アイビーが枯れる原因と復活方法【⑤~⑧】
⑤根詰まり
葉が黄色く変色し新たにツルや葉が出なくなったときは根詰まりを起こしている場合が多いです。長い間同じサイズの植木鉢に植えたままにしていると根は鉢いっぱいに広がり、やがて行き場を失い水や養分を吸収できなくなって成長が止まります。鉢底から根がはみ出したり土表面から根が出てきたりするのも根詰まりのサインです。ひどい場合は鉢が割れてくることもあり注意が必要です。
復活方法
根詰まりから復活させる方法は簡単で、一回り大きめの植木鉢に植え替えるだけです。株全体に栄養を行き渡らせるためにも、黄色や茶色に変色した葉、カサカサになった葉やツル、黒ずんだり枯れたりしている根は切り落としましょう。スムーズな復活のためにも、鉢だけでなく土も入れ替えることをおすすめします。根が落ち着くまでは明るい半日陰で管理してください。
⑥病気
アイビーは基本的に病気にかかりにくい植物ですが、ときおり立ち枯れ病や炭疽病などにかかり枯れることがあります。立ち枯れ病とは地面に接している部分の根が腐り生育不良を起こし、やがて茎が茶色くなりツルがふにゃふにゃになって株ごと倒れる病気です。炭疽病とは葉やツルに灰色や褐色の斑点ができる病気で、進行するとまだら模様が大きくなり徐々に発病部が枯れていきます。
ボタニ子
ボタ爺
病気は進行すると治りにくく枯れやすくなるから早期発見が大切じゃぞ!
復活方法
立ち枯れ病や炭疽病を見つけたら、まずは症状が出ている葉や茎を切り落としましょう。土中で菌が増殖し周りに被害をもたらすこともあるので、土や鉢底石は廃棄して植木鉢は消毒します。カットする際に使うハサミは使用前後に消毒してください。清潔な土に植え替えて明るい半日陰で管理し様子を見ましょう。さらに殺菌剤を使用することで、菌の増殖を抑制し新たな病気予防もできます。
ボタニ子
病気が進行した株をそのままにしておくと、周りに置いているほかの植物にも病気が広がることがあるよ!気を付けてね!
⑦害虫
アイビーには虫がつきにくいですが、ハダニやアブラムシが原因で枯れることがあります。どちらも吸汁加害や病気の媒介をする厄介な害虫で、すぐに増殖するため早めの捕殺が大切です。吸汁加害を受けると茶色や黄色に変色しやがて落葉します。アブラムシは1~2mmほどと比較的大きく見つけやすいですが、ハダニは0.5mmほどと小さく見落としがちなので気を付けましょう。
復活方法
被害が少ない段階であれば、アブラムシもハダニも取り除けば復活できます。1匹でも残っているとまた増殖してしまうので、葉の裏や枝の下などもしっかり観察して取り除きましょう。増殖してしまったときは1匹ずつの捕殺は難しく、薬剤散布で除去することをおすすめします。
⑧植え替えの失敗
植え替えの失敗もアイビーが枯れる原因になり、特に根の扱い方に注意が必要です。ある程度育っていれば根を切り詰めても問題ないのですが、残す根には傷をつけないように気を付けましょう。傷があるとそこから菌が入り株が弱ったり枯れたりする原因になります。また根を切り詰めると養分や水分の吸収力が落ちるため、地上部も根にあわせて剪定してください。
復活方法
植え替えの際に根だけを切り詰めて地上部をそのままにしている場合は、地上部を剪定することで復活できます。根の残し具合にもよりますが、ツルの長さを短くし葉数を減らすと復活しやすいです。残された根だけで株全体に栄養や水分が行き渡る程度に剪定しましょう。ただし根に傷が入り病気などが広がっている状態からは残念ながら復活できません。
アイビーが枯れる原因と復活方法【⑨~⑫】
⑨乾燥が強すぎた
