サラセニアの種類は?
サラセニアの原種は8種知られており、色、形、模様が異なり、それぞれ違った魅力があります。各種に亜種、変種が含まれ、種によって変化に富むのが魅力です。また、それぞれの原種は自生地が重なっているものも多く、自然交雑種も多数確認されています。人工交配もさほど難しくなく、さまざまな交配種も生み出されており、バラエティー豊かな品種が見られます。
原種①サラセニア・アラタ
アラタの特徴
サラセニア・アラタ(アラータ)は筒状の葉が垂直に立ち上がり、筒と蓋の間のくびれが少なく、葉の色は黄緑色が多いのが特徴です。なかには赤色の筋が入るこたいもあります。サラセニアのなかでは中型種で、葉丈は50cm〜100cmほどです。アラタという名前には「翼状部のある」という意味があります。
アラタの変種
変種はアラタ、アトロルブラ、クプレア、ニグロプルプレア、オルタナ、ルブリオペルクラタが知られます。
アラタの基本情報
学名 | Sarracenia alata |
和名 | ウスギヘイシソウ |
原産地 | 北アメリカテキサス州、ルイジアナ州、ミシシッピ州、アラバマ州 |
原種②サラセニア・フラヴァ
フラブァの特徴
サラセニア・フラヴァはサラセニアの中で一番大型の種で、丈が120cmまで成長するものもあります。筒型の葉は垂直に伸び、筒の形は逆三角形になっています。蓋は大きく、蓋と筒の間がしっかりくびれていて、筒の口はとがり立派な形をしています。フラヴァという名前は「黄色の」という意味で、春に黄色の花を咲かせることに因みます。葉の色は黄緑色、赤色、紫などがあり、蓋が黄色で筒が赤色のものもあります。
フラブァの変種
フラヴァの変種はフラヴァ、アトロプルプレア、クプレア、マキシマ、オルタナ、ルブリコルプラ、ルゲリーが含まれます。
フラブァの基本情報
学名 | Sarracenia flava |
和名 | キバナヘイシソウ |
原産地 | アラバマ州、フロリダ州、ジョージア州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、バージニア州 |
原種③サラセニア・レウコフィラ
レウコウフィラの特徴
サラセニア・レウコフィラは和名をアミメヘイシソウといいます。筒型の葉は垂直に伸び、葉の色は下のほうは黄緑色で上に向かって白またはピンクになり、網目模様の葉脈が入り、美しい品種です。脈の入り方には個体ごとに変異があり、鑑賞価値が高く、フラワーアレンジにもよく用いられいます。秋葉がきれいに紅葉するのも特徴です。蓋の淵も波打ちフリル状になっており、女性的な美しさがあります。レウコフィラという名前は「白い歯の」という意味です。
レウコフィラの基本情報
学名 | Sarracenia leucophylla |
和名 | アミメヘイシソウ |
原産地 | ミシシッピー州、アラバマ州、フロリダ州、ジョージア州 |
原種④サラセニア・オレオフィラ
オレオフィラの特徴
サラセニア・オレオフィラは山岳地帯の湿地に自生するサラセニアで、分布域が少なく、絶滅が危惧されている希少種です。葉丈は70cmほどで、色や形はフラブァに似ており、黄緑色、赤色、紫色の葉の色に赤い脈が入ります。特徴はフラヴァと比べて蓋が膨らみ、蓋のくびれが少なく、蓋の先端の突起が短く、夏に出る剣葉が短く地面に沿うように曲がって生えます。オレオフィラという名前は「山地帯の」という意味があります。
オレオフィラの変種
変種にはオレオフィラ、オルタナがあります。
オレオフィラの基本情報
学名 | Sarracenia oreophila |
和名 | - |
原産地 | アラバマ州、ジョージア州、ノースカロライナ州の山岳地帯 |
原種⑤サラセニア・ミノール
ミノールの特徴
サラセニアミノールは和名をコウツボソウといいます。サラセニア・ミノールは筒と蓋の区別がなく、筒の先がそのまま杖の様に曲がった、変わった形をしているのが特徴です。葉は垂直に伸びます。比較的小型のサラセニアで、丈は20cm〜60cmほどです。色は黄緑が多く、模様も入らないものが多いです。ミノールという名前は「より小さな」という意味です。
