スミチオン乳剤の効果的な使い方
効果的な使い方①準備
スミチオン乳剤を使用するにあたり、必要なものをご紹介します。農薬の散布は自分自身と周囲の安全に十分配慮して行いましょう。
スミチオン乳剤散布時に用意するもの
- スミチオン乳剤
- 希釈するための水
- 手袋
- マスク
- 長袖の服(水分を通さないものが望ましい)
- 長ズボン(水分を通さないものが望ましい)
- 長靴
- ゴーグル
効果的な使い方②適切に希釈しよく混ぜる
農薬ラベルをよく読み、自分が散布したい作物の欄に記載してある希釈倍率どおりに薬剤を薄めます。このとき薬剤にムラができないようよく混ぜるようにしましょう。希釈倍率は必ずラベルに書かれたものを守ってください。異なる倍率で使用した場合、作物に薬害が出たり残留してしまったりする可能性があります。
効果的な使い方③降雨直前は避ける
散布液の流亡を防ぐため、降雨直前は農薬の散布は控えた方がよいでしょう。散布後に薬剤が完全に乾燥してしまえば、その後雨が降っても効果にはさほど影響はありません。
効果的な使い方④葉裏までしっかり噴霧する
害虫は降雨などで流されないようにするため、葉裏に付着していることも多くあります。葉の裏側や枝の混み合ったところにもしっかり薬剤がかかるようにすることが大切です。薬剤を細かい霧状にして吹き付けられるような道具を持っておくと便利でしょう。
おすすめの噴霧器①電動じょうろ
充電式の電動じょうろは、ベランダなどの狭いスペースで家庭菜園を楽しんでいる人の農薬散布におすすめしたいグッズです。液体を細かな霧状にできるので、大切な作物のすみずみまで吹きかけられます。
おすすめの噴霧器②背負い動噴
広い面積で栽培を楽しんでいる方には背負い式の噴霧器をおすすめします。中でも充電式はガソリン式と比べて本体重量が軽く、蓄圧式のように手動でポンプを上下させる手間もいらないので大変便利です。音も静かで近隣にも気兼ねなく使えます。
ボタニ子
次は、ゴキブリ用スミチオンとの違いについてご紹介します。
スミチオン乳剤とゴキブリ駆除用スミチオンの違い
これまで農業用殺虫剤としてのスミチオンの効果や使い方についてご説明してきましたが、スミチオンにはゴキブリ駆除を目的とした家庭用殺虫剤として使用できるタイプも存在します。どちらも同じ有効成分フェニトロチオンを含むため同じように使用していいと思いがちですが、きちんと使い分けることが重要です。両者の違いについてご説明します。
ゴキブリ用との違い①想定されている害虫
農業用とゴキブリ用の大きな違いのひとつが、駆除対象の害虫です。農業用は農作物に被害を与えるさまざまな害虫に効くよう有効成分濃度や希釈倍率が決められているのに対し、ゴキブリ用のスミチオンはゴキブリの性質や体の大きさにあわせて作られています。
ゴキブリ用との違い②使用場面
農業用とゴキブリ用では、使用が想定される場面も全く異なります。農業用殺虫剤は屋外での散布を前提として作られている上、薬害が起きたり作物に残留しないように計算されて作られている薬剤です。一方ゴキブリ用は、ゴキブリの通り道などに散布して長期間残留させ、散布場所を通過したときにゴキブリ皮膚から吸収されるよう作られています。
まとめ
スミチオン乳剤は、さまざまな作物に使用でき幅広い害虫に作用します。上手に活用して、より一層家庭菜園を楽しんでみませんか。スミチオン乳剤を使用する際には、適切な服装をし用法・用量を守って散布しましょう。細かい霧にして吹きかけられる道具を持っていると隅々まで薬剤をいきわたらせることができるのでおすすめです。
出典:写真AC