レモンのおすすめの品種
インドが発祥国のレモンですが、中東やヨーロッパに伝わりそこから現在はアメリカ、スペイン、イタリアなどが主な生産国になっています。土壌にあった種類がうまれ栽培されているので種類も多くなりました。日本でも最近、広島や瀬戸内など国産レモンが注目されています。純粋レモン種を3つ、交雑種を2つご紹介しましょう。初心者向けの品種です。
リスボン(純粋レモン種)
レモンといえばリスボンという代表品種です。日本での地植え栽培も多く、広島や瀬戸内でも扱われています。ポルトガル原産で酸味が強く、100g~140gの果実がたくさんとれる品種です。耐寒性が強く、関東以南であれば家庭菜園での地植えができます。樹勢が強い品種ですので、環境があえば大樹になり、長いボールの形に似た果実がたくさん収穫できるでしょう。
ユーレカ
ユーレカはカリフォルニア沿岸地域原産のレモンです。リスボンに形が似ていますが、香りがよく果汁が多く果実が柔らかいのが特徴です。果実は110g~130gで種やトゲが少なめなので人気が上がってきました。耐寒性はリスボンよりも弱く、四季咲き性が強いです。果実は長細いボールの形や逆玉子型をしています。地植えでビニールハウス栽培されることが多いです。
ビアフランカ
ビラフランカとも呼ばれる品種でシチリアが原産国です。1921年に輸入されました。耐寒性は中程度です。果実の形はユーレカに似て、逆玉子形で大きくなります。100g~150gくらいです。トゲが少ないことから「トゲなしレモン」と呼ばれることもあります。収穫は遅めで冬になりますが、隔年結果しにくい品種なので、毎年安定した収穫をのぞめるでしょう。
璃の香(交雑種)
璃の香(りのか)は日本原産で、リスボンとヒュウガナツの交雑種です。リスボン由来の豊産性とヒュウガナツの特徴である大型種のよいところどりで200g前後まで育ちます。2015年に誕生したレモンで、酸味や香りは控えめで外皮の苦みが少ないのが特徴です。さらに、レモンに発症しやすいカイヨウ病に強い品種として注目されています。
マイヤー
マイヤーは1908年に中国で発見されたレモンです。レモンとオレンジ、もしくはマンダリンが自然交雑したものとみられています。現在ニュージーランドからの輸入が主とされていますが、日本でも栽培が可能です。完熟はオレンジ由来の糖度の高さと香りのよさ、果汁の多さを堪能できます。グリーンレモンは酸味を楽しめますし、丸い実は観賞用にもなるでしょう。
レモンがかかりやすい病害虫
病気
柑橘類の病気として厄介なのがカイヨウ病です。多湿が原因とされ、梅雨や台風のあとに多発します。また風が強い地域でも多く見られるのは、レモン自身のトゲが、葉や茎、果実を傷つけるのが原因です。黒点病は地中にいる細菌が雨で跳ね返った土に付着し、茎や葉に移ることで発症します。病気にかかった葉はすぐにとりのぞき、落ちた葉も残さず掃除してください。
害虫
害虫はアゲハ蝶の幼虫、カミキリムシ、カイガラムシなどです。アゲハ蝶はきれいなのでつい育ててみたくなりますが、大食漢で葉をほとんど食べつくされますのでお引き取り願いましょう。カミキリムシは茎の下5cmほどのところに穴が開きますのですぐわかります。カイガラムシは見つけしだい歯ブラシなどでこそげ落として除去するのを何度か繰り返してください。
まとめ
地植えレモンの育て方やお手入れ方法をご紹介しました。1年中スーパーで手に入るレモンですが、ほとんどが輸入ものです。家庭菜園で1本、樹を育てれば農薬を使っていない皮まで安心して食べられるレモンを収穫できますし、間引きした青くて小さいレモンも楽しめます。樹で完熟させたレモンは甘く、また違った味わいです。ぜひ、挑戦してください。