ミノールの変種
変種はオキフェノキエンシスが知られています。
ミノールの基本情報
学名 | Sarracenia minor |
和名 | コヘイシソウ |
原産地 | フロリダ州、ジョージア州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州 |
原種⑥サラセニア・プシタシナ
プシタシナの特徴
サラセニア・プシタシナは葉が直立せず、ロゼット状に斜めに生えるのが特徴です。ミノールのように、筒と蓋が繋がって杖のように曲がった形をしており、蓋の先端が丸く膨らみます。丈は7cm〜20cmほどです。葉の色は初めは黄緑ですが、生育に従い赤色に変化します。秋には全体的に赤く紅葉します。プシタシナシナという名前は「オウムのような」という意味です。
プシタシナの変種
変種にプシタシナ、ミノール、オキフェノキエンシスがあります。
プシタシナの基本情報
学名 | Sarracenia psittacina |
和名 | ヒメヘイシソウ |
原産地 | ジョージア州、アラバマ州、ミシシッピ州、ルイジアナ州 |
原種⑦サラセニア・プルプレア
プルプレアの特徴
サラセニア・プルプレアは和名をムラサキヘイシソウといいます。ロゼット状のサラセニアでプシタシナに似ていますが、蓋が筒の口を覆わず立ち上がっているのが特徴です。筒は太く、真ん中が膨らんでずんぐりむっくりしています。プルプレアが、お酒入れる瓶子の形に一番近いものがあります。葉の色は黄緑色で、赤い脈が網目状に入ります。プルプレアという名前は「紫色の」という意味で、全体的に紫色をしていることにちなみます。
プルプレアの亜種、変種
プルプレアは亜種プルプレアと亜種ベノーサに分かれ、亜種ベノーサには変種モンタナ、バーキーがあります。亜種プルプレアは耐寒性があり、秋の紅葉が美しいですが、夏の暑さに弱く栽培しにくいため、あまり出回らなくなりました。亜種ベノーサは栽培しやすく、蓋のフリルのボリュームもあり、見応えするためよく出回っています。
プルプレアの基本情報
学名 | Sarracenia purpurea |
和名 | ムラサキヘイシソウ |
原産地 | ニュージャージー州、メリーランド州、デラウェア州、バージニア州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、ジョージア州 |
原種⑧サラセニア・ルブラ
ルブラの特徴
サラセニア・ルブラは和名をアカバナヘイシソウといい、赤い花を咲かせます。小型のサラセニアで、筒が細く蓋も細長い形状で、他の種よりも密生して生えるのが特徴です。葉の色は黄緑色や赤色で、赤い脈が網目状に入ります。ルブラという名前は「赤い」という意味です。
ルブラの亜種
ルブラの亜種には、ルブラ、アラバメンシス、ウェリー、ガルフェンシス、ジョネシーが含まれます。アラバメンシスとジョネシーは絶滅の危惧があるとされ、ワシントン条約のリストⅠに指定されています。
さまざまな交配種
サラセニアは種間の交配が比較的簡単なことから、自然交雑種も多く、また、古くから人工的にさまざまな交配種が作られてきました。原種同士の掛け合わせだけでなく、交配種同士の掛け合わせも行われており、たくさんの品種が生み出されています。いくつかの交配種を紹介します。
「スカーレットベル」
プシタシナ系の交配種で、紅葉が美しい品種です。とても丈夫で育てやすいのも特徴です。
「ミッチェリアナ」
レウコフィラとプルプレアの交配種です。
「サラセニアファーンハミーハイブリッド」
ルブラとレウコフィラの交配種に別の品種をかけあわせたものです。
まとめ
いかがだったでしょうか?ここでは、サラセニアの植物としての特徴や食虫植物としての捕虫方法、名前の由来、種類などを紹介しました。ひとことでサラセニアといっても、品種ごとに違った魅力があることがわかりました。こちらを参考にお好みのサラセニアを見つけてみてくださいね!
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