ほうれん草について
ほうれん草はヒユ科の植物で、イラクやイラン、トルコをはじめとする中央アジアが原産地です。品種では、葉が大きく丸みを帯びている西洋種と、葉先がとがって波状の葉型をしている東洋種があります。ほうれん草は冬の寒さから身を守ろうと、デンプンを糖へ変える性質を持っています。高温と強い光が苦手です。
ほうれん草を日持ちさせる方法
冷蔵保存
- ほうれん草の根元を少し濡らし、新聞紙などで包む
- 根を下にし、立てかけるような状態で冷蔵庫に入れる
冷凍保存
- ほうれん草を洗い、沸騰した湯に入れる
- 湯色が薄緑色に変わったら取り出し、水の入ったボウルにつける
- 水気を切り適度な大きさに切る
- 保存袋に入れ冷凍庫に入れる
ボタニ子
生の状態で冷蔵保存する方法もありますが、シュウ酸を大量に含んだ状態で保存するため、おすすめできません。
ペーストにして冷凍保存もできる
- ほうれん草を下茹する
- 水につけた後、水気を取り適度な大きさに切る
- フードプロセッサーまたはミキサーにほうれん草とオリーブ油を入れ、かくはんする(松の実を入れると風味がよくなる)
- 消毒した瓶に入れ冷蔵庫で保存する
ボタニ子
ペーストを冷凍保存する場合は、ジッパーつきの袋に入れ密封しましょう。
ほうれん草の日持ちレシピ(副菜5選)
ほうれん草のおひたし
ほうれん草の常備菜の定番といえば、ほうれん草のおひたしです。「おひたし」とは、だしと醤油をあわせた調味液に野菜を浸した調理法をいいます。ほうれん草を下茹でするとき、レンジを使うと栄養素の減少を抑えられます。作り置きしておけば、冷蔵庫で5日間保存できますが、お弁当のおかずとして入れる場合、傷みやすい夏は注意しましょう。
材料(4人分)
- ほうれん草:4束
- 醤油:大さじ1
- 粉末だし:小さじ1/2
- 酒:大さじ2
- 砂糖:大さじ2
- 鰹節:適量
作り方
- ほうれん草を下茹でし、水分を切って適度な大きさに切る
- ボウルに砂糖、醤油、酒、粉末だしを入れる
- ほうれん草を加え和える
ボタニ子
レンジを使う場合、ほうれん草に水分を十分に含ませてから、ラップで包むようにしましょう。
ほうれん草のナムル
「ナムル」とは、韓国の家庭料理で、「ごま油を使った和え物」という意味です。韓国では、王朝時代からご飯のおかず(パンチャン)として欠かせない副菜です。さまざまな種類があり、短時間で簡単に調理できます。日本のおひたしや和え物同様、常備菜として作り置きしておくと、お弁当のおかずとして利用できます。冷蔵庫で4~5日保存可能です。
材料(4人分)
- ほうれん草:1袋
- ごま油:大さじ2
- 塩:少々
- 煎り胡麻:適量
作り方
- ほうれん草を洗い、下茹でをする
- 水分を取り、適度な大きさに切った後、ごま油と煎り胡麻を加えて和える
- 塩を少々加えて味を調える
ほうれん草の白和え
白和えは、豆腐を崩して野菜に和えた料理です。白和えの歴史は江戸時代までさかのぼります。仏教の教えを基にした精進料理では、刺身の代わりに出されます。低カロリーで上品な料理である白和えは、豆腐の水気をしっかりと取ることが、おいしさと保存のポイントです。地方によってさまざまな味付けがあり、賞味期限は冷蔵庫で5日間保存できます。
材料(4人分)
- ほうれん草:1/2袋
- にんじん:1/2本
- 絹こし豆腐:150g
- だし:大さじ1
- 白煎り胡麻:少々
作り方
- 絹こし豆腐をキッチンペーパーに包み、レンジで2分加熱して水気を切る
- ほうれん草を下茹でし、水気を切って適度な大きさに切る
- にんじんは千切りにし、下茹でしておく
- ボウルに豆腐、だし、煎り胡麻を入れ、豆腐をすりつぶしながら混ぜる
- 水気を切ったにんじん、ほうれん草を加えよく混ぜる
ほうれん草のソテー
「ソテー」とは、フランス語で「素材をバターや油で炒めた料理」という意味です。ほうれん草は加熱すると、エグミ成分であるシュウ酸を除去できますが、茹でると同時に水溶性ビタミン類が抜け出てしまいます。しかし、炒める調理法に変えると、シュウ酸だけが除去でき、水溶性ビタミンも、生のほうれん草のときと、ほぼ同じ状態で保持できます。賞味期限は冷蔵庫で3日間です。
材料(4人分)
- ほうれん草:1袋
- ベーコン:4枚
- バター:適量
- 塩コショウ:少々
作り方
- ほうれん草を洗い、適度な大きさに切る
- 熱したフライパンにバターを入れ、ベーコンを加え炒める
- ほうれん草を加え、葉がしんなりするまで炒める
- 塩コショウで味を調える
ボタニ子
作り置きしておくと、お弁当のおかずに便利です。
ほうれん草のポタージュ
寒い冬に飲みたいポタージュ。「ポタージュ」とは、フランス語で「とろみのある汁物」という意味です。スープには2つのレシピがあります。1つ目は、透き通った色をしているコンソメスープ、もう1つが、とろみのある濁ったポタージュスープです。ポタージュスープは常備菜として作り置きができ、冷蔵庫で3日間、冷凍保存では3ヵ月と長く保てます。
材料(4人分)
- ほうれん草:1袋
- タマネギ:1個
- 牛乳:400cc
- チキンブイヨン:1個
- 塩:少々
作り方
- ほうれん草を洗い、下茹でをして、適度な大きさに切る
- タマネギを半月切りにする
- 熱したフライパンに油を入れ、タマネギを入れてしんなりするまで炒める
- タマネギの熱がとれたら、ほうれん草と一緒にミキサーに入れかくはんする
- かくはんした液を鍋に戻し、チキンブイヨンの素と牛乳を半分加える
- 弱火で温めながら、残り半分の牛乳を加える
ボタニ子
冷凍保存したポタージュを解凍するときは、レンジなどで再加熱をしましょう。
出典:写真AC