ニュージーランドやオーストラリアが原産のギョリュウバイは、細い枝をいくつも伸ばしながら成長する植物です。常緑性で、葉が密につく性質を利用して、庭の生垣にも利用されています。
園芸部類 | 庭木、低木 |
形態 | 常緑性 |
樹高・草丈 | 1m〜3m |
花の色 | 赤、白、ピンク |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 生垣、シンボルツリー、寄せ植え |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ギョリュウバイは、樹高が1m〜3mほどまで成長する常緑低木です。開花時期が長く、赤色や白色のかわいらしい花を次々と咲かせます。生垣やシンボルツリーとして利用するだけでなく、鉢植えにして小さく剪定すれば盆栽としても育てられる品種です。
ギョリュウバイは「御柳(ギョリュウ)」という中国原産の木に樹形が似ており、梅のような花を咲かせるため「御柳梅(ギョリュウバイ)」と名付けられました。また、花の蜜がマヌカハニーの原料にもなっているため「マヌカの木」とも呼ばれている植物です。
植え付けの時期 | 4月〜6月 |
植え替えの時期 | 4月〜5月 |
追肥の時期 | 4月〜5月、9月〜10月 |
剪定の時期 | 6月〜7月 |
花が咲く時期/開花時期 | 11月〜5月 |
ギョリュウバイは地植えでも鉢植えでも育てられます。地植えにする場合は、西日が強く当たる場所は避けてください。鉢植えにする場合は、根が深くまで成長するので、高さのある鉢を使用するのがポイントです。さらに鉢底ネットと鉢底石を使用して、水はけのよい環境をつくっておきましょう。
ギョリュウバイは日当たりと風通しのよい場所で育てましょう。日当たりが悪いと枝だけが間延びして、花付きが悪くなってしまいます。鉢植えにして室内で盆栽として育てる場合でも、窓辺など日当たりのよい場所を選んでください。
ギョリュウバイは排水性の高い用土を使用して育ててください。園芸店やホームセンターで市販されている「草花用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜ込んだ用土に、少量の川砂を加えた用土を使用します。地植えにする場所の水はけが悪いようならば、ピートモスをよく混ぜ込んでから植え付けましょう。
ギョリュウバイを地植えで育てている場合は雨水のみで十分なため、水やりの必要はありません。しかし、雨が全く降らず地面が乾燥しすぎているようならば様子を見ながら水を与えてください。鉢植えの場合は、土の表面が乾いてから、鉢底から水が流れ出る程度にたっぷりと水を与えます。多湿を防ぐために、受け皿に溜まった水はすぐに捨てましょう。
ギョリュウバイは肥料を与えなくても育ちます。しかし、花付きが悪かったり、成長が滞ったりしている場合は、3月〜4月と9月〜10月にかけて緩効性の化成肥料を施しても構いません。
ギョリュウバイは害虫被害を受けにくいので、初心者にも育てやすい植物です。
ギョリュウバイは丈夫な植物のため、とくにかかりやすい病気はありません。しかし、風通しの悪い場所で育てたり、剪定を怠ったりすると病気にかかりやすくなるので注意しましょう。
ギョリュウバイは花芽を次々とつけるため、咲き終わった花がらはすぐに摘み取るようにしましょう。花後に花がらを放置すると、カビが発生しやすくなります。
ギョリュウバイは、ほとんどが苗木の状態で販売されています。生垣に使用する場合は、葉が密に生い茂っている苗木を選びましょう。葉が黄色く変色していたり、葉の数が少なすぎたりする苗木はおすすめできません。
ギョリュウバイは根の成長が早いので、根詰まりを防ぐためにも鉢植えの場合は毎年植え替えが必要です。根を傷つけないように丁寧に鉢から取り出し、根についている古い用土を落としていきます。ひと回り大きな鉢を準備して、新しい用土を入れてから植え替えましょう。完全に根付くまでは、水切れを起こさないように管理してください。
ギョリュウバイは枝が多く、放任で育てると株の内側まで日が当たらず光合成ができなくなります。そのため、定期的にすかし剪定をしながら育てるのがポイントです。ギョリュウバイは夏に花芽をつける性質があるので、開花が終わった6月〜7月にかけて剪定しましょう。
ギョリュウバイは寒さに強い植物ですが、霜や雪は苦手です。葉に雪が積もったり、霜が当たったりすると葉が傷んで枯れてしまう恐れがあります。地植えの場合は、ビニールやバークチップを使ってマルチングをしてから冬越しさせましょう。鉢植えの場合は、寒さをしのげる軒下や室内に移動させておくと安心です。
ギョリュウバイは挿し木で簡単に増やせます。挿し木は、3月〜4月か9月に行いましょう。その年成長した若くて健康な枝を選び、先端から15cmほどの長さで切り取ります。下についている余分な葉を取り除いてから、赤玉土などの挿し木用の用土に挿してください。発根するまでは水切れに注意して、風通しのよい日陰で管理します。
出典:写真AC