アイビーは乾燥に強く丈夫ですが、乾燥が強すぎると枯れることがあるため気を付けましょう。特に葉がよく茂っているアイビーは葉からの水の蒸散が多く乾燥しやすいです。症状としては葉がカサカサする、落葉が多い、葉先が茶色く変色するなどが挙げられます。乾燥が強くなる気温の高い夏や乾燥しやすい冬場は特に注意が必要です。
復活方法
症状が軽い場合は、軽めに剪定して葉数を減らし葉水して様子を見ましょう。落葉が多くツルに葉があまり残っていない状態になっているときは、元気な葉がついている部分でばっさりと切り戻してください。あとは通常通りの管理方法で大丈夫です。屋外であれば風の強く当たる場所、室内であればクーラーやヒーターの風が直接当たらない場所に置いて復活を待ちましょう。
⑩霜に当てた
アイビーは寒さに強く0℃以上あれば問題なく冬越しできますが、霜には弱く枯れる原因になります。霜に当たると葉や根が凍り植物の細胞を破壊するため、気温が上がっても細胞がうまく働けず成長できずに枯れてしまいます。軽い霜であっても葉や根の表面を傷つけることもあり枯れる可能性は高いです。屋外で育てている場合は気温が下がる前に室内に移動させると安心です。
復活方法
軽い霜に当ててしまった場合はすぐに室内に取り入れます。急激な温度変化はダメージが強いので、まずは玄関など比較的気温が低い場所に置きましょう。室内の温度に慣れたら枯れた葉やふにゃふにゃした葉を取り除きます。全体的に葉数が残らないようであれば、株元の元気な葉がついている部分まで切り戻してください。あとは窓際など室内の明るい場所で管理し様子を見ましょう。
ボタニ子
強い霜に当てたり長く霜に当てたりした場合は細胞が壊死している可能性が高くて復活させるのは難しいかも。早い段階での対処が大事だね。
⑪ツルを伸ばし過ぎた
アイビーはツルが伸びる様子が愛らしい植物ですが、ツルを伸ばし過ぎると枯れることもあり注意が必要です。勢いよくツルが伸びている場合は問題ありませんが、ツルの先が茶色く変色している、葉数が減った、葉が小さすぎるような症状がみられたときは枯れる一歩手前のサインです。植木鉢の大きさにあったツルの長さになるように管理しましょう。
復活方法
枯れた原因がツルの伸びにあるときは切り戻すことで復活できます。根元の元気な部分を残して葉付きが悪くなっている箇所からばっさり切り落としましょう。数週間で切った部分から新芽がでてきます。葉付きがよくツルも伸びすぎているようであれば好みの長さで切り戻すことで、栄養が行き渡りやすくなり成長がよくなります。
⑫水栽培の失敗
アイビーは水挿しやハイドロカルチャーなど水栽培で手軽に育てられますが、やり方を間違い枯らしてしまう方も意外と多いです。水栽培の失敗で多いのは誤った水やりによる根腐れと乾燥のしすぎです。水栽培のやり方をきちんと理解し適度な水やりを心がけましょう。症状としては水が多すぎると葉はふにゃふにゃに、乾燥しすぎるとカサカサになることが多いです。
ボタニ子
水挿しの場合ある程度まで育つと成長が止まるんだって。大きく育てたければハイドロカルチャーや土に植え替えるのがいいみたいだよ!
復活方法
根腐れも乾燥も進行が進むと復活できなくなるため早めの対処が大切です。根腐れが原因の場合は、容器から株を優しく引き抜き黒ずんでいるなど根腐れの症状が見られる根を切り落としましょう。容器は洗って消毒し、清潔な水やハイドロボールを入れて様子をみてください。水不足による乾燥が原因の場合は、根が水についているか確認し水位を調整しましょう。
ボタ爺
いずれも根が弱っている可能性が高いから、直射日光など強い刺激は与えないように注意じゃ。
ボタニ子
次はアイビーを枯れることなく育てるための管理方法について説明していくよ!
アイビーはとっても丈夫だから、環境を整え管理方法を間違わなければほとんどの病気は防げるよ!