。各子ヅルの4節目までの孫ヅルはかき取り、各2〜3本ずつ孫ヅルをつけましょう。子ヅルは20節前後で摘心します。孫ヅルに一つ着果が確認できたら、葉を2〜3枚残して先端を摘心します。一本の子ヅルで10個前後の収穫を目指しましょう。

摘心後は新芽や脇目を取り過ぎると樹が弱るため、混み合わない程度に摘み取り、整枝しましょう。

育て方⑤交配と追肥

人工交配で結実させる

家庭菜園で確実に結実させて収穫するために、人工交配を行ってみましょう。雄花も雌花も黄色で、花の下がぷっくり膨らんでいる(子房)ものが雌花です。多くのウリ類ははじめは雄花ばかりが咲き、遅れて雌花が咲きます。

【人工受粉の手順とポイント】

  1. 晴天の早い時間に行う。
  2. 雄花の花弁を取り、雄しべを露出させる。
  3. 雄しべの花粉を雌花の雌しべに受粉させる。
受粉後45日前後で収穫できる大きさになります。

追肥のタイミングは二回

一度目の追肥は花が咲いた頃に行います。二度目の追肥は実が卵大になった頃にしましょう。いずれも化成肥料を規定量、株周辺に施します。

育て方⑥収穫時期

出典:写真AC

マクワウリは芳香のする完熟したものを収穫します。完熟の目安は、ツルの付け根周りにできる「離層」と呼ばれる輪です。離層ができると、軽く果実をひねるだけで簡単にツルから外れます。収穫のタイミングがずれると、実が崩れてしまうため注意しましょう。熟した実は豊潤な香りで甘く格別です。

マクワウリが枯れる原因

つる枯病

出典:写真AC

つる枯病は茎や葉、果実に発生します。特に茎に発生すると被害部位から先が枯れるため、大きな被害になりかねません。原因は多湿によるカビです。生育の後半や、果実のなり疲れで弱った頃に病気が進行します。また病原菌は土壌に残存し伝染源となるため、連作障害のきっかけになるのです。

つる枯病の予防対策

つる枯病は連作障害の一つなので、連作しないことも予防策です。また通気性、排水性のよい土壌で育て、水のやり過ぎに注意しましょう。

まとめ

出典:写真AC

完熟したマクワウリが食べられるのも、家庭菜園ならではです。大量収穫も可能で、コツがわかれば西洋メロンやスイカなどの栽培も同様にできます。ぜひチャレンジしてみましょう。

フジworks
ライター

フジworks

小さな花壇とバルコニーで、果樹の手入れや季節のガーデニングを楽しんでいます。一年中、草花と野菜栽培を楽しむため、花壇の手入れに試行錯誤しています。